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「BCNフォーラム」~IoTと情報セキュリティの2016年を総括する~

【クラウド見て聞きある記(その155)】
平成28年12月2日に、千代田区九段北のベルサール九段で開催された株式会社BCN主催、IBM Bluemix協賛の“「BCNフォーラム」~IoTと情報セキュリティの2016年を総括する~”に参加した。

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2016年当初には、クラウドファーストやモバイルファーストに加えて、IoT/AIがブームとなり、ユーザ企業からは多くの事例が、ベンダーからは多くの製品やサービスが出て、IoT元年とも言われ、急速な立ち上がりが期待されていた。

結果としては、夏過ぎになると当初期待していたほどの立ち上がりにはならず、本格的な立ち上がりは2017年以降、という話が出て調査会社の数字にも表れていた。

しかしながら、経営からの要求はIT無しでは実現できない事は明らかであり、クラウドやIoT/AIの活用が必須で、大きな立ち上がりは無かったものの、今後に期待できるPOCの実施結果や、事例も増加してきており、確実な一歩を踏み出した年に成った事は間違いない、と思っている。

今回のBCNフォーラムは、これらの状況の中、経営からの要求を実現する為に外せない「IoT」と「情報セキュリティ」を取り上げて、最新の事例や商材の紹介を行う外、終了後には講師やスポンサー企業を交えた懇親会も行われた。

フォーラムは、午前中に基調講演と特別講演が、その後ランチセッションを含めてブレークアウトセッションが行われ、午前中の2セッションと、午後の5セッションを、終了後の懇親会に参加したので、その概要について報告する。

Ⅰ.基調講演
“IoTと地方創生-10のエピソード-”と題し、一般財団法人日本経済研究所地域未来研究センター 専務理事(チーフエコノミスト)、地域未来研究センター長 鍋山 徹 氏から講演があった。

9のブロック、4つの領域に分けたビジネスモデルの構造、地方再生を行うためには、IoT・デザインアートの有効性、地方再生のメカニズム、具体的な事例としての10のエピソード(100本のマッチ、黒川温泉、綿あめ菓子、地元学、江差・群来、発酵の里こうざき、真夜中の競輪、長野・小布施、岡山・西粟倉村、ななつ星in九州)等についての話があった。

中々面白い興味ある話だったが、内容が豊富でもう少し時間をかけて聞きたかった。

Ⅱ.特別講演
“コグニティブ・ビジネスの実現に最適なクラウド・プラットフォームとは”と題し、日本アイ・ビー・エム株式会社 理事 IBMクラウド事業本部 クラウド・サービス事業部長 田口 光一 氏から講演があった。

クラウドの現状でWatsonの進化やクラウドの進化について、具体的な取り組みテーマ別の代表的な5社の事例、イノベーションの為のIBM Bluemixの説明等の話があった。

最近、IBMのクラウド関連の動きとして、従来、IaaS領域はSoftLayer、PaaS領域はBluemixと分かれていたが、これをBluemixに統一する事が発表され、これらの経緯等についての説明もあった。

Ⅲ.ブレークアウトセッション
午後からは3トラック(IoT関連2トラック、セキュリティ関連1トラック)に分かれて、各々、5セッション(計15セッション)が行われ、IoTを中心に聴講したのでその概要について報告する。

1.セッション1
“ビジネスにドローンを!~ドローンビジネス概況とDroneBank~”と題し、ソフトバンク コマース&サービス株式会社 ICT事業本部 MD本部 ドローン&ロボティクスマーケティング室 湯浅 昭吾 氏から講演があった。

ドローンとは、安定して飛行する仕組み、ドローンの種類、世界のドローンメーカとシェアー、ドローンの活用業務について、ドローンに関する航空法について、ソフトバンクC&Sが提供しているDroneBank(2017年1月に開始予定)について等の説明があった。

2.セッション2
“「つながる経済」がもたらす産業の新潮流と日本製造業の生き残り策”と題し、株式会社 東レ経営研究所 理事 産業経済調査部長 チーフエコノミスト 増田 貴司 氏から講演があった。

現状として発生している異業種間の競争やコモディティ化について、繋がる経済の背景と意味、IoTとは何かと発生している変化、日本の取り組み、企業に求められる変革の心構え等についての話があった。

示唆に富む話が多く、時間をとってじっくりと聞いてみたい内容だった。

3.セッション3
“Infoteria Simplify IoT -カンタンに実現する、データ価値の最大化-”と題し、インフォテリア株式会社 ASTERIA事業本部 マーケティング部 部長 垂見 智真 氏から講演があった。

IoTに於ける“つなぐ”価値、インフォテリアのIoT戦略(オープン、簡単、つなぐ、価値創出)、IoTのアジャイルソリューションについて、インフォテリアのネクストステップ等の説明があった。

最近、IoT関連で色々な施策を発表しており、その中で“Platio”の説明があったが、中々興味深いサービスだと思う。

4.セッション4
“Enterprise AIoT~AI(人工知能)とIoTの交差点~”と題し、週刊BCN編集長 畔上 文昭氏から講演があった。

2013年からの特集記事に関する振り返り、IoTの先にあるIoT+AIで“Enterprise AIoT”、AIoTによるビジネスモデルの変革、機械学習(ML)とディープラーニング、AIoTへの取り組み事例等についての話があった。

いつもの事ながら“蝉とIoT”の関連の話は面白い、真髄をついているかも!

5.セッション5
“避けられないインシデント、切り札としてのエンドポイントセキュリティ”と題し、株式会社ソリトンシステムズ マーケティング部 エバンジェリスト 荒木 粧子 氏から講演があった。

サイバー攻撃の現状、サイバー攻撃(Cyber Kill Chain)の流れ、必要となる対策及びEDR(Endpoint Detection and Response)製品の種類、ソリトンシステムズの製品等についての説明があった。

具体的な流れに沿っての話があり、セキュリティ関連の説明として、非常に解り易かった。

Ⅳ.懇親会
セミナー終了後に講師やスポンサー企業を交えての懇親会が行われた。

中堅中小企業のIoT/AIやセキュリティに関する共通の課題を持った参加者が多く、色々な方と名刺交換や話をさせて貰ったが、やはり具体的な取り組みを開始している企業は少なく、今後の取り組みの参考に、という話が多かった。

この様な共通な課題をもった企業同士が、情報交換が出来る場がある事は、非常に有効だと思う。

Ⅴ.全体的な感想
BCNフォーラムには8月に続いての参加で、懇親会まで居たが、参加者も多く盛り上がりを見せたイベントだった。テーマがIoT/AI、セキュリティであり、旬の話題だけに参加者の関心も高く、一部には立ち見も出る状況だった。

また、切り口もユニークなものが多かったので、興味深く聴きごたえのある内容になっていたように思う。

中堅・中小企業でのクラウドの活用は必ずしも進んでおらず、何らかの対応策が必要になると思うが、IoT/AIはクラウド活用を前提としており、クラウド活用拡大の切り札となるもので、非常に期待が大きいように感じている。

しかしIoT機器の拡大は、セキュリティの課題も抱えており、企業の関心は大きく高まってきている。

今回のイベントは中堅・中小企業に強い株式会社BCNの主催だけに、活用拡大に向けてヒントになるものが多かった。

是非、この様な機会を多く作って欲しいし、また、参加する価値はあると思う。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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