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Developers Summit 2017 Summer」~エンジニアコミュニティが推進する新しい企業文化と開発の現場~

【クラウド見て聞きある記(その182)】
平成29年7月28日に、御茶ノ水のソラシティカンファレンスで開催された、翔泳社主催の“Developers Summit 2017 Summer」~エンジニアコミュニティが推進する新しい企業文化と開発の現場~:通称デブサミ2017”に参加した。

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今回のデブサミ2017 Summerでは“エンジニアコミュニティ”という言葉が用いられているが、エコシステム等の最近のシステム開発環境を考えた場合、非常に重要且つ適切な単語だと思う。

最近のシステム構築では、OSS(Openーsource software)を活用して行う事が増加しているが、このOSSはエンジニアコミュニティを中心に設計や開発を行う事が一般的に行われる。

また、各種の製品(AWSやAZURE等のクラウド、ERP、運用、開発等)に関しても、各々のコミュニティが形成され、活用方法の研究や、製品に対する要求、各種ノウハウの共有及び普及活動等を行う事が一般的に行われている。

一方、システム構築方法に関しても、オンプレミスやプライベートクラウド、パブリッククラウド等を組み合せて作るケースが多くなり、一つの環境では無く幾つかの環境やサービスを連携して、一つのシステムを実現する必要が出てきている。

また、AI等の高度な処理を行うサービスも数多く出現しており、API経由で活用する事も求められている。

これらを、エコシステムとして管理し、システム構築時に活用する事により、スピーディなシステム開発や、品質の高い高度な処理を実現する事が可能になるが、大手のSIerではコミュニティを構築し、各種の実現方式の研究活動を行っているケースもある。

これらの各種コミュニティは、温度差はあるものの、非常に活発な活動を行っており、コミュニティに参加する事が、効率の良いシステム構築につながるのは間違いなく、また、各種の参加者の企業間のみならず異業種交流も可能なため、若手の育成の場としても活用される様になってきている。

今回のイベントはコミュニティをメインテーマとしているが、幅広いジャンルの発表が行われ、開発環境の変化に対応して参加者も多様化しており、殆どのセッションが満員だった。

また、ユーザ自らがシステム開発のイニシャティブをとる企業が増え、それを反映してユーザ企業からの参加が増えている様に感じた。

今回は、3トラックで各々8セッション、合計24セッションが行われ、都合により7セッションに参加したので、その概要について報告する。

Ⅰ.聴講セッション報告
セッションに関しては、エンジニアの生き方、トレンド、開発プロセス、事例、スペシャルをテーマとして行われ、7セッションを聴講したので、その概要を報告する。

1.セッション1(エンジニアの生き方)
“SIerとオープンソースの美味しい関係 ~コミュニティの力を活かして世界を目指そう~“と題し、株式会社NTTデータ 技術革新統括本部 システム技術本部 OSSプロフェッショナルサービス 主任 Apache Software Foundation, 日本Hadoopユーザ会 鯵坂 明氏から講演があった。

Apache Hadoopeコミュニティに参加した経緯、コミッタになるまで、オープンソースコミュニティ活動の面白さ、コミュニティ活動の活動内容、コミッタの目指すべきところ等についての話があった。

2.セッション2(事例)
“GitHub Enterpriseがもたらした革新をエンジニア視点から”と題し、株式会社FFRI製品開発本部 エンジン開発部 ソフトウェア・エンジニア 押場 博光氏、株式会社セゾン情報システムズ テクノベーションセンター 原口 猛氏、マクニカネットワークス株式会社 営業統括部アプリケーション営業部第4課 廣田 華代氏から講演があった。

その中で、“GitHub Enterprise導入で「変わった, 変わらなかった」もの~エンジニアの立場から見た導入による変化と課題~“と題し押場氏から事例の紹介があり、“SIチームにGitHubEnterpriseを導入してわかったこと”と題し原口氏から事例の紹介があった。

最後に、廣田氏から“モダン化を実現するツール”としてのGitHubの紹介があった。

3.セッション3(トレンド)
“コミュニティが成長させるマルチクラウド環境でのデータ管理の世界 ~Docker Hubで500,000ダウンロード達成、Scality S3サーバーが進化を遂げた!~“と題し、スキャリティ・ジャパン株式会社 サービス&サポートエンジニア 鴨志田 睦氏から講演があった。 アマゾンS3と互換性を持つScality S3サーバーの紹介や、オープンソースZENKOのメリットやAPIの詳細等についての話があった。

4.セッション4(エンジニアの生き方)
“コミュニティ活動がもたらす自身と会社への変革”と題し、アールスリーインスティテュート 金春 利幸氏から講演があった。 現在の活動内容CIO(Chief Innovation Officer)、AWSのユーザ会であるJAWSーUGの活動内容とコミュニティ活動の成果、Kintoneとの出会い及びコミュニティ活動と成果、コミュニティ活動を通じて感じた事や得た事等についての話があった。 5.セッション5(開発プロセス)
“IoTアプリの開発スピードが10倍に!素早く異常検知を実現するConnexon”と題し、東京エレクトロンデバイス株式会社 CNカンパニー アプリケーションサービス開発部 アカウントマネージメントグループ 城取 祐司氏から講演があった。

ノンプログラミング開発を実現する“Connexon”の紹介、NodeーREDとの比較、Connexonの今後等についての話があった。

6.セッション6(事例)
“LINE BOT SDK の開発とサポートから学ぶコミュニティ運営の勘所”と題し、LINE株式会社 開発3センター サービス開発1室 エンジニア 長谷部 良輔氏から講演があった。

LINE Messaging APIとBOT SDKについて内容や提供の結果、LINE BOTを色々な人に使ってもらう為に等の話しがあった。

7.セッション7(エンジニアの生き方)
“eurekaの普遍的に優秀な人材として成長し続けるための組織づくり”と題し、株式会社エウレカ / eureka, Inc. CTO 金子 慎太郎氏、株式会社エウレカ / eureka, Inc. CTO室室長 認定スクラムプロダクトオーナー 梶原 成親氏から講演があった。

エウレカの事業及び変革、人材を生かし一人一人が気持ちよく働ける組織や考え方、エウレカ版の自立・自律について等の話しがあった。

Ⅱ.全体的な感想
システム構築の環境は大きく変化しており、開発方式や言語の多様化が顕著となり、従来の様に、単に開発方式の標準化、及びそれに合わせた人材育成等を行っておれば良かった時代は、もはや過去のものだと感じた。 テーマとして前回の”共創”から、今回は“エンジニアのコミュニティ“に光を当てたのがその一つの表れだと思う。

クラウド時代のシステム構築環境は大きく変わり、クラウド活用による“造るより使う”という考え方や、エコシステムの活用やマイクロセグメンテーションによりコンポーザブルな開発、より複雑な基幹系システムでは、エンタープライズアジャイルによる超高速開発等を駆使して、SOR/SOE領域の開発を使い分ける時代を迎えている事は間違いない様だ。

これらの環境に合わせてデブサミの内容についても大きく変化してきているが、少し広がりすぎる様に感じている。

前回も書いたが、従来型の基幹システムは、全体の50%以上が残る、との調査結果も有り、依然として(新しい)ウォーターフォール型の開発も残らざるを得ない現実もあり、これらに対応を行う為に、システム開発が多様化し、色々な人材が必要となってくる。

デブサミではこれらの変化を先取りしていると考えると、腑に落ちる部分も多く、多彩なジャンルのセッションや講師のアサインが行われ、興味深く面白い内容に成っていた様に思う。

参加者には若い人も多かったが、システム開発も多様化/多彩化しており、今後共に積極的にこの様なイベントに参加し、雰囲気に慣れて欲しいと思っている。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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