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「Oracle Cloud Platform Summit Tokyo 2017」

【クラウド見て聞きある記(その171)】
平成29年4月25日に、恵比寿のウェスティンホテル東京で開催された、日本オラクル株式会社主催の「Oracle Cloud Platform Summit Tokyo 2017」に参加した。

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オラクル社は、最近クラウド関連の製品やサービスの強化に力を入れており、数千億に及ぶ資金の集中投資、M&Aによるクラウド関連企業の買収、クラウド事業経験人材の積極的な採用等を行い、着実に成果を上げつつある。

一昨年と昨年に同様のイベントがあり参加したが、社長から“わが社のクラウド事業は一周半遅れ”の発言があったが、今年の発言には大きな変化があった。

また、最近、ビジネス上での連携も積極的に進めており、直前にも富士通のクラウドサービス“K5”と“Oracle Cloud”との連携を発表したり、NECとの連携も多方面にわたり発表を行っている。

もう一つのオラクル社の特徴として、HWを含めて殆どを自前で揃えており、システム全体としての高度に最適化されたシステムの提供ができ、停止が許されない高可用性システムの実現や、AI/ビッグデータの超高速な分析システムの実現等を可能にしている。

これらの状況を確認することと、今後のオラクル社のクラウドに対する戦略等について最新の情報を得るために参加した。

今回のイベントは、午前中にゲスト企業を迎えてキーノートが、ランチセッション(2セッション)を挟んで、午後にはブレークアウトセッションとして、4トラックで各々4セッション(16セッション)が行われた。午前中のキーノートと午後のブレークアウトセッションの4セッションを聴講したので、キーノートを中心に、その概要を報告する。

Ⅰ.キーノート
キーノートは3部に分かれて行われたので、各々の概要について報告する。

Ⅰ-1.オープニング
日本オラクル株式会社 取締役 代表執行役社長 兼 CEO 杉原 博茂氏から講演があった。

クラウド関連の市場を取り巻く環境の変化、3年前のCloudでNo.1宣言からの現状までの結果報告、Oracle Cloudの3つの選択を提供出来た事、市場での評価も上がり実績も出てきている事、300社に及ぶCloudパートナー企業と共にビジネスを推進等の話しがあった。昨年の1周半遅れの話しから、今年の話しの変化には驚いたが、環境は整いこれがスタートラインだと思う。

Ⅰ-2.キーノート1
“Cloud Platformで実現するビジネス革新”と題し、2社のユーザ企業からゲストスピーカーを招いて、日本オラクル株式会社 執行役副社長 クラウド・テクノロジー事業統括 石積 尚幸氏、スペシャルナビゲーターとしてフリーアナウンサー高樹 千佳子氏で講演が行われた。

まず、石積執行役副社長から、オラクルが提供するCloud Platformとして3つの形態(オンプレミス、Oracle Cloud for Customer、PubricCloud)について、想定している活用の3つのパターン(ITモダナイゼーション、マルチクラウド、デジタルトランスフォーメーション)、クラウドサービスについては2015年から立ち上げ重点的な機能強化を実施してきた等、の話があった。

その後、2社からゲストスピーカーを迎えて、講演と終了後、高樹アナウンサーのナビゲートでQ&Aが行われた。

1.ゲスト1
“SOMPOホールディングスにおけるデジタルトランスフォーメーション”と題し、SOMPOホールディングス株式会社 常務執行役員 グループCDO 楢崎 浩一氏から講演があった。
自社での活動内容や、自社で構築したシステムの具体的な事例についての話があった。

2.ゲスト2
“戦略的なクラウド協業先として!!”と題し、富士通株式会社 執行役員常務 CMO 阪井 洋之氏から講演があった。

昨年7月以降に発表した、Oracleと富士通の連携に関して、大きなインパクトがあったが、その3つのサービスについての説明があった。

Ⅰ-3.キーノート2
“Cloud Platform戦略と新たな価値創造”と題し、2社からのゲストスピーカーを迎えて、日本オラクル株式会社 執行役員 クラウド・テクノロジー事業統括 Cloud Platform事業推進室長 竹爪 愼治氏から講演があった。

求められているビジネスの変化、ビジネスの変化に追従するCloud Platform戦略、PaaS + IaaS拡充の大方針(壁なきサービス、位置透過性、ビルディングブロック)等についての説明があった。

その後、地域活性化 × オラクルクラウドをテーマに、2社からゲストスピーカーを迎えて事例及びサービス等の紹介があった。

1.ゲスト1
株式会社Orb CEO 仲津 正朗氏から、同社が立ち上げたブロックチェーンサービスについて、出てきた背景、経済格差の解消のヒント、サービス内容や成功のカギ、なぜブロックチェーン/分散型台帳か等についての話があった。

2.ゲスト2
一般財団法人渋谷区環境協会 理事長 金山 淳吾氏から、“SHIBUYAを世界の観光都市に”を目標に2012年に設立された協会の内容や、シブヤICTソリュ―ションの概要、SHIBUYA Public Beacon Platformの概要、おもてなしとICT活用等についての話があった。

Ⅱ.ブレークアウトセッション
午後には、ブレークアウトセッションが4トラックで各々4セッションが行われ、4セッションを聴講したので、その概略を報告する。

1.セッション1
“Oracle IaaS戦略~なぜオラクルがIaaSを?~”と題し、日本オラクル株式会社 クラウド・テクノロジー事業統括 Cloud/Big Data/DISプロダクト本部 佐藤 裕之氏から講演があった。

Oracle Cloud Platformの出てきた背景と特徴、次世代のクラウドとしての位置づけ、オラクルのクラウドは何が違うのか等についての話があった。かなり“違い”を意識した製品戦略!!

2.セッション2
“エンタープライズ・クラウドの過去・現在・未来から見たオラクルクラウドの価値”と題し、株式会社ノーチラス・テクノロジーズ 代表取締役社長 神林 飛志 氏と、日本オラクル株式会社 クラウド・テクノロジー事業統括 Cloud/Big Data/DISプロダクト本部 佐藤 裕之氏から講演があった。

主として神林社長から、クラウドサービスの初期段階(AWSの初期)からら取り組んできた結果、主要なクラウドサービスについての評価、オラクルクラウドの優位点等についての話があった。

3.セッション3
“オンプレミスVMwareをさくっとクラウド化する新たな手段~Oracle Ravello Cloud Service~“と題し、ソフトバンク コマース&サービス株式会社 ICT事業本部 MD本部 幸田 章氏と、日本オラクル株式会社 クラウド・テクノロジー事業統括 Cloud/Big Data/DISプロダクト本部 黒田 壮大氏から講演があった。

RavelloはオンプレのVMware環境をそのままクラウドに移行できるもの。黒田氏からRavelloの機能についての説明が有り、幸田氏から実際に使った結果についての報告があった。かなり使える感触!!

4.セッション4
“インダストリアルIoTに突き進む企業が求めるクラウド”と題し、日本オラクル株式会社 Fusion Middleware事業本部 ビジネス推進部 杉 達也氏から講演があった。

オラクル社が掴んでいる製造業の状況、インダストリアルIOTの特性とお客様のアプローチ例等についての話があった。

Ⅲ.全体的な感想
昨年の1周半遅れの発言から、今年の自信に溢れた発言に変わった原因が、解ったように思う。

豊富な資金を前提に、経験豊富な優秀な人材の確保、必要な不足機能やサービスについてはM&Aによる実現、クラウド領域への“人・モノ・金”の重点投資等により、短期間での開発等を行い、実現したものといえる。

また、一昨年の大規模なイベントのオラクルのブースで、クラウドの機能毎(CRMやSFA等)に展示が行われており、プラットフォーム部分を統一する予定はあるか、という質問をしたが、否定的な回答があった様に記憶している。しかし、最新のクラウドではこの部分の改善が行われており、格段に進歩しているように感じた。

オラクルのクラウドも単にAWSやMSの後追いだけではなく、オンプレからクラウドへの移行性の担保や、新しい販売モデル、自前でSW/OSや、HW、セキュリティ等の殆どを揃える事が可能なのも強みだと感じている。

しかし選択肢が多いのは、諸刃の剣であり、構築にあたっての高度なスキルが求められるケースが多く、これをどうするかが大きな課題になると思う。

徐々に市場に受け入れられ、採用企業が急速に増加している事から、今後の動きは楽しみであり、2強に割り込む存在になって欲しいと思う。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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