ASP・SaaSナビTOP > コラム > 「IoT Business&Tech Forum 2017」~インダストリ-4.0、エッジコンピュ-ティング…IoTビジネスで「本当に勝つ」処方箋~

「IoT Business&Tech Forum 2017」~インダストリ-4.0、エッジコンピュ-ティング…IoTビジネスで「本当に勝つ」処方箋~

【クラウド見て聞きある記(その184)】
平成29年8月30日に、御茶ノ水のソラシティカンファレンスセンタ-でITpro主催、日経コンピュ-タの協力、アクセンチュア、日立コンサルティング、SAS Institute Japanの協賛で開催された“「IoT Business&Tech Forum 2017」~インダストリ-4.0、エッジコンピュ-ティング…IoTビジネスで「本当に勝つ」処方箋~”に参加した。

DSC_2658_20171115_colm.JPG

IoTに関しては、当初は期待されたほどの普及は無かったが、最近、IoT関連のプラットフォ-ムの出現(乱立気味だが)、大きな課題だったネットワ-クとセキュリティを一気に解決する“SORACOM Air”の出現及び急激な機能強化と追加、各種センサ-の出現と価格の大幅な低下、エンドポイントを結ぶ低電力通信(LPWA)の本格普及、最終目標であるビッグデ-タとAIによる分析基盤やフレームワ-クの増加、導入方法の確立、受け皿となる月額課金ビジネスの伸長、具体的な成果を出している事例等々があり、構築環境は大きな変化の時を迎えている。

また、市場環境については、各種の調査機関の発表によると、2020年までは、売り上げベ-スで10%以上の成長が期待出来、国内市場での売り上げも色々と調査結果はあるものの8兆円を超えるとの結果も報告されている。従来のソフト市場を考えた場合、非常に大きな値だと思われる。

一方、IoTに取り組んでいる企業の状況については、導入手順で推奨されている“POC:Proof Of Concept/概念実証)”段階で失敗するケ-スが多く、IoT普及のための大きな課題となっている。

また、POCを完了しても次の段階へ進む時、個別での導入から企業全体での展開を考えたとき、サイロ化を避けるための保守・運用の統一化、統一したガバナンスの制定等も加わり、躊躇するケ-スも発生している様に思う。

この様な中、テクノロジ-の進展を見極め、自社のIoTビジネスを検討するには、数々の課題が存在するため、慎重に検討を行う必要がある。

これらに対応する為に、製品の情報やサ-ビス/ソリュ-ション、具体的な事例等に関する最新の情報を提供する為に、各種のイベントが開催されており、企業の関心の高さを表す様に、参加者も非常に多い。

今回のイベントは、基調講演と特別講演に加えて、協賛各社から業界動向や製品やソリュ-ション/サ-ビスに関する説明等が行われた。セッションの数は少なかったが中身の濃いものが多く、その概略について報告する。

Ⅰ.基調講演
“交通・運輸をIoT活用で安全・快適に-「WILLER EXPRESS」の取り組み”と題し、WILLER EXPRESS JAPAN株式会社 代表取締役 平山 幸司氏から講演があった。

ウィラ-エクスプレスのビジネスモデル及びバス会社の価値、IoTを活用した安全運行を最先端技術を使い実現等の話しがあった。

最先端技術を活用した事例として、安全機器(デジタコ、ドライブレコ-ダ等)の活用拡大、最適な予防整備への取り組み、PCS(衝突被害軽減ブレ-キ)の機能について、健康経営について等の話しがあった。

IoTを使って安全・快適を実現している事例、経営者自らが陣頭指揮をとって進めている事等参考になる内容が多かった。

Ⅱ.特別講演
“みずほフィナンシャルグループ、IoTで見据える未来の銀行”と題し、みずほフィナンシャルグループ デジタルイノベーション部 シニアデジタルストラテジスト 兼 Blue Lab CTO 大久保 光伸氏から講演があった。

デジタルイノベ-ションにオ-プンイノベ-ションをプラスしたみずほのFinTechへの取り組みについて、キャッシュレス社会の実現と情報の利活用、具体的な活動事例、IoTがもたらすFinTechの位置づけ、みずほFinTechのAPIエコシステム、システムリスク管理、サブスクリプション等の実施している実証実験、エコシステムの形成と今後の展望等についての話があった。

金融機関のIoT等を活用したFinTechへの取り組みについて、全般的な説明があり、非常に参考になる内容だった。

Ⅲ.協賛企業セッション
協賛企業3社から、IoT関連の現状や製品及びサ-ビス/ソリュ-ション、具体的な事例等についての講演があった。 その概要について報告する。

1.セッション1
“製造業の最新事例に学ぶIoT×機械学習活用のポイント”と題し、SAS Institute Japan株式会社 ソリューション統括本部 プラットフォームソリューション統括部 IoT & Advanced Analyticsグループ 松園 和久氏から講演があった。

デ-タ分析で著名な同社の最新の事例、事例から学ぶIoT×機械学習(ML)活用のポイント等についての話があった。

2.セッション2
“製造業におけるユースケースに基づくIoT導入プロセスの有効性”と題し、株式会社 日立コンサルティング 産業コンサルティング本部・シニアマネージャー 馬場 隆夫氏と、産業コンサルティング本部・マネージャー 中村 雄一氏から講演があった。

馬場氏から、IoT導入における課題と導入プロセスの必要性、製造業における具体的な事例、中村氏から、IoT導入に必要なアナリティクス技術の選定・導入プロセス等についての話があった。

IoTへの取り組みについて、導入プロセスが判らない、という企業が多いが、参考になるプロセスだと思う。

3.セッション3
“How to Unlock Business Value from Industry X.0 ~変革の傍観者にならないために“と題し、アクセンチュア株式会社 製造・流通本部インダストリアルグループ アジア・パシフィック統括 マネジング・ディレクター 河野 真一郎氏から講演があった。

2020年の世界、我々が生き抜く世界、競争源泉の変化、襲ってくるデジタル化の波、テクノロジ-の組み合わせの例、モノのネットワ-クの爆発的な増加等の現状の説明があり、その後、モノを売るビジネスから成果を売るビジネスへの変化、イノベ-ションの起こし方、Next Step Action等についての話があった。

Ⅳ.全体的な感想
昨年(2016年)は、IoT元年と呼ばれて、IoTが本格的に普及するものと期待していたが、少し当てが外れて、徐々にその原因が解ってきた。

当初は機器やシステムを導入すればIoTシステムの構築が可能、との目論見があったが、やはり通常のシステム構築と同じ様に多くの課題があり、導入手順が重要な事が再認識された。

これらの整備の為に2016年から2017年の初めまでを費やし整備を行い、その結果が今日のセミナ-の話しになったと思っている。

今度こそ本当に、IoT分野に関して、(ようやく)本格的な普及に向けての準備が整ってきた様に感じた。

また、幾つかのセッションで指摘があった様に、IoTの本格的な普及の為には、企業風土の醸成や経営層の取り組みに対する決意が最も重要となるため、これらの変革への支援活動も必要になるものと思われる。

IoTの本格的な普及があってこそ、IoTビジネスの拡大につながるものと思われので、当面は、IoT利用拡大に向けての活動支援が重要になると思う。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

アクセスランキング 総合


業種別メニュー

サービス別メニュー


このページのTOPへ