ASP・SaaSナビTOP > コラム > 「AppExchange EXPO 2017 Spring 東京」

「AppExchange EXPO 2017 Spring 東京」

【クラウド見て聞きある記(その164)】
平成29年3月2日に、東京駅近くのJPタワ-ホ-ル&カンファレンスで開催された、特定非営利活動(NPO)法人アップエクスチェンジコンソーシアム主催、株式会社セ-ルスフォ-ス・ドットコム協賛の「AppExchange EXPO 2017 Spring 東京」、Salesforceのユーザ、クラウドベースのアプリケーションにご興味のある人を対象にしたイベントに参加した。参加者も多く盛況だった。

DSC_1595.JPG

CRMやSFA分野を中心に、確固たる地位を築き日々進化を遂げているSalesforceは、最近IoTやAIへの積極的な投資を行い、相次いで新製品(AIのアインシュタイン等)やサービスを発表している。

これらを実現する為には、機能がサービスとして提供されるため、APIを通じて利用する必要があり、“管理されたエコシステム”の構築が必須となってきている。

一方、企業経営環境の変化に伴いスピート経営が求められており、それに伴いシステムの 対応にもスピードが求められるようになり、また、要求も多様化しており、新しい開発方式が必要となってきている。

要件の変更に対して柔軟に対応出来、且つ、品質の高いシステムを構築するためには、幅広いエコシステムを作りコンポーザブルな開発手法や、APIによる完成されたサービスとの連携が重要となる。

このような状況の中で、株式会社セールスフォース・ドットコム社は早くから、エコシステムの構築/運用には積極的に取り組んでおり、AppExchangeを立ち上げ、登録数やその活用状況を見ても大きな成果を上げている。

クラウド時代を迎えて、エコシステムの重要性については、多くのベンダーが口を揃えて語っているが、実際の活動を調べて見ると、本格的な活動を行い成果を上げているベンダーは非常に少ないように感じている。

この様な中、AppExchangeでは、登録されているプログラムもワールドワイドでは3,000本を大幅に越え、ダウンロードも430万回と群を抜いた実績を上げている。

今後はLightningの活用やAIのアインシュタインの本格的な活用が始まると、急激に増加する事が予想される。

今後、クラウド普及促進の為には、アプリケーション/サービスの流通の支援や、開発の支援を行うエコシステムの充実が必須となるため、先行しているAppExchangeの最新の状況を把握する為に参加した。

今回のイベントでは、午前中にキーノートセッションが、午後には36のゼネラルセッションが行われ、合わせて展示会、終了後は展示会場を利用して、スペシャルトークセッシンとネットワーキングによる情報交換会(終了後のイベントには都合で不参加)も行われた。その概略について報告する。

Ⅰ.キーノートセッション
“データ分析でいまを読み解き、日々の力へ変えるために”と題し、作家、個人投資家IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作、東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員なども務める山本 一郎氏から講演があった。

正しいデータ分析と利活用とは、メジャーリーグ(MLB)や日本のプロ野球でのデータの利活用、日本の社会保障の現状を考える上でのデータ分析と利活用、新しい知見の発展と先進事例を創り上げるためのアプローチ等についての話があった。

かなりデータサイエンティストの役割を重視される様な発言もあり、共感出来る部分が多かった。

Ⅱ.ゼネラルセッション
午後からはゼネラルセッションとして、パートナー各社からは、7つのジャンル(業務系、CRM連携、IoT等)の製品やソリューション等の紹介があった。

ゼネラルセッションは6トラックで各々6セッション計36セッションが行われ、その中で6セッションを聴講したが、内容も多岐に渡るため、タイトルを中心に超概略のみを報告したい。

1.セッション1(BI/帳票)
“Word&Excel&パワーポイントとつながる!一歩先ゆくセールスフォース活用!“と題しウイングアーク1st株式会社から説明があった。

Excelライクでセールスフォース上のデータをハンドリング出来るツールである「VYNDEX(旧名SPRED Face)」の機能の説明を中心に紹介があった。

今後のロードマップの話もあったが、かなり強力な機能強化も予定されており、魅力的で採用を検討すべき製品だと思う。

2.セッション2(データ連携/開発)
“試してガッテン!ClassicからLightningへの移行がこんなにカンタンだったとは“と題し、株式会社テラスカイから説明があった。

次世代の画面作成ツールであるLEX(Lightning EXperience)の説明、及び従来手法からの移行での考慮点、LEXの利点等についての説明があった。

大幅なUIの改善があり、見た目の改善に加えて作り易さも実現しているように感じた。

3.セッション3(業務系)
「ソーシャルスケジューラーとSyncが実現する”活動の二度手間削減”の事例をご紹介!」と題し、rakumo株式会社から説明があった。

全社カレンダーとのリンクが出来ない為2重登録が必要な問題を解決した“rakumo Sync”の説明があった。幅広いツール/サービスとの連携が可能で、使うと便利なツールだと思う。

4.セッション4(業務系)
“バーチャル経理ロボットでSalesforce×Fintechを実現!請求業務のオートメーション化への取り組みと事例紹介“と題し、株式会社CloudPaymentから説明があった。

同社が目指している“Financial Robot Company”の内容についての説明、次世代経理3.0の内容等についての説明があった。

Fintech + AI + RPA(ロボット)の考え方は面白く、多分実現は可能と思う。

5.セッション5(BI/帳票)
“Office365と連携&複数オブジェクト対応の実績No1レポート&帳票クラウド”と題し、日本オプロ株式会社から説明があった。

同社が提供しているマルチクラウドサービス製品である“Opro ARTS Prime”について機能の説明や、事例紹介、具体的なデモ等が行われた。

簡単な開発環境も用意されており、柔軟な対応が可能な為、用途としてはかなり広いように思う。

6.セッション6(業務系)
“ExcelライクなUIをSalesforceに!「Salesforceの働き方」が変わります”と題し、グレープシティ株式会社から説明があった。

同社が提供しているGSS(Grapcity Spredsheet Salesforce)の機能の説明とデモ、想定される用途、今後の機能強化の予定等についての話があった。

デモを見たがかなり使い易く、応用範囲はかなり広いように思えた。また、今後の機能強化にも期待!

Ⅲ.展示会について
今回は、パートナー企業32社36ブースと前回とほぼ同じ規模で展示が行われ、ジャンルとして業務系、BI/帳票、CRM連携、データ連携/開発、IoT、アナリティクス、セキュリティに分かれての展示があった。

セールスフォースの最も強い領域であるCRM関連の連携サービスが半数を占めており、まだ、AIやIoTに関する展示が少ないが、アインシュタインの活用がすすむにつれて、今後急速に増加するものと思われる。

今回も、新しいパートナー企業からの展示も幾つかあり、また、製品の機能やサービス内容についても、かなり強化されているものが多く、エコシステムの充実を見て取る事が出来た。

Ⅳ.全体的な感想
“管理されたエコシステム”であるAppExchangeは、システム開発手法の変化に伴い、益々、重要性を増してきているように感じている。

今回も前回に引き続き登録者/参加者数も多く、ユーザ企業からの参加も大幅に増加しており、自社のシステム開発を、自社で行うシステムイニシャティブの考えが、徐々に浸透してきている結果ではないかと思っている。

特に、AIのアインシュタインの位置づけを、各々の機能(CRM、SFA等)から利用できるようにしたことにより、エコシステムの重要性や、AppExchangeの役割は増してくると思う。

毎回書いているが、相変わらず海外に比べて、登録や活用についてもまだ遅れをとっており、SOAの時と同じように日本特有の課題はあるもののクラウドの普及には活性化は必須であり、本気で取り組むべき時期に来ていると思っている。

また、展示各社の話を伺っていると、やはり中小企業向けのソリューションへの取り組みについては、若干腰が引けているように感じる事には変化が無いように思えるのは残念だ。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

アクセスランキング 総合


業種別メニュー

サービス別メニュー


このページのTOPへ