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EnterpriseZine Day 2017/「デジタル時代を支えるITインフラ戦略」〜変革が進むインフラ技術とシステム運用の最新動向〜

【クラウド見て聞きある記(その163)】
平成29年2月21日に、九段下駅近くのベルサール神保町で開催された株式会社翔泳社、EnterpriseZine編集部主催の“EnterpriseZine Day 2017、「デジタル時代を支えるITインフラ戦略」〜変革が進むインフラ技術とシステム運用の最新動向〜”に参加した。

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最近は、デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が盛んに用いられ、その為にはITの活用が必須と言われ、要求・要件も非常に多様化している。

一方、それらの要求・要件を満たすためのITのテクノロジーも大きな進化を遂げており、実現手段や運用方法も非常に多様化してきている。

その具体的な例として、ハイブリッド/プライベート/パブリック等の各クラウドや、ストレージのオールフラッシュ化、サーバ/ストレージ/ネットワーク等の仮想化(SDxx)、IaaS領域の標準化のOopenStack、PaaS領域の標準化のCloudFoundry、各種のオープンソース等があり、SIが非常に難しくなっている。

その中で最近、サーバの進化形としてハードやOS、ミドルウェア、運用PKG等を同胞した、ハイパーコンパージド・インフラが発売され、採用企業を急速に伸ばしている。

この様な状況の中、ユーザー企業はインフラのテクノロジーや実装・運用等の全体像を捉えて、自社での今後の見通しを踏まえ、デジタルトランスフォーメーションを見据えたインフラやシステム運用等のIT戦略を考える必要が出てきている。

今回のセミナーでは、最新の運用自動化・効率化の実践手法について、ユーザー企業、アナリスト、専門家等が事例や製品サービスについての解説が行なった。

セミナーの内容は、基調講演に続いて、協賛ベンダーから製品やサービスについての話が、最後に特別講演が行われた。全てのセッションに参加したので、その概要について報告する。

Ⅰ.基調講演
“ヤマハ発動機を支えるITインフラ戦略 ~デジタル時代のITインフラを考える~”と題し、ヤマハ発動機株式会社 プロセス・IT部 デジタル戦略グループ 主務 原子 拓 氏から講演があった。

対象となるヤマハ発動機のビジネスの状況、2020年を目標にグランドデザインを見据えたクラウドへの取り組み、ホームページやWebマーケティング/デジタルマーケティング等のデジタルへの取り組み及び基本的な考え方、デジタルを支える体制、デジタルを支えるITの考え方等についての話があった。

クラウドへの取り組み等を、具体的なシステム内容を交えての話であり、参考になる部分が多かった。

セキュリティに関しての説明もあったが、講師は日本CSIRT協会の理事も務めており、すでにCSIRTを社内に構築済との事、やはりインフラに対してセキュリティ対策をどの様に考えて行くかについても言及があった。

Ⅱ.協賛企業講演等
協賛企業3社から製品やソリューション、及び事例等に関する講演があったので、その概略について報告する。

1.協賛企業講演1
“ハイブリッドクラウド管理および成果志向型ITサービスマネジメントについて”と題し、株式会社野村総合研究所 クラウド運用ソリューション事業部 松本 好弘 氏から講演があった。

ハイブリッドクラウド環境(パブリッククラウド/マネージドホスティング/ハウジング/オンプレミス)下における運用の在り方、ビジネス部門と開発部門のニーズと運用部門のニーズを両立させるために必要なプロセスの標準化と自動化、自社内のデータセンターで運用中のプライベートクラウドでの運用事例、ハイブリッドクラウドの運用事例、使用している製品・ツール等のデモ、成果志向型ITサービスマネジメントの説明等の話があった。

ITSMウォッチセンターの話もあったが、現状を分析し、改善点を提案する等のサービスがあり、面白い取り組みだと思う。

2.協賛企業講演2
“インフラ統合の次は運用基盤統合による戦略的効率化 〜IT部門にとってのSingle Point of Contactの実現へ“と題し、ServiceNow Japan株式会社 ソリューションコンサルティング本部 シニア・ソリューション・コンサルタント 水野 拓郎氏から講演があった。

課題解決を行うSaaSサービスを行っているベンダーである同社のサービス内容についての話があった。

あらゆる課題を解決するプラットフォームの内容、統合基盤を導入しツール中心に管理を行う事によるメリット、採用企業での事例、新しいコンセプトの「Lightspeed Enterprise」の説明等が行われた。

3.協賛企業講演3
“「楽することって悪いこと?」ハイパーコンバージド インフラで実現するスマートなITインフラ運用“と題し、EMCジャパン株式会社 アドバイザリー システムズエンジニア 平原 一雄氏から講演があった。

ITインフラ導入時に発生している課題、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)とは、HCI導入によるメリット(導入作業の大幅な削減やスピード化等)、HCI上にSDxを導入する事により実現できる事等についての話があった。

4.特別講演
“デジタルトランスフォーメーションの実現に向けたITインフラと運用モデルの変革“と題し、IDC Japan 株式会社 ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャー 入谷 光浩氏から講演があった。

デジタルトランスフォーメーション(以下DX)とは、DXの事例及び実施時に必要なもの、IT運用モデルの変革や既存のIT変革、IT部門で近未来に必要となるサービスプロバイダー化、エンタープライズインフラの新たなアーキテクチャとしてのSDI(Software Defined Infrastructure)、ハイブリッドクラウド化のロードマップ及びIT部門が取り組むべき事等についての話があった。

Ⅲ.全体的な感想
企業の要求の変化に伴いITインフラに対する要求も変化(「俊敏性」「柔軟性」「堅牢性」)が出てきているおり、それに合わせてベンダーからも、多様な製品やサービスが出てきており、自社に最適なITインフラを構築する為には、かなりの幅広い知識と経験が必要となってきている。

また、ユーザー企業からの要求多様化に伴い、実現手段も大幅に増えて、幾つかの製品やサービスを連携・組み合せて使う必要があり、構築・導入にあたりユーザー側の負担も大幅に増加する環境になっている事を理解することが出来た。

これらに対応してベンダーからは、ハード(サーバ)、OS、ミドルウェア、運用までを同胞した「ハイパーコンバージドインフラ」が出てきており、導入企業が急速に増加してきており、今後ともこの状況は加速するものと思われる。

また、サーバやネットワーク、ストレージ、データセンター等の仮想化についても、急速に機能を拡大しており、OSSながらディファクトスタンダード化してきているものもあり、この流れを止める事は不可能で、いかに活用するかを、まず考える(仮想化ファースト)時期に来ているものと思う。

この様な状況の中、改めてインテグレーションという言葉が重要性を増しており、6ヶ月単位で景色が変わる、と言われるITインフラの動きを今後とも注視していきたい。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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