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「Developers Summit 2017」~エンジニアとして生きる、技術の先にある現実に踏み出す~

【クラウド見て聞きある記(その162)】
平成29年2月16日~17日に目黒の目黒雅叙園で開催された、翔泳社主催の“「Developers Summit 2017」~エンジニアとして生きる、技術の先にある現実に踏み出す~:通称デブサミ2017”に、日程の都合上17日のみに参加した。

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デブサミに関しては、システム開発の標準化等に興味があり、過去から何度も参加しているが、システム開発手法も企業からのスピード/イノベーティブ経営からくる要請があり、大きく変化を遂げており、一般的な開発関連のセミナー内容にも色濃く出てきている。

従来からの開発手法は、ウォーターフォ―ル主体からアジャイル的な開発やSOA等へ移り、クラウド時代を反映しコンポーザブルな開発や、エコシステムを主体とした開発へと移り、最近ではマイクロサービスという言葉が流行ってきている。

これらの流れの中で、セミナー等を聴講していると、ウォータフォール型の開発があたかも“悪”で、アジャイル開発が“正”、との論調で話をするケースが良く見受けられる。この論調にはかなり違和感を持つのは小生だけだろうか?

この話をすると30数年前のある出来事を思い出す。

当時担当していたお客様から、要件定義と外部設計をB4用紙1枚に纏める方法を考案し、プロジェクト(小さな)で実践したが、上手くいったので今後は基幹システムの開発にも適用する、との話を頂いた。
しかも要件定義と外部設計は入社2年目の人が行っており、要はやり方の問題だ、と!!
当然、このプロジェクトは失敗し、色々とやりとりもあったが、何か現在の状況と良く似ているように思う。

通常、課題や調整事項は、システム規模の二乗倍発生すると言われており、その複雑さは増してくる為、ウォータフォール型(改善された)から抜け出せない現状もあり、両方式は使い分けるべきものだと思う。

小生はこの出来事を切っ掛けに、システム開発の標準化や、(データ/プロセスの)モデリングに興味を持つようになり、XupperやErwin/ERーStudioをは初めとし、各種ツールを知ることにもなった。

今回のイベントでは、少し変化を感じられており、前振りとして“使い分けるべき”等の 話が幾つかのセッションで聞かれ、上述の様な“正、悪”の論調が少なかったように思う。

これらの状況を把握する為に、デブサミには出来る限り参加している。
今回のセミナーのジャンル分けで、Yaphoo Japanとサイボウズ、専用枠を除いて、①データテクノロジー、②開発プロセス、③アーキテクチャ、④アプリケーション開発、⑤プラットフォーム、⑥イノベーション、⑦エンジニアの生き方と、多彩になって来ており、各々のジャンルの中でも講演内容はかなり変化してきている。

クラウド時代のシステム開発の多様化を表していると思う。変化に対応して参加者も多様化しており、殆どのセッションが満員で、ユーザ自らがシステム開発のイニシャティブをとる企業が増え、それを反映してユーザ企業からの参加も増えているように感じた。

今回は17日のみの参加となったが、通常のセッションは、1トラックがYaphoo Japanからの専用セッションで、4トラックが通常のセッション、1トラックがサイボウズのKintoneのハンズオン中心に行われた。

午前中に2セッション、ランチセッションを挟んで5つのセッションを聴講したので、その概要を報告する。

Ⅰ.聴講セッション報告
セッションに関しては、7セッションを聴講したので、その概要を報告する。

1.セッション1
“きゅうり農家から保険会社まで、機械学習を「民主化」するTensorFlow”(当日はGoogleがめざす誰もが使える機械学習“として発表)と題し、グーグル株式会社 Google Cloud デベロッパー・アドボケイト GCPUG, bq_sushi, TFUG 佐藤 一憲氏から講演があった。

Googleがサービスを行っている機械学習についての説明、Googleが開発しオープンソース化した機械学習ライブラリであるTransorFlowの説明、Googleネットワークの説明等が行われた。

2.セッション2
“完全ベンダーロックインのMicroservices / DevOps でマイクロソフトに貢献しよう!“と題し、米マイクロソフト テクニカルエバンジェリスト – DevOps 牛尾 剛氏から講演があった。

DevOPSとはエンドユーザに価値を提供するもの、DevOPSの導入ステップ、DevOps EBCツアーの概要等についての話があった。本場のDevOpsでの取り組み状況等参考になる内容だった。

3.セッション3(ランチセッション)
“ママセキュリティエンジニア奮闘記 ~ 子供と一緒にラズパイで遊んでみた♪ ~”と題し、ソニーデジタルネットワークアプリケーションズ株式会社 事業1部セキュリティ技術課 吉田 万里子氏から講演があった。

ラズベリーパイを用いて、子供にプログラミングの楽しさ、興味を持たせるために、色々とチャレンジした背景や内容についての話があった。中々面白い発表だった。

4.セッション4
“リーンスタートアップとスマートなエンジニアリングの葛藤”と題し、グロースエクスパートナーズ株式会社 アーキテクチャ事業本部 ITアーキテクト POStudy ~アジャイル・プロダクトマネジメント研究会~ 代表 関 満徳 氏から講演があった。

世の中の変化に伴い、“モノ”から“コト”へのシフトが発生し、作ったものを使い続けるために保守/アップデートを繰り返す必要が出てきているが、日本のプロダクトオーナーの意識とズレが生じてきている。このズレについて対応策等についての話があった。

5.セッション5
“企業文化にイノベーションを起こすモダンなソフトウェア開発環境とは?”と題し、マクニカネットワークス株式会社 営業統括部データインテリジェンス営業部 第3課・課長 根本 竜也氏から、ユーザ企業2社(株式会社レコチョク 事業システム推進部 システムアーキテクトグループ・グループ長 近藤 圭太氏、株式会社フォークウェブインテグレーションユニット 副部長 伊澤 好也氏)を迎えて講演があった。

オープンソースが成功した訳や、マクニカネットワークスのGitHubへの取り組み等の説明があり、その後ユーザ企業2社から、活用の事例、採用した背景、成果等についての話があった。かなり上手く使っている事例で参考になった。

6.セッション6
“エンタープライズにおけるDevOpsの実態!Cloud Native Application Platformの選択“と題し、日本ヒューレット・パッカード株式会社 テクノロジーコンサルティング事業統括 トランスフォーメーション・コンサルティング本部 テクノロジーアーキテクト部 北山 晋吾氏から講演があった。

バイモーダルITへの挑戦、組織構造とアーキテクチャ、これからのプラットフォーム、バイモーダルITへのステップ等についての話があった。

7.セッション7
“コンテナで再定義するDevOps ~成功のメソッドと必要技術~”と題し、レッドハット株式会社 サービス事業統括本部 DevOps リード シニアアーキテクト 山田 義和氏から講演があった。

DevOpsの定義と主要成功要因、コンテナ技術の課題とOpenShiftでの解決策、非コンテナ環境のCI/CD、DevOpsのアーキテクチャ、マイクロサービスの利点等についての話があった。

8.セッション8
“すべてのIT屋は全力で反省しろ!『ITは本当に世界をより良くするのか?』発刊記念トーク“と題し、株式会社ワークスアプリケーションズ Partner/Executive Fellow 井上 誠一郎氏、ノーチラス・テクノロジーズ 代表取締役社長、モデレータ役として株式会社セゾン情報システムズ 常務取締役 CTO テクノベーションセンター長 アプレッソ代表取締役社長 小野 和俊氏が参加してトークセッションが行われた。

過去の10回で取り上げた内容に関するトークセッション。内容については省略。共感出来る部分もあったが、本当にIT部門の責任かと思う部分も多々!!

Ⅱ.全体的な感想
今回、幾つかのセッションでDevOpsが取り上げられたが、従前より感じていたが解釈がかなりベンダー毎に違っており、どの範囲を指しているのか、を探りながら聴く必要があり、この点は変わりないように感じた。

本来はALM(Application LifeCycle Management)の範疇であり、その一部を取り出してDevOpsと称しており、カバー範囲に違いが出るのは当然の結果だとは思う。

セミナーの内容も非常に開発方式の多様化に伴い、大きく変化を遂げており、毎年どのようなジャンル分けを行うか、を見るのも楽しみにしている。知恵を絞り、世の中の流れを反映した分け方にして欲しいし、今年の分け方も面白かった。

ただ毎回書くが、従来型の基幹システムは、全体の50%以上が残る、との調査結果もあり、依然としてフォーターフォール型(進化した)の開発も残らざるを得ない現実もある。

これらに対応を行うために、もう少し必要となる多様化したシステム開発を、高所から捉えての話のセッションが有っても良いと思う。

今回も、これらの動きに対応して、多彩なジャンルのセッションや講師のアサインが行われ、興味深く面白い内容になっていたように思う。

参加者には若い人も多かったが、システム開発も多様化/多彩化しており、今後共に積極的にこの様なイベントに参加し、雰囲気に慣れて欲しいと思っている。何かがつかめると思う!!

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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