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「Dell EMC Cloud Executive Summit」 ~Disrupt yourself クラウドを武器に、挑戦のとき~

【クラウド見て聞きある記(その160)】
平成29年1月31日に、御茶ノ水のソラシティカンファレンスで開催された、Dell EMC、EMCジャパン株式会社主催の“「Dell EMC Cloud Executive Summit」 ~Disrupt yourself クラウドを武器に、挑戦のとき~“に参加した。

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一昨年、Dell社によるEMC社買収の発表があり、IT業界に激震が走ったが、昨年9月には、事業統合作業の完了の報告があった。

その内容についてはメディアへの発表と、昨年10月に実施された「Dell EMC Forum 2016 Tokyo」で概略の報告はされたが(小生のコラム「クラウド見て聞きある記:その151」で投稿済み)、大規模な企業統合の難しさを垣間見る内容となっていた。

過去にもM&Aによる事業の買収は沢山行われてきているが、事業領域もかなり重なっており、調整の難しさは推察できるし、もう少し時間が掛かるものと思われる。

ただ、重なる分野は先のコラムにも書いたが、大規模な企業のインフラを得意とするEMCと、パソコンからサーバ/ストレージに発展していったDellの文化は、かなりの違いがあると思われ、無理しての統合は必要ない、との話もある事は確かな様だ。

一方、クラウドの領域に絞って考えてみると、少しの重なりはあるものの、かなりの部分が補完関係にあり、面白いビジネスの展開が出来るものと思われ、バーチャストリーム等での新しい展開等、色々な動きも出てきている。

これらの状況を確認する為に今回のイベントに参加した。主催者のあいさつに続き基調講演が行われ、その後、事例講演や製品及びソリューション関連のセッションが行われ、最後に特別講演が行われた。このすべてに参加したので、その概略について報告する。

Ⅰ.挨拶及び基調講演
最初に主催者のあいさつと基調講演が行われた。その概略について報告する。

1.主催者挨拶
まず最初に主催者を代表して、EMCジャパン株式会社 代表取締役社長 大塚 俊彦 氏から、Dell EMCの概況についての報告があった。

売り上げ規模が740億ドル、従業員が140,000人、カスタマーサポートスタッフが30,000人、世界180ヶ国を網羅している。

Dellテクノロジーの支援の4つの柱として、デジタルトランスフォーメーション、ITトランスフォーメーション、ワークフォーストランスフォーメーション、セキュリティトランスフォーメーションを上げている、等の話があった。

2.基調講演
“グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた”と題し、アレックス株式会社 代表取締役社長兼CEO 辻野 晃一郎 氏から講演があった。

元ソニー株式会社で退職後、グーグル株式会社の社長を務め、2010年にアレックス株式会社を起業した辻野社長から、現状の認識、ソニーとグーグルの類似点、イノベーションとは、2030年を睨んだ世の中の流れ、3つの“T”の時代、あらゆるものが再定義されている時代、新しいチャンスが、等について自身の体験を基に話があった。

Ⅱ.事例講演/特別講演
ゲストスピーカーを招き、事例講演と特別講演が行われた。

1.事例講演
事例に学ぶ、『創造と変革』を加速させる組織、プロジェクトの進め方として、“住信SBIネット銀行の挑戦~AI実務適用検討を通じた学び~“と題し、住信SBIネット銀行株式会社 ビッグデータ部長 兼 企画部 ゼネラルマネージャー 兼 カスタマーロイヤルティ戦略部 ゼネラルマネージャー 菅野 開 氏から講演があった。

ビッグデータ部の概要、AIの実務適用に向けた検討内容、ビジネスにおける実験設計(POC)の在り方、AI人財の育成について等についての話があった。実際に実践を通じての話であり、参考になる内容が多々あった。特に人財の在り方について。

2.特別講演
夢をあきらめない人、そして今心が折れそうなすべての人に贈る、情熱90分として“NASAより宇宙に近い町工場”と題し、株式会社植松電機 代表取締役 株式会社カムイスペースワークス 代表取締役 NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC) 理事 植松 努 氏から講演があった。

夢の実現に向け、何度も何度も失敗を繰り返しながら、正に下町ロケットを実践し、今ではJAXAも同社の設備を利用するまでになった町工場を、作り上げた内容をユーモアを交えて話があった。

スライドが600枚もある内容で、非常に多岐に渡っており、うなずける/参考になるものが多かった。“夢もあきらめなければ実現する”というメッセージも心に残った!

Ⅲ.スポンサー企業による講演
スポンサー企業による講演が6社から行われた。 概略は次の通り。

1.セッション1
“AI/Bigdataを支える Data Centric Architecture”と題し、株式会社IDCフロンティア 代表取締役社長 石田 誠司 氏から講演があった。

IDCフロンティアの現状、何がビジネスになるか解らない時代、2つのキーワード、ビジネスデザインによるIoTインフラ、Data Centric Cloudの必要性や活用法、キーワードはエコアライアンス等についての話があった。

2.セッション2
“ソフトバンクが視る未来と今とるべき「最初の一手」”と題し、ソフトバンク株式会社 法人事業統括 ICTイノベーション本部 クラウドサービス統括部 統括部長 鈴木 勝久 氏から講演があった。

スマートフォンの普及で新しいビジネスが生まれた、2017年の注力領域(AI/ロボット/IoT)について、AIの進化と人の働き方等についての話があった。

3.セッション3(ランチセッション)
“「攻めのIT」に向かうIoTベンダーが決めた基幹システムに最適なクラウド基盤とは“と題し、安川情報システム株式会社 常務執行役員 業務改革推進本部長 石田 聡子 氏と、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 執行役員 クラウド・セキュリティ事業推進本部長 藤岡 良樹 氏から講演があった。

最初に、CTCの藤岡執行役員からCTCのクラウドサ―ビス等についての紹介があった。

その後、安川情報システムの石田常務執行役員から、基幹システムの再構築プロジェクトについて、クラウドの活用や開発の経緯等についての話があった。

4.セッション4
“日本流デジタルトランスフォーメーションの可能性”と題し、NTTコミュニケーションズ株式会社 クラウドサービス部 クラウドエバンジェリスト 林 雅之 氏から講演があった。

ITを取り巻く現状、なぜDX(デジタルトランスフォーメーション)が遅れているのか、DXに向けてNTTコミュニケーションズが支援出来る事、自社でのDXへの取り組みについて、NTTグループの目指すAIについて、等の話があった。

5.セッション5
“IIJ IoTプラットフォームが切り開く新たな可能性”と題し、株式会社インターネットイニシアティブ クラウド本部 副本部長 染谷 直 氏と題し、講演があった。

IoTの現状、なぜ今IoTなのか、IIJ-IoTについて、IoTの3社の事例等についての話があった。話の中で、M2MとIoTの関係について、“M2M × IoT”との話があったが、面白い考え方だと思う。

6.セッション6
“「攻めのIT」へのシフトの実現に向けたアウトソーシング活用事例”と題し、新日鉄住金ソリューションズ株式会社 ITインフラソリューション事業本部 NSFITOS企画推進センター 副所長 白杉 武志 氏から講演があった。

ITアウトソーシングへの期待、包括的ITアウトソーシングサービスについて事例を含めて紹介、次世代運用サービス(emerald:エメラルド)について、emeraldを支える次世代運用システムについて等についての話があった。

Ⅳ.全体的な感想
企業の重要な課題としてデジタルトランスフォーメーションが必要という認識は、定着しつつあるが、しかしながら具体的な取り組みに関しては、必ずしも上手くゆかない状況にある事は間違いない様だ。

これらの状況を把握し、取り組みを阻む課題と解決策を、Dell社とEMC社が一緒になる事により、豊富な製品やソリューション及び3万人のカスタマーサポートスタッフを抱え、ユーザに対し提供する方向性が見えてきた様に思う。

まだ、製品やソリューション面での統合には、数が多いだけにまだ長い時間が必要と思うが、企業でのデジタルトランスフォーメーションを実現する為には、多くの製品やサービスが必要となり、この品揃えが出来た事と、要員を抱えている事は、今後に向けて大きな武器になると思う。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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