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~DATA FABRIC NOW:紡ぐ、織りなす、そして革新へ~「NetApp Innovation 2017」

【クラウド見て聞きある記(その161)】
平成29年2月2日に、溜池のANAインターコンチネンタルホテル東京で開催された、ネットアップ株式会社主催の“~DATA FABRIC NOW:紡ぐ、織りなす、そして革新へ~「NetApp Innovation 2017」”に参加した。

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ネットアップ社はIT 戦略に高い付加価値をもたらすことができるデータ管理のビジョン「データ ファブリック」を提唱、今回のイベントでは、4つのテーマを設けて、「データファブリックでもたらす価値」として、
 ① 第三のプラットフォーム × DATA FABRIC = 進化
 ② 次世代データセンター  × DATA FABRIC = 変革
 ③ ハイブリッドクラウド  × DATA FABRIC = 解放
 ④ 第二のプラットフォーム × DATA FABRIC = 近代化 を上げており、今の旬の 課題解決に取り組んでいることがわかる。

「NetApp Innovation 2017」も今回で6回目を迎え、登録者も昨年を大幅に超え2,400名に及び、データマネジメントカンパニーとしては、最大規模のイベントになっている。

最近、データマネジメント関連の世界も大幅な変化を遂げており、代表的な例としてHWのフラッシュストレージの実用化(日常的に用いられる)であり、SWでは制御をソフトウェアで行うSoftware Define Storage(SDS)やIaaSをコントロールするOpenStack等があり、対応の範囲も大幅に増えている。

この為に、個別のストレージデバイスを提供する企業は、新規参入も含めて沢山あるが、EMCのデル社の買収により、データマネジメントカンパニーと呼べるのは、ネットアップ社1社になってしまった。

今後については、HW機器そのものはコモディティ化し、ソフトウェアでの勝負になり、いかにエコシステム等を構築して行くかに掛かっているように思い、戦略や具体的な製品・サービス及びソリューション等を探る為に参加した。

今回のイベントでは、午前中に米国NetAppから幹部が来日し、戦略及び具体的な取り組み等についての話が、ゲストスピーカを招いての事例紹介等含めて話があった。

午後からは、3会場でのランチセッションに始まり、その後ブレークアウトセッションとして6会場で各々5セッション(計33セッション)が行われ、併せて主催企業とスポンサー企業により、展示会が行われた。

午前中の基調講演と、ランチセッション及び5つのブレークアウトセッションに参加したので、その概略について報告する。

Ⅰ.基調講演
基調講演は、米国NetAppから3名の責任者を招き、国内の2社からゲストスピーカによる事例紹介等が行われた。

まず、米国の3名から講演が有り、その後、国内ユーザのゲストスピーカからの講演があった。概略は以下の通り。

1.米国NetApp講演1
“DATA FABRIC NOW ~Data is the Currency of the Digital Economy~と題し、米国NetApp アジア太平洋地域プレジデント 兼 シニア バイス プレジデント リック・スカーフィールド氏から講演があった。

現在は、クラウドや3Dプリンター等が進化し、新しいテクノロジーが価値をもたらす時代になった。今後については成熟した分野で効率化を、新しいデジタルエコノミーで競争力を維持し、顧客からの要求に応える事が重要になる。

それに伴い、世の中のデータが急速に増え、ボリューム、種類、スピード共に変化している。このような中、データをビジネス環境で、柔軟性と即時性を生かし、活用して行く事が重要になる。等の話があった。

2.米国NetApp講演2
“進化を続けるネットアップのソフトウェアテクノロジーとデータ ファブリック”と題し、米国NetApp シニア バイス プレジデント CTO マーク・ブレグマン氏から講演があった。

主として、データファブリックの現状と今後についての話があった。データは今やあらゆる業界のあらゆるビジネスにとって、業界を動かし、顧客に価値を提供する上で欠かせない存在となり、データとコンピューティングをどこからでも活用できるようにする必要があるが、NetAppではエコシステムとして提供を行う。

今後については、マイクロサービスやデータファブリックと人財、及びパートナーのエコシステムが重要となる。等の話があった。

3.米国NetApp講演3
“次世代データセンターの先に見る将来のITの姿”と題し、米国NetApp SolidFire CTO ヴァル・バーコビッチ氏から講演があった。最近、デジタルディトラプションという言葉が良く使われるが、現状を考えると2~3年後には起こる可能性がある。

今後、必要となるデジタル変革の手順としてはモード1からモード2への移行の分析を行う必要があるが、SMACがポイントになる。

次世代のデータ(ベース)処理は6つのカテゴリー(オブジェクトストウーア、KVストア等)の集合となる。

次世代のデータセンターは、即時性、拡張性、自動化、予測可能な事等が重要となり、対応した製品を供給してゆく。等の話があった。

4.ネットアップ株式会社講演
ネットアップ株式会社 代表取締役社長 岩上 純一氏から、ユーザ企業2社を迎えて講演があった。今回のイベントの狙いや概要の報告、ゲストスピーカの紹介等が行われた。

①ゲストスピーカによる講演1
“ビジネスを推進するトータルICTソリューション”と題し、NTTコミュニケーションズ株式会社 取締役 クラウドサービス部長 森林 正彰氏から講演があった。NTTコミュニケーションズの現状、NTTコミュニケーションズが提供するサービス、活用事例等についての話があった。

②ゲストスピーカによる講演2
“リコーの経営革新とグローバルIT戦略 ~ITが経営の戦略的な武器となる為に~”と題し、株式会社リコー 執行役員 コーポレート統括本部 副本部長 ビジネスプロセス革新センター 所長 リコーITソリューションズ株式会社 代表取締役 社長執行役員 石野 普之氏から、企業としての戦略や、構築しているシステムの事例等の紹介があった。

Ⅱ.ブレークアウトセッション
3つの会場でのランチセッションを皮切りに、午後からは6会場で各々5セッション(計33セッション)が行われ、6セッションを聴講したが内容が多岐に渡る為、タイトルとポイントのみを報告する。

1.セッション1(ランチセッション)
“デジタル変革を支える俊敏なIT基盤、OpenStack & コンテナの技術動向”と題し、レッドハット株式会社 テクニカルセールス本部 ソリューションアーキテクト 佐々木 宏忠氏から講演があった。

OpenStackだけではできないことと、レッドハットの補完製品についての説明があった。

2.セッション2
“【導入事例】情報システム部のエキスパートが語る、オールフラッシュ導入成功のコツ“と題し、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 情報システム室 情報システム部 部長代行/エグゼクティブエンジニア 永田 孝哉氏から講演があった。

自社でのVDI用サーバにオールフラッシュ製品を導入した事例の紹介中心に話があった。

3.セッション3
“DevOps on NetApp / JenkinsやDockerコンテナとの統合 ~開発サイクル高速化のためのストレージのおいしい使い方~“と題し、ネットアップ株式会社 システム技術本部 コンサルティングSE部 コンサルテイングシステムズエンジニア 渡邊 誠氏から講演があった。

NetAppでの開発チームで、アジャイル開発に取り組み、DevOPSを実現した事例中心の話があった。

4.セッション4
“IoTやビッグデータに対応した新しいデータ基盤とは?~最新国内事例や役立つテンプレートもご紹介~“と題し、マップアール・テクノロジーズ株式会社 プロダクトマーケティング ディレクター 三原 茂氏から講演があった。

Hadoopの問題点と、マップアール社の製品での解決策についての話があった。

5.セッション5
“【導入事例】フラッシュストレージで高速処理。SolidFireの活用で広がるパブリッククラウドALTUSのサービス領域。“と題し、GMOクラウド株式会社 クラウド・ホスティング事業部 営業部 プリセールスグループ マネージャー 吉田 博之氏から講演があった。

自社が提供しているクラウドサービス(ALTUS)へのフラッシュストレージを採用した背景、選定ポイント、導入結果等についての話があった。

6.セッション6
“ONTAP 9 ~最新のData ONTAPで実現する次世代のハイブリッドクラウド基盤~”と題し、ネットアップ株式会社 ソリューション技術本部 SE第2部 システムズエンジニア 川島 千種氏から講演があった。

ONTAP 9での機能強化とその後のロードマップについての説明があった。

Ⅲ.展示会
ネットアップ社とスポンサー企業19社が参加して、展示会が行われた。

カテゴリーとして、①第3のプラットフォーム、②ハイブリッドクラウド、③次世代データセンター、④第2のプラットフォームに分けて、ネットアップ社との協業や補完機能等の展示が行われていた。

ネットアップ社からは、運用の効率化、オールフラッシュストレージ、データファブリック、次世代ITプラットフォーム、ONTAP9、NetApp University、プロフェッショナルサービス、NetAppサポートアカウントマネージャ(SAM)、ONTAP9ドキュメントセンターの展示が行われていた。

Ⅳ.全体的な感想
最近のストレージ関連のテクノロジーも大きな変化を遂げており、フラッシュストレージの利用の一般化、IoTの進展に伴うオブジエクトストレージ化の必要性、運用の柔軟性を実現するSDSサービス化の進展、即時性に対応する為のハイパーコンバージドシステムの進展、データのリカバリや多地点格納の為の差分更新、全体を統合しての運用の必要性、OSSの活用の必須化等があり、単なる従来のストレージベンダーでは対応が難しくなっており、何らかの対策が必要となっている事は間違いないようだ。

このような状況を受けて、EMC社のように他ベンダーとシナジー効果を期待しての合併や、ネットアップ社のようにパートナーを取り込み、大規模なエコシステムを創る事により対応を実施する事が考えられるが、今時点では正解は無く、動きが激しい業界にあって今後の動きに注目したいと思う。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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