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「Tokyo Dell EMC Forum 2017」

【クラウド見て聞きある記(その190)】
平成29年10月26日に、芝公園のザ・プリンスパークタワー東京(毎年行われていた会場が、今年から変更になった)で開催された、DELL Technologies社主催の“「Tokyo Dell EMC Forum 2017」”に参加した。

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今年のテーマとして”REALIZE~デジタルトランスフォーメーションを現実のものに~”で、デジタル、ワークフォース、セキュリティ、ITの4つのトランスフォーメーションについて、最新のソリューションや事例等を紹介するために開催された。

平成15年にDell社によるEMC社の買収が発表され、1年間の検討を経て昨年の9月に新しい会社の名称や組織等が決定し、事業統合の完了がマスコミに発表され、昨年のイベントで新しい会社の内容についての説明があった。

また、昨年の3月にはDELLのITサ-ビス部門をNTTデ-タに約4,000億円で売却を行っており、事業再編の一環で、サーバーやデータセンターなどITインフラ事業へ注力する事も発表している。

このような大きな動きの中、更に1年が経ち上述のような動きを受けて、具体的な結果として事業統合がどのようになったか、非常に興味深い事である。

他の(一般的な)展示会やセミナーでDell EMC社の状況を見ていると、まだ道半ばのような印象があり、相乗効果を享受するのにはもう少し時間が必要だと思っている。

規模が非常に大きい事と、過去からのユーザ企業を抱えている事、従来からの企業風土に大きな違いが有る事、等々未解決の課題もかなり抱えているように推察している。

このような状況の中、Dell Technologies社の今後の動きはクラウド業界全体にも影響を与えかねず、今後の動きや製品戦略を知る事は、重要な事だと考えてイベントに参加した。

今回のフォーラムは、午前中に基調講演が、午後からはランチセッションと6トラックで41セッション(昨年は28)が、併せて主催者とスポンサ-企業による展示会、展示会場でのオープンプレゼンテーション等が行われた。内容が多岐にわたる為、基調講演を中心に概略を報告する。

Ⅰ.基調講演
基調講演として、“デジタルな未来を実現するために – Realize your digital future”と題し、最初に日本法人2社から“ご挨拶”が、次に、Dell EMC サービスおよびIT担当プレジデント ハワード エライアス氏からユ-ザ企業2社のゲストスピ-カを招き基調講演が行われた。

1.ご挨拶
デル株式会社代表取締役社長 平手 智之氏、EMCジャパン株式会社代表取締役社長 大塚 俊彦氏から挨拶があった。

平手社長からは、統合から1年が経って、8.2兆円の売り上げ、14万人従業員に達している事、日本では事業伸長が20%を超えている事、事業環境としてはDXが進展している事、全体では5,000億円のR&D投資がある等の話しがあった。

続いて、大塚社長からは、今回のイベントでは昨年に比べて大幅増の3,000名を超える登録があった事、DX実現のために製品やサ-ビスの説明や事例等の40のセッションが行われる事、ワールドワイドスポンサーとしてIntelとMicrosoftの紹介が行われた。

2.基調講演
“デジタル変革を現実のものに”と題し、Dell EMC サービスおよびIT担当プレジデント ハワード エライアス氏から講演があった。

トランスフォーメーションによって変化するもの、変化する事により豊かなビジネスが実現出来る事、ITがビジネスに与える影響、ITエコシステムの重要性、ビジネス/データセンター/ワークフォース/セキュリティの各々のトランスフォーメーションについて(この4つのトランスフォーメーションに全て関連しているのはDell EMC社のみ、との説明あり)、成功する企業とは、等の話があり、最後にユーザのトランスフォーメーションを支援する“ITトランスフォーメーション ワークショップ“の説明があった。

3.ユーザ講演
デル株式会社 最高技術責任者(CTO) 黒田 晴彦氏が登壇し、Dell Technologiesの3つのコミットメント(従来からの継続サポート、連携と拡張、AI・IoT分野への戦略投資)があり、その後、2社のゲストスピーカーの紹介があった。

□ ゲストスピーカー1(デジタルトランスフォーメーション)
“デジタルトランスフォーメーションによる新価値の創造”と題し、コニカミノルタ株式会社 代表執行役社長 兼 CEO 山名 昌衛氏から講演があった。

自社内で実施しているデジタル改革について、評価解決型デジタルカンパニーへの変革を目指している事、具体的な活動についての紹介があった。

□ ゲストスピーカー2(働き方改革:ワークフォーストランスフォーメーション)
“働き方改革の未来 〜100人100通りの働き方”と題し、サイボウズ株式会社代表取締役社長 青野 慶久氏から講演があった。

働き方改革の先進企業として注目されているサイボウズ社での、働き方改革の背景、考え方、推進方法等についての話があった。やはり大切なことは、経営者のリーダシップと風土改革!!

Ⅱ.ブレークアウトセッション
ランチセッション(5会場)に続きブレークアウトセッションが、6会場で各々6セッション(計41セッション)が行われ、ランチセッションを除く6セッションを聴講したので、その概略を報告する。(内容が多岐に渡る為タイトルとポイントのみを報告)

1.セッション1
“デジタル トランスフォーメーションをもっと加速しよう”と題し、Dell EMCIsilon アジア太平洋および日本地域担当 ゼネラルマネージャ ベンジャミン グッドマン(Benjamin Goodman)氏から講演があった。どうすればDXが出来るのか、Dell EMCのコンサルタント内容等についての話があった。

2.セッション2
“サーバ好き全員集合! 次世代PowerEdgeの全貌”と題し、Dell EMC 執行役員 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部長 上原 宏氏から講演があった。今年の8月に発表された次世代サーバ“Dell EMC PowerEdge”の内容を中心に話があった。

3.セッション3
“デジタルトランスフォーメーション時代に最適なITインフラとは”と題し、ニュータニックス・ジャパン合同会社 システムズエンジニアリング シニアマネージャー露峰 光氏から講演があった。DX時代に求められるインフラとは、ニュ-タニクス社製のHCI製品の説明を中心に話があった。

4.セッション4
“デジタルトランスフォーメーションの準備は大丈夫? ~ハイパーコンバージからビックデータまで、簡単にスピーディーにReadyソリューションで実現~“と題し、Dell EMC インフラストラクチャ・ソリューション事業統括 ソリューション本部 シニアビジネス開発マネージャ 増月 孝信氏から講演があった。IT市場の動向、Dell EMCのReady Solutionの説明を中心に話があった。

5.セッション5
“「クラウドじゃない」と言われ続けて10年、その軌跡と成長戦略とは?”と題し、新日鉄住金ソリューションズ株式会社 ITインフラソリューション事業本部 事業企画推進部 部長 早瀬 久雄氏から講演があった。クラウド事業(Absonne)の概要、今後のサービスの方向性等についての話があった。

6.セッション6
“~ 東芝メモリがDell EMCサーバ担当者と語る~ もう「当たり前」になったエンタープライズ フラッシュ“と題し、東芝メモリ株式会社 SSD応用技術企画 グループ長 山本 績雄氏から講演があった。SSD市場の動向、東芝メモリ製のアドバンテージ等についての話があった。

Ⅲ.展示会
展示会については、Dell EMC展示コーナーとしてIT/Digital/Security/Workspace Transformationコーナーに分かれて製品やサービス/ソリューションの展示が行われていた。製品では、オールフラッシュの新モデルや各種のHCI、OpenStack/Azure Stack、セキュリティ製品、等かなり多ような展示が行われていた。

また、併せて34社の協賛企業から、製品やソリューション/サービス等についての展示が行われていた。昨年に比べて会場も広くなり、展示協賛企業も増えた事から、改めてDell EMCの幅広い製品やソリューションの多さを再認識させられた。

Ⅳ.全体的な感想
セッションの聴講や、展示会で説明員の方と話をしたが、昨年の事業統合の完了、その後1年が経過したことで、製品戦略の具体化に変化が見られるか期待していたが、製品面でシナジー効果が現れるのはもう少し時間が掛かりそう、と感じた。確かに売り上げも8.4兆円で従業員も14万人を超える世帯に成ればかなり難しいと思うが!

基調講演でもあったが、IT関連ビジネスに必要な製品やサービス/ソリューションの品揃えは随一との話もあったが、大きな強みでもあり、見方によっては弱みにもなる事も有る。

デジタル革命の時代には、一つの製品で課題を解決するのは難しく、組み合わせが必須であり、全ての製品を優位に保つのは不可能に近く、今後、どのような製品戦略を打ち出すのか注視して行きたい。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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