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「データサイエンティスト・ジャパン2017」~カイゼンで満足しない!データで新ビジネスを創造~

【クラウド見て聞きある記(その168)】
平成29年3月22日に、虎ノ門の虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された、日経ストラテジー主催(協賛:インフォマティカ・ジャパン、日本IBM、日本テラデータ、クリックテック・ジャパン、新日鉄住金ソリューションズ)の“「データサイエンティスト・ジャパン2017」~カイゼンで満足しない!データで新ビジネスを創造~”に参加した。

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クラウドを活用することにより各種の改革が起こり、その代表的なものがビッグデータ革命だといわれている。

その中では、データの収集手段であるIoT、データの蓄積手段であるビッグデータ管理、蓄積したデータの分析を行う人工知能(AI)、分析結果を改革(特にイノベーティブな)や改善に繋げるためのアクション、というサイクルが重要と言われているが、これらを高所から眺めつつ、企業戦略との整合性を取るのがデータサイエンティストと言われている。

そのプロセスの中でも実現する為のテクノロジーの進化は激しく、IoTでの各種のセンサーやプラットフォーム、AIでのニューラルネットワーク/ディープラーニング、可視化の為のビジュアライゼーションツールやダッシュボード、ビッグデータの管理基盤等々、多様な組み合わせがあり、企業として目的とした結果を得るためには、これらを組み合わせて実現する必要があり、高度な知見が必要となってくる。

また、当然の事として、有効な結果を導くためには、自社での業務内容に精通している事も重要となってくる。

しかしながら、データサイエンティストの役割について、種々の解釈・定義がある事や、多 くのベンダーから“データサイエンティスト不要と称する”製品やソリューションが出され、 現在でも混乱している状態は続いている様に感じている。

しかし最近では、分析を行い次のアクションに結び付ける為に、簡易の分析やテンプレートで済ませることが出来るケース、リアルタイム分析が必要なケース等に分けて、データサイエンティストの役割を整理しているベンダーが表れており、解りやすくなってきている様に感じている。

これらの状況の中、データサイエンティストに関する最新の情報を入手するために参加した。セミナーは、基調講演とユーザ企業による特別講演、協賛各社による特別講演が5つ、ユーザ企業によるパネルディスカッションが実施されたので、その概略を報告する。

1.基調講演
“快適なクルマ社会の実現を目指して ―ITインフラを活用した駐車場マネジメント―“と題し、パーク24株式会社 代表取締役社長 西川 光一氏から講演があった。

パーク24の事業内容およびグローバル化、パーク24が目指していること、パーク24グループのITインフラ、ITインフラを活用した駐車場マネジメント、マーケティングへの活用例、カーシェアリングサービス「タイムズカープラス」について、車載器について取得データの例、予約可能なBーTimesについて等の話があった。

全体的にデータをうまく使っている内容であり、かなり強力なデータサイエンティストが関わりを持っている様に感じた。参考になる事例!

Ⅱ.特別講演
“パイオニアのコネクテッドカーにおけるビッグデータ・AI活用”と題し、データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー2016受賞の、パイオニア株式会社 商品統括部 情報サービスプラットフォームセンター 開発部開発1課 鎌田 喬浩氏から講演があった。

同社のコネクテッド・カー対応の歩み、販売しているカーナビで2006年からログデータの収集を開始している事、収集したビッグデータの種類や応用、IoT機器のデータの特徴、IoTデータの活用のポイント、応用事例、今後のコネクテッド・カーへのAI(ディープラーニング)活用等についての話があった。

また、一連の流れの中でデータサイエンティストの役割にも言及があったが、色々な観点での検討が必要となり、幅広い知識が必須となる事から、専門的人材確保が課題になるようだ。

Ⅲ.[特別企画]パネルディスカッション
“AI時代のデータサイエンティストに求められるもの”と題し、パネリストとして、大阪ガス株式会社 情報通信部 ビジネスアナリシスセンター所長 [第1回 データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー受賞者] 河本 薫氏、日本航空株式会社 Web販売部1to1マーケティンググループ アシスタントマネジャ [第2回 データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー受賞者] 渋谷 直正氏、モデレータとして、日経情報ストラテジー編集長 小林 暢子氏でパネルディスカッションが行われた。

AIが普及するとデータサイエンティストはどう変わるか、AIを入れるとデータサイエンティストが要らなくなるのではないか、分析組織として人材育成は、うまく使って良い会社にするためには、等のモデレータからの質問に対し、パネリストから体験を基にした話が聞けた。

Ⅳ.協賛企業ソリューション講演
協賛企業5社から、製品やソリューション/サービス等の説明および具体的な事例についての講演があった。 内容が多岐に渡るために概略のみを報告する。

1.協賛企業ソリューション講演1
“ビジネス・インパクトをもたらす機械学習の最先端事例”と題し、日本テラデータ株式会社 執行役員 アナリティクス・ビジネス・コンサルティング本部 本部長 森 英人氏、及び日本テラデータ株式会社 アナリティクス・ビジネス・コンサルティング本部 データサイエンス部 部長 津田 高治氏から講演があった。

最初に森執行役員本部長から提供するサービスや現状についての報告があり、その後、津田部長から、機械学習(ML)とは、データサイエンスを推進する為には、テラデータ社がサービスできる事、画像解析やテキスト解析及びIoTの事例等についての話があった。

2.協賛企業ソリューション講演2
「アナリティクス民主化のその前に。“データ民主化”を成功に導く3つの要諦」と題し、インフォマティカ・ジャパン株式会社 セールスコンサルティング部 ソリューションアーキテクト エバンジェリスト 久國 淳氏から講演があった。

現在、データ/アナリティクス/データマネジメント等でツール等が充実し、専門家で無くても出来る様になり“民主化”が進んでいる。

インフォマティカでのデータのとらえ方、Data3.0のリクワイアメント、期待される効果、インフォマティカがフォーカスする5つのITイニシャティブ、分析プロセスとデータマネジメントの重要性等についての話があった。

3.協賛企業ソリューション講演3
“予測起点でビジネスを加速する ~機械学習を自動化するプラットフォーム「DataRobot」~”と題し、新日鉄住金ソリューションズ株式会社 ITインフラソリューション事業本部 事業企画推進部 エキスパート 長谷川 祐介氏から講演があった。

AIと機械学習及びBIとAIについて、データサイエンス領域の自動化/効率化を狙った“DataRobot”の機能及び役割、適用事例等についての話があった。

4.協賛企業ソリューション講演4
“ビッグデータ分析・利活用のラストワンマイルの実現に向けて”と題し、クリックテック・ジャパン株式会社 マーケティング部 部長 市橋 満氏から講演があった。

“いつでも・だれでも・どこでも”利用できるBIアナリティクスをクリックテックの製品及びサービスに関連しての紹介、ガイデッド・アナリティクスとは、分析はだれがやるのか、クリックテックでのビッグデータ分析・視覚化アプローチ、具体的な事例等についての話があった。

5.協賛企業ソリューション5
“AI時代にデータサイエンティストが示す価値 ーデータ起点での枠組み構築とマネタイズのシナリオー“と題し、日本IBM株式会社 アナリティクス事業部 SPSS ITスペシャリスト 西牧 洋一郎氏から講演があった。

IBM Watsonによるイノベータの事例、Watsonとアナリティクスについて、データサイエンティストは何をするのか/何が期待されているのか、問題解決に必要なデータは、等についての話があった。

Ⅴ.全体的な感想
データサイエンティストの役割や必要性に関しては、従来から議論されて来ているが、あまりかみ合っていない様に感じている。これは、企業全体として捉えるのか、個別のシステムとして捉えるのか、の違いではないかという考えを強くした。

今回のセミナーを通じて、ビッグデータ革命によりデータサイエンティストが注目される様になったが、その前からデータネジメント領域で言われていた役割と同じであり、役割の括りと前述の様なとらえ方の問題だと思う。

しかしながら、収集可能なデータが多様化し、分析手法もAIやデープラーニン等により高度化し、経営資源としても重要性が増してきている事は間違いなく、データサイエンティストの役割も増している。

その為、データの分析のみならず最終の成果として経営課題に立ち入る様な役割が求められる事から、イメージとしてDA + BAとなり、人材の育成・確保が大きな課題になってくるものと思われる。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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