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「データマネジメント2017」~データが繋ぐ共創社会~

【クラウド見て聞きある記(その165)】
平成29年3月8日に目黒の目黒雅叙園で行われた、一般社団法人 日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)主催の「データマネジメント2017」~データが繋ぐ共創社会~に参加した。

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イベントは朝早く(8時15分から)から実施されていたが、基調講演(10時)からを聴講した。

最近のクラウドを前提にIoTやAI/ビッグデータ、フィンテック等新しい動きに対し、データマネジメント(蓄積、管理、活用)の重要性が改めて認識されるようになってきたように思う。

一方、企業環境の変化に伴い、スピード経営やイノベーティブな要求に応えるためには、ICTの利活用は必須との考え方は、定着しており新しいテクノロジーへの関心も高くなってきているのは、多くの調査結果にも表れている。

また、最近のビジネスのあり方として、自社内に留まらずサプライチェーン内で、他社との共創も必要となってきている。

この時、オープンなコラボレーションの必要性についても言わるようになってきているが、この中心になるのがデータであり、データマネジメントの重要性が語られる一つの要因だと思う。

新しい開発テクノロジーとしてマイクロサービスが浮上しているが、過去にもSOAが注目を浴びシステム開発の「救世主」とまで言われたことがあった。

しかしながら、SOAは、本格的な普及までには至らなかったが、そのSOAの進化版として新しい「救世主」のように紹介をされている記事を見るが、少し違和感を覚えている。

確かに、開発者側から見るとSOAもマイクロサービスも、非常に優れた手法であるが、現場(ビジネスや作業)から見ると、QC活動や改善活動により、研ぎ澄まされた日本流の作業のやり方を、一意的にマニュアル化をするのは難しく、SOAもマイクロサービスでも解決策にはならないと思う。

これらを解決するためには、EAの定義を行いデータモデルとプロセスモデルをしっかりと作って、維持管理する必要があり、このデータモデルの管理もデータマネネジメントの重要な役割だと思う。

勿論、業務領域として他業務との関連が必要ないものや、これから新しいビジネスプロセスを作って行くもの等、アジャイル流の開発が得意なものがあり、引き続き増加している流れは止めることは難しく、ある一定の比率はあると思っている。

データマネジメントの重要性については、古くから言われており、様々な手法やツール、ソリューションが提供されているため、何度も本格的な拡大の兆しを見せていたが、未だ十分な定着までには至って居ない現状がある。

しかし、同時期に立ち上がったJDMCとDAMAの2つの団体が切磋琢磨し、データマネジメントの普及・浸透活動を行い、徐々にではあるが、企業における認識の変化は出てきているように感じている。

これらのデータマネジメンに関する動きを確認する為に参加した。データマネジメント2017では、午前中にアーリセッションと、10時からは主催者代表挨拶、基調講演、JDMC AWARD表彰式、ランチセッションを含めて3トラック×3セッションが、午後からは基調講演と、3トラック×4セッションが、最後に4トラック×1セッション(JDMC研究発表とハンズオン)が行われた。

10時以降の基調講演と7セッションに参加したので、その概要について報告する。

Ⅰ.主催者挨拶
JDMC会長の栗島 聡氏から開会の挨拶があった。

今回のイベントの申込者が1,500名を超えたこと、真のデータをとらえる重要性、JDMCの役割として生の現場の生の状況を伝えてゆく事、今後は出版(ガイダンス等)の質を上げて行く事等についての話があった。

Ⅱ.基調講演
基調講演については、午前と午後に1セッションずつ行われた。

1.基調講演1
“21世紀を拓くビッグデータ向けIA(知能増幅)”と題し、東京大学 名誉教授東京経済大学 コミュニケーション学部 教授 西垣 通氏から講演があった。

まず、ビッグデータ時代の到来、AIへの期待、第一次から第三次AIブームの歴史、深層学習によるパターン認識、シンギュラリティについて、生命体と機械の違い、AIよりもIA(知能増幅)、AIは人間の仕事を奪うか等についての話があった。

最初に“AIは本質ではなくデータ本質だ”という話があったが、この一言が今の企業の間違った認識に対する答えだと思う。

2.基調講演2
“IoT、ビッグデータ、AI等による「モビリティ革命」の実現に向けて~JR東日本の「技術革新中長期ビジョン」について~と題し、東日本旅客鉄道株式会社執行役員 総合企画本部 技術企画部長 兼 JR東日本研究開発センター所長 横山 淳氏から講演があった。

JR東日本についての概要と対象領域について、技術革新中長期ビジョンについて、各々の領域における未来の技術予測例、実現する為には等についての話しがあった。

Ⅲ.セッション
通常のセッションについては、7セッションを聴講した。内容も多岐に渡るため、タイトルとポイントのみについて報告する。

1.セッション1
「IoT時代だからこそ考えるべき"AI in BI“のアナリティクスのあり方」と題し、株式会社デリバリーコンサルティング IoTコンサルティング事業部 部長水野 悠介 氏から講演があった。

データの収集・蓄積、加工・分析、そして活用について“AI in BI”の観点からそのコンセプトとアプローチ等の説明があった。

2.セッション2
“中堅企業におけるデータ管理・活用の現実解グローバル物流DBとCRMシステムを中心に“と題し、株式会社阪急阪神エクスプレス コーポレート統括本部 情報戦略推進部 特任部長 今井 龍次 氏から講演があった。

自社で作成した差別化戦略と構築したシステムに関するコンセプト等についての説明があった。

3.セッション3
“IoT/ビッグデータ/AI連携時代のデータ管理とは?” と題し、クラウディアン株式会社 取締役 COO 本橋 信也 氏から講演があった。

オブジェクトストレージの3つの特長、IoT/ビッグデータの連携事例、連携時代のデータ管理等の話があった。

4.セッション4
“今スグ出来る!IoTを活用するデータ分析基盤のアジャイルな導入技法”と題し、インフォテリア株式会社 ASTERIA事業本部 マーケティング部 部長 垂見 智真 氏から講演があった。

インフォテリアのIoT戦略、IoTソリューションの概要、データを取るには、IoTのエコシステム等について話があった。

5.セッション5
“コニカミノルタの変革を支えるデータ活用の実例と今後”と題し、コニカミノルタ株式会社 執行役 IT企画部長 田井 昭 氏から講演があった。

データ活用モデルの考察、コーポレートにおけるデータマネジメント、サイバフイジカルシステムの活用例等についての話があった。

6.セッション6
“デジタルビジネス時代におけるデータ連携基盤とガバナンスの姿とは”と題し、株式会社セゾン情報システムズ HULFT事業部 マーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャー 亀井 美佳 氏から講演があった。

デジタルビジネス時代におる連携基盤とは、DAMAのDMBOK2新フレームワークについて、データ連携の事例等についての話があった。

7.セッション7
“公的統計の利用促進活動と統計作成へのビッグデータ活用の動向”と題し、総務省 統計委員会担当室 次長 上田 聖 氏から講演があった。

総務省で実施している「STATーDashグランプリ2016」の結果についての話を中心に話があった。

Ⅳ.全体的な感想
最近、IoTへの取り組みやオープンデータの活用環境の整備、AIの活用による高度なアナリティクスへの挑戦等があり、データマネジメントへの期待が高まっている事は、感じ取ることができた。

しかしながら、データの発生源や種類が多様化し、その管理も複雑化してきている為、従来のデータ管理で良いか、の課題も提起され、いろいろと議論が行われているが、整理されるのにもう少し時間が掛かるように思えた。(会長の挨拶での発言もその様な示唆があった)

また、システムの実現手段も、クラウドの普及に伴いオンプレミス主体から、ハイブリットやマルチクラウド/クロスクラウド等の考えも出てきており、デ―タ管理が益々複雑化している為、これらをどう管理してゆくか等、課題も浮上しており、JDMCでの議論やガイドラインの作成等に期待したい。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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