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「Google Cloud Next Tokyo」~クラウドの「未来」がもうはじまっている~

【クラウド見て聞きある記(その176)】
平成29年6月14日~15日に、芝公園のザ・プリンスパークタワー東京で開催の、グーグル株式会社主催の“「Google Cloud Next Tokyo」~クラウドの「未来」がもうはじまっている~“に参加した。

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昨年まで実施していたイベントの、名称を変更し(Nextに)世界の19都市で開催しているが、その一環として実施されたもの。最近のモメンタルとして、世界中でGoogle Cloudの利用ユーザが増えており、Cloudの名称が入ったようだ。

最近グーグル社は、クラウド型グループウェアである“GーSuite”(旧Google Apps for Work)やクラウドコンピューティングサービス“Google Cloud Platform”、開発環境の“Google App Engine”等を中心に、エンタープライズ向けに大幅な機能強化を実施しており、メールやグループウェア中心の使い方から、大企業のIT基盤を構築する環境を提供する事を目指して積極的な投資を行っている。

また、各種APIの提供等によりエコシステムの構築を行い、大規模でかつ多様な企業システムへの適用に必要となるカスタマイズ等を行い易くする等の取り組みも積極的に行っている。

また、クラウドビジネスを進める上で1社ですべての機能を提供する事は難しく、パートナー企業との連携が必要となり、その為のAPIの整備やパートナーを含めたエコシステムの構築、戦略的な協業の推進等にも積極的に取り組みを行っている。

一方、今、世の中で注目されているワークスタイル改革活動にも積極的に取り組み、社内での実践や各種プロジェクトの立ち上げや支援等を行い、大きな成果を上げている。その実践した成果を製品やサービス/ソリューションとして整備を行っている。

このような活動を通じて、グーグル社のクラウドビジネスに対する評価は徐々に高まってはいるものの、4月の大手ベンダーのイベントで古くからのクラウド導入支援を行っている著名なベンダー(グーグル製品も)が登壇し、複数のベンダーの評価を行っていたが、かなり厳しい内容になっていた。

上記のような中、クラウドビジネスを中心に、グーグル社の製品やサービス/ソリューション、パートナーとの連携戦略等の最新情報を入手する為に参加した。

イベントは両日ともに午前中に基調講演が、ランチセッションを挟んでブレークアウトセッションが、7トラックに分かれて行われた。同時にスポンサー企業も含めて展示会も行われた。

6月14日の基調講演と、ブレークアウトセッション及び展示会に参加したので、基調講演を中心に概要について報告する。

Ⅰ.基調講演
基調講演は、7名の社内スピーカに加えてゲストスピーカーを迎えて行われた。概略の内容については次の通り。

1.Google Cloud シニア バイス プレジデント ダイアン グリーン氏から、最近の話題としてGoogleのプラットフォーム上で稼働しているPokemon GOの話で、当初の予想の50倍以上のアクセスが発生したが吸収出来たこと、最も大きなコンテナ方式の開発や運用を行っている事等の話があった。

また、サービスは全てAPIで提供されユーザは利用する事が可能な事、前提となるセキュリティについては万全を期している事、自社の働き方改革について日本で積極的に進めている事等の話があった。

2.Google Japan専務執行役員 CMO アジア太平洋地域 マネージングディレクター 岩村 水樹氏から、2014年にGoogleが始めた“Woman Will”プロジェクト活動を通じて、Googleが進める働き方改革についての話があった。年々、活動も拡大・定着して、具体的な成果も出ている、との報告もあった。

3.Google Cloud Gー Suite 部門 バイス プレジデント プラバッカー ラガバン氏から、GーSuiteの現状、AI/ML等の活用による作業生産性向上や作業支援への挑戦、チームの生産性の向上等についての話があり、その後、最新機能を含めてGーSuiteによる働き方改革のデモが行われた。

4.Google Cloud エンジニアリング部門 バイス プレジデント ブラッド カルダー氏から、10億人のユーザを持つGoogle Cloud Platformが採用される理由、もう一つの理由はセキュリティ対策である事、今後注目される技術等について、技術的な面からの解説があった。

5.Google Cloud カスタマー部門 プレジデント タリク シャウカット氏から、GーSuiteによる働き方改革を進めている、ファミリーマートの澤田社長を迎えて話があった。

6.Google Cloud 事業本部長 塩入 賢治氏から、Google Cloud Platformを導入した事例として、ニンテンドーでの導入事例とビデオでの紹介、ゲストスピーカーとして株式会社メルカリ 執行役員 VP of Engineering 柄沢 聡太郎氏を招き話があった。

7.Google Cloud日本代表の阿部 伸一氏から、最後に、基調講演のまとめと、今後、重要になるパートナー制度及び有力企業との連携(協業)等に関する、最新の状況説明や具体的な事例の紹介があった。

Ⅱ.ランチ&ブレークアウトセッション
午後からは、ランチセッション×4を含めて、7トラックで36セッションが行われ、その内5セッションを聴講したが、内容が多岐に渡るため、その超概略のみを報告する。

1.セッション1
“ここでしか聞けない G Suite 最新機能!プロダクトロードマップをご紹介”と題し、Google Cloudカスタマー エンジニア 深堀 まど佳氏から講演があった。

チームの生産性向上を目標に、15機能の強化が行われ、その内の主な5項目についての説明があった。チーム生産性を考えた場合、嬉しい機能が多いように感じた。

2.セッション2
“G Suite で実現する働き方改革 ―周辺サービスとモバイルで生産性向上―”と題し、株式会社電算システム クラウドインテグレーション事業部 営業マネージャー 北村 友史氏、株式会社NTTドコモ 理事 法人ビジネス開発室長 古野 徳之氏から講演があった。

ドコモでの働き方改革の内容の紹介、その時に活用した電算システムのGーSuiteを中心としたサービスについての紹介があった。

3.セッション3
“最強の PaaS, Google App Engine で DevOps を加速”と題し、Google Cloud カスタマー エンジニア 水江 伸久氏から講演があった。

DevとOPSの割合についてApp Engineを活用する事により、大幅に改善(Devの比率拡大)を行う為の方策についての話があった。

4.セッション4
“ G Suite は他社サービスとどう違うのか ? ~大手企業の G Suite 採用理由を実際にご紹介~”と題し、J.フロント リテイリング株式会社 経営戦略統括部 グループ経営戦略 ICT 新規事業担当 土屋 真弓氏、Google Cloud カスタマー エンジニア 深堀 まど佳氏から講演があった。

J.フロント リテイリング株式会社においてマルチサービスリティラーへの変革に相応しいツールとして、“GーSuite”を選定した経緯や理由等の説明があった。

5.セッション5
“『じゃらん』『ホットペッパーグルメ』を支えるクラウド・データ基盤”と題し、株式会社リクルートライフスタイルネットビジネス本部 ディベロップメントデザインユニット データエンジニアリンググループ アプリケーションエンジニア 堀澤 健太氏、Google Cloud シニア アカウント エグゼクティブ 中島 謙二氏から講演があった。

自社の分析システムで、従来AWSのみで稼働していたシステムを、GCPとの併用に切り替えた(Big Query等の活用)時の、検討過程、内容等についての話があった。

Ⅲ.展示会
Google Cloud体験エリアとして、グーグル社の製品やサービス、GCPコミュニティの紹介等が19のブースに分かれて行われていた。

スポンサーブースでは、25社の協賛企業から、機能補完システムや便利機能等に加えて、導入支援や連携の為のシステム等の展示が行われていた。

また、同時に開催された“Codelabs”で は資料となる開発手順ドキュメントを見ながら、GCPのサンプル アプリケーションを作れる等の、開発体験が出来るイベントになっていた。

一通り見て回ったが、グーグル社のブースでは、かなりエンタープライズへの適用を意識した展示が行われており、意気込みを感じたが、スポンサーブースでは、まだ、機能補完ツールの展示が多く、浸透までにはもう少し時間が掛かるものと思われる。

Ⅳ.全体的な感想
昨年のイベントで製品の大幅な再編(名称変更含む)の発表があり、メールやグループウェア中心のサービスから、エンタープライズに向けての各種インフラが着実に整備され、Google Cloud Platformを中心に、多くの事例も出てきている事も確認できた。

その中でも、Google Cloud Platformのエンタープライズ向け機能の強化、APIを中心としたエコシステムの整備、エンタープライズで必須となるセキュリティの強化等、注力している分野も確認する事が出来、今後に期待を持たせる内容になっていた。

しかしながら、マイクロソフトがエンタープライズ向けの整備を本格的に始めてから、市場で抵抗なく受け入れられる迄には、7年以上を要しており、領域の違いはあるが、グーグル社がどの程度の期間で出来るか注視して行きたい。

また、パートナー企業の補完機能やサービス/ソリューションについても、1年でかなり増加しており、これらを如何にユーザ企業に認識させるかが課題だと思う。

政府が強力に推進している「働き方改革」に関しても、活用すれば有用な製品やサービス/ソリューションを幾つも確認できる為、活用支援活動を通じて紹介したいと思う。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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