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働き方イノベーションForum2017―組織とITで勝ち抜くワークスタイル改革「最適解」を探る1日―

【クラウド見て聞きある記(その174)】
平成29年5月30日に、目黒のホテル雅叙園東京で開催された、主催:日経BP総研 イノベーションICT研究所、協力:ITpro、日経コンピュータ、日経情報ストラテジー、協賛:日本マイクロソフト、エントラストジャパン、インテル、モバイルアイアン・ジャパン、日本デジタルオフィス、レコモット、新日鉄住金ソリューションズ、ソフトバンク/ポリコムジャパン、ソリトンシステムズで開催された“働き方イノベーションForum2017―組織とITで勝ち抜くワークスタイル改革「最適解」を探る1日―“に参加した。

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ワークスタイル改革については、古くから課題として多くの企業が取り組んできており、大きな成果を上げている企業がある。

最近では、少子化による人口の減少に伴う労働人口の減少対策や、法制等の見直しに伴う長時間労働対策、グローバル化の進展等により、企業の経営課題としてワークスタイル改革に取り組む企業が増加している。

一方、モバイルをはじめ、IoTによるデータの収集の自動化、集まったデータに対して人工知能(AI)を使っての分析と業務への活用、最近ではホワイトカラーの業務を自動化する技術として注目を集めるRPAなど、ITの世界では日々テクノロジーが進化している。

これらの動きの中で、進化するテクノロジーを働き方改革にどう生かすのかが、企業での大きな経営課題として、クローズアップされている。

しかしながら、具体的な活動につなげ、成果を出している企業が出てきている一方、多くの企業(特に中堅中小企業)では、どう取り組んで行けば良いかを、模索している段階で止まっている。

原因は、色々と考えられるが、機器やアプリを入れれば改革は進む、というのは幻想に過ぎない事はハッキリとしており、一歩進めた検討が必要な段階に来ているものと思われる。

これらの最新の状況の把握、製品やソリューションの進化の確認、取り組み事例等を確認する為に参加した。

セミナーは、午前中に基調講演とソリューション講演が、午後からは3トラックに分かれて(一部2トラック)でソリューション講演が11セッション、最後に2トラックで特別講演が行われた。

午前中の2セッションと、午後に特別講演×2とソリューション講演を4セッション聴講したので、その概要を報告する。

Ⅰ.基調講演
“大都市の「地下」で進む働き方改革”と題し、東京地下鉄株式会社(東京メトロ) 取締役 (鉄道本部工務部及び改良建設部担当) 野焼 計史氏から講演があった。

同社の概要(ICTに関わる内容が主)、働き方改革が必要となったトンネルの維持・管理の仕事内容について(特に検査工程)、ICTを導入した背景、取り組みの内容の詳細、開発体制、導入結果、今後の予定等についての話があった。

主として、手書きで持ち帰りPCに入力していた作業を、タブレット等を導入し、現場で入力した検査結果の自動更新や、写真の撮影・自動取り込み等を行う事により、検査作業の改善や、情報の共有、報告書作成の効率化等を実現したもの。

設備・資産の維持保守業務の働き方改革を行った事例であり、参考になる事例だと思う。

Ⅱ.特別講演
特別講演については、午後の最初のセッション(3トラック)と最後のセッション(2トラック)が行われ、主として事例を中心に講演があった。2セッションを聴講したので概要を報告する。

1.特別講演1
“一人ひとりの仕事量と進捗を見える化、テレワークの不安を払拭”と題し、オリックス・ビジネスセンター沖縄株式会社 業務編成部 部長 平良 一恵氏から講演があった。

オリックス・ビジネスセンター沖縄で実施した、働き方改革の内容について、具体的な画面を基に説明があった。

働き方改革の前提となる生産性の管理(ECOまるマネジメント)、及び生産性改善ツール(ECOまるアーツ)について画面を基に説明が有り、その後ECOまるアーツの活用による働き方改革活動についての説明があった。

その中で、働き方の多様化への対応や、具体的な数値(リアルタイム収集)を活用してのマネジメント等、非常に参考になる事例だった。

2.特別講演2
“「何のための働き方改革?」、目的をあきらかにして組織を動かす”と題し、株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 執行役員 経営企画部長 本合 暁詩 氏から講演があった。

会社概要、これまで実施した働き方改革、推進しているテレワーク、多様な人材が生きるマネジメントの構築と推進、社会体験の充実のための3つのテーマ、プロジェクを実施した結果と教訓、今後の活動予定等についての話があった。

その中で、教訓として“課題が同じ境遇の人でも同じではない、子育て/介護でも働き方に対する考え方は違う“という話があったが、働き方改革の一つのポイントだと思う。これを外して失敗しているケースが多いように思う。

Ⅲ.ソリューション講演
協賛企業各社からソリューション講演として、4つの講演を聴講したが、内容が多岐に渡るため、タイトルと概略のみ報告する。

1.ソリューション講演1
“働き方改革を支える次世代ワークプレイスとプラットフォーム”と題し、日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 Windows & デバイス本部 本部長 三上 智子氏から講演があった。

働き方改革に関する調査結果及び世の中の動き、日本マイクロソフトにおける働き方改革、新しい考え方として組織起点の働き方等についての話があった。

2.ソリューション講演2
“働き方改革定着への挑戦とそれを支えるIT”と題し、新日鉄住金ソリューションズ株式会社 エグゼクティブプロフェッショナル 営業統括本部 営業総括部長 人事本部 キャリア採用センター所長 岡田 康裕氏から講演があった。

自社における働き方改革推進体制、働き方改革定着への挑戦、活用ツールやソリューション等についての話しがあった。

3.ソリューション講演3
“真のワークスタイル変革に必要不可欠なモバイル管理の導入事例のご紹介”と題し、モバイルアイアン・ジャパン株式会社 チャネルセールス本部長 中村 真氏から講演があった。

今必要になっているEMMとは、モバイルOSの先進的なセキュリティモデル、モバイルITのためのセキュリティプラットフォーム、モバイルアイアンとは、導入事例等についての話があった。

4.ソリューション講演4
“働き方改革を推進するワークスペースのモビリティとセキュリティの取り組み事例:和歌山県庁様の取り組み~“と題し、株式会社レコモット 代表取締役 CEO東郷 剛氏、及びゲストスピーカーとして、和歌山県 企画部 企画政策局 情報政策課 課長 天野 宏氏から講演があった。

東郷社長から、働き方改革とは/なぜ必要か、IT環境の変化、moconaviとは等についての話があった、その後、天野氏からは、モコナビと新しい働き方と題し、和歌山県庁での導入事例についての話があった。

Ⅳ.全体的な感想
働き方イノベーションに関しては、過重労働問題や労働人口の減少等があり、企業でも重要な経営課題として取り組んでおり、関心の高さがあるのは間違いないようだ。

ただ、働き方イノベーションについては、目的では無く手段であり、自社の組織や業務内容に合わせた改革が必要となる事は、もう少し啓蒙が必要となるもの思われる。

今日の事例や、協賛ベンダーによるソリューション講演を聞いていると、技術的にはほぼ出揃ってきており、業務や課題に合わせて、ツールやソリュ―ションを組み合せる事により、ほぼ実現可能な状態になっているように感じた。

しかしながら、本格的な導入にあたっては、人事制度やガバナンスの課題、改革を受け入れる企業風土の醸成等、難しい課題も残っているが、参考になる事例も多く出てきているように感じた。

前回も書いたが、目的レベルや会社規模等に応じて、“松、竹、梅”のように、検討すべきガイドライン等が有れば、上記課題の検討工数の軽減策となり、導入工数も抑える事が出来、ひいてはSMB市場での活用拡大につながるものと思われる。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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