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「Enterprise Deveropment Conference 2017」~デジタルビジネスの勝敗を決めるのはソフトウェア 企業に求められる攻めと守りの開発力~

【クラウド見て聞きある記(その185)】
平成29年9月1日に、目黒のホテル雅叙園東京で日経SYSTEM/日経ソフトウエア主催、ITPro協力、ベンダ企業6社(アシスト,キヤノンITソリューションズ,Gemalto,ジャスミンソフト/アライズイノベーション,マイクロフォーカス,NTTコムウェア)の協賛、展示協賛3社(グレープシティ,伊藤忠テクノソリューションズ,住友電工情報システム)で開催された“「Enterprise Deveropment Conference 2017」~デジタルビジネスの勝敗を決めるのはソフトウェア 企業に求められる攻めと守りの開発力~”に参加した。

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多くの企業が「デジタル革命」に取り組みを開始し、一般的にデジタルトランスフォーメーション(以下DX)という言葉が浸透してきている。

また、このDXを実現する為には、クラウドやモバイル、IoT/AI、アナリティクス、ソーシャルメディア等のITテクノロジーの活用が必須となってきている。

一方、企業を取り巻く環境の変化に伴い、IT化の要求も多様化しており、それに伴いシステムの構築手法にも大きな変化が出てきている。

その中でも、開発のアジリティ(スピード)を求める事が最も注目されるようになり、クラウド時代のシステム開発も、ウォータフォールからアジャイルに全てが移行すべき、等の話しも出るようになってきている。

しかしながら、この議論も最近では少し変わってきており、顕著な事象としてSOR(System of Record)とSOE(System of Engagement)に分けて考え、SORを堅牢性が要求される従来の基幹システム等、SOEを企業のイノベーションを支援する新規システムと分けて考える事が多くなってきている。

言い換えれば、SORはウォータフォール型(従来より進化した)を中心とした開発手法で、SOEに関してはスピードや柔軟性を重視した、アジャイル型の開発が最適な手法だと言われている。

これらを前提に考えてみると、クラウド時代のシステム開発は、従来のSORのシステム開発手法に、クラウドを前提としたデジタル革命により、必要となるSOEのシステム開発手法が加わった様に思われ、結果としてシステム開発環境が多様化したものと考える事が出来、企業としてもこの変化への対応が必要になってきている。

SORの開発手法に関しては、従来の手法の見直しを、SOEに関しては新たに開発手法を取り入れる必要が有るが、主催者の案内にもある様に(以下引用)「市場の変化に対応するビジネスモデルやアーキテクチャを設計する力、経営やユーザー部門の要望に応えるシステムを素早く開発、そしてすばやくコーディングする力など、デジタルビジネスの時代には、企業の開発力」等の力が必要となる。

今回のカンファレンスは、「ビジネスのスピードアップ」、「ビジネス拡大」、「ビジネスを守る」、をテーマに、2トラックで5+1セッション(計11)が行われ、6セッションを聴講したので概略を報告する。

Ⅰ.聴講セッション
1.セッション1(ビジネスの拡大)
“賃貸もIoT化の時代!家電や鍵の施錠・解錠を遠隔操作できる技術”と題し、株式会社レオパレス21 執行役員 商品技術統括部長 和田 稔氏から講演があった。

レオパレスIoTの導入の背景、IoTの開発方針、開発に於ける重点項目とバランス、実現した各機能(スマホによる家電制御、高機能型スマートロック、オープン型宅配ボックス、ブロードバンド・サービス、クラウド型防犯カメラ、エントランス顔認証システム等)等についての話があった。

“差別化はするが囲い込みはしない方針”、で開発したものは外販にもつなげる、との話があったが、IoTの場合テクノロジーの進化も激しく、取り組みとして参考になると思う。

2.セッション2(ビジネスの拡大)
“収益拡大のポイントは革新と効率化!ビジネスを支えるソフトウェア収益化戦略”と題し、Gemalto(ジェムアルト)株式会社 ソフトウェアマネタイゼーション事業部シニアプリセールスコンサルタント 前田 利幸氏から講演があった。

ソフトウェア収益化(ビジネス)モデルの変化、ライセシングモデルの変化(サブスクリプションと使用量ベース)、IoTにより変革する製造業のビジネスモデル、やってはいけない良くある収益化の失敗モデル、コストを抑えて収益を拡大させるには、ジェムアルト社が提供する製品やサービス等についての話があった。

3.セッション3(ビジネスのスピードアップ)
“Wagbyが受け入れられる7つの理由と、AIを活用した超高速開発の最新事例”と題し、株式会社ジャスミンソフト 代表取締役 贄 良則氏、及びアライズイノベーション株式会社 取締役COO 清水 真氏から講演があった。

最初に、贄氏からシステム開発を取り巻く環境の変化、Wagbyの概要と優位性、どの程度の超高速なのか、なぜ超高速開発が実現できるのか、等について具体的な内容を上げて説明があった。

その後、清水氏から超高速システム開発ツールと、エンタープライズAI(AIReadという製品)を活用した事例について、体制や成果等の説明があった。

4.セッション4(ビジネスの拡大)
“AIが人材派遣・マッチングを変える!導入と技術の実際”と題し、株式会社フォーラムエンジニアリング 取締役 FE ICT戦略部 事業部長 竹内 政博氏から講演があった。

会社のビジネスアウトライン、製造業に対する技術者のマッチング及び派遣についての説明、今回の開発プロジェクトのアウトライン、プロジェクトの体制や進め方等についての話があった。

5.セッション5(ビジネスのスピードアップ)
“国内シェアNo1超高速開発ツール x RPA x BPM で業務も開発スタイルも革新!”と題し、キヤノンITソリューションズ株式会社 ソリューション企画第二部 部長高橋 嘉文氏、他1名により講演があった。

開発プロセスの高速化が必要となる背景アジャイル開発の次は、DevOPSとは、DevOPS戦略の5つのコンポーネント、(講師チェンジ)エンタープライズシステム開発と高速化するキーポイント、開発の高速化と品質確保を支援するソリューションの紹介等についての話があった。

6.セッション6(ビジネスを守る)
“開発と運用でサービスの信頼性を高める「SRE」の実践”と題し、株式会社メルカリ プリシパルエンジニア 長野 雅広氏から講演があった。

メルカリについて業務内容と特徴について、SRE(Site Reliability Engineering:インフラチーム)とは、GoogleのSRE、メルカリのSREと採用理由、SREの具体的な仕事、セキュリティ対策について等の話しがあった。

SREはGoogleで培われたシステム管理とサービス運用の方法論の事で、一般的なインフラ保守・運用チームの殆どの作業を含んでおり、Facebook等も取り入れ、日本でもサイボウズが採用している。

Ⅱ.全体的な感想
経営課題としてDXを実現する必要があり、実現する為にはIT活用は前提で、その為要求の多様化は益々拡大してきている事が、認識できるセミナーだった。

それに対するITのテクノロジーや保守・管理手法等の進化も目を見張るものがあり、今回のセミナーでもIoTに始まり、AI、RPA、超高速システム開発、アジャイル開発手法、DevOPS、SRE等々、システム開発や保守・管理環境についても、多様化し大きく変革してきている事が判る内容だった様に思う。

一方、システム開発手法を考えても、エコシステムの進展・進化、超高速システム開発ツールの充実及び手法の確立、アジャイル開発手法の進化、コンポーザブルな開発の進化、マイクロセグメンテーションの台頭等、要求スピードに対応する為のものは出揃ってきているものと思われる。

これらの変化を認識し、自社に合った(広い意味での)システム開発力を如何につけるかが求められており、企業の競争力の源泉と考え取り組む重要性も再認識した。

毎回書くが、もう少し勉強が必要と感じたが、システム開発の世界は面白い!!

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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