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「Dell EMC Forum 2016 Tokyo」~LET THE TRANSFORMATION BEGIN~

【クラウド見て聞きある記(その151)】
平成28年10月16日に溜池山王のANAインターコンチネンタルホテル東京で開催された、デル株式会社主催の“「Dell EMC Forum 2016 Tokyo」~LET THE TRANSFORMATION BEGIN~”に参加した。

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昨年、デル社によるEMC社買収が発表され、両社が2015年10月14日と15日に相次いでイベントを行い、買収の発表と来年の秋までに会社としての事業調整を実施し、秋までには新しい会社の内容について発表出来る様にしたいとの話があった。

この話の通り、今年の9月に買収に関する調整が終了した事を、デル社から発表があった。

9月に発表があった内容は、DELLはDell Technologiesという社名に変わり、EMCはDell EMCという社名になり、DellおよびEMC傘下のPivotal、SecureWorks、VMwareとともに、Dell Technologies傘下の独立子会社という位置付けになる。

Dell Technologiesは非上場企業だが、VMwareなどの上場企業は上場を維持する事になった。

また、今年の3月にはDELLのITサービス部門をNTTデータが、約4,000億円で買収合意の発表もあり、事業再編の一環との事で、サーバーやデータセンターなどITインフラ事業を軸にする方針のようだ。

最近、DELL社はパソコンやサーバー等のHWベンダーからシステム事業に注力し、インフラ系の総合ベンダーに変身を遂げており、一方、EMC社も周辺機器のベンダーからの脱却を図り、今後重要となるストレージの仮想化(SDS)でもリーダの位置にあり、ハイパーコンバージドインフラ等への進出を行っている。

事業領域に関しては、かなり重なっているがDELL社はパソコンからサーバーやストレージ領域に拡大していったのに比べて、EMCは大型の基幹系システム構築に圧倒的な強みを持っており、得意とする領域が違う事から補完関係にありDell Technologysとして統合する事により、大きなシナジー効果も考えられる。

また、EMC社は傘下に圧倒的な仮想化領域で強みを持っており、クラウド領域で独自のサービスで急速に拡大を行っているVMware社や、システム開発基盤やIoT関連で強みを持ち、GEとの繋がりの強いPivotal社、セキュリティ関連サービスやクラウドサービスの等の関連会社を持っており、まだ明確になっていないが、これらとの更なる関係強化も考えられる。

この様な状況の中、Dell Technologiesの今後の動きはクラウド業界全体にも影響を与えかねず、今後の動きや製品戦略を知る事は、重要な事だと考えてイベントに参加した。

今回のフォーラムは、午前中に基調講演が、午後からはランチセッションと5トラックで28セッションが、併せて主催者とスポンサー企業による展示会、展示会場でのオープンプレゼンテーションが行われた。内容が多岐にわたる為、基調講演を中心に概略を報告する。

Ⅰ.基調講演
基調講演として、“「Let the transformation gegin 」~テクノロジーによる変革の開始“と題し、最初に日本法人2社から“ご挨拶”が、Dell EMCシニアバイスプレジデント ブライアン・ギャラガー氏からユーザ企業2社のゲストスピーカーを招き基調講演が、その後、ゲストスピーカーを招いてのパネルディスカッションが行われた。

1.ご挨拶
デル株式会社代表取締役社長 平手 智之氏、EMCジャパン株式会社代表取締役社長 大塚 俊彦氏から9月7日に発表のあった統合完了に関する話があった。

Dell Technologiesの発足と、その配下に7つのブランド(DellEMC、VMware、Pivotal等)が存在し、各々の役割等について、その概略の話があった。

2.基調講演
“「Let the transformation begin」~テクノロジーによる変革の開始~”と題し、Dell EMC INC.シニアバイス・プレジデント ブライアン・ギャラガー氏からユーザ企業より2名のゲストスピーカーを迎えて、基調講演があった。

テクノロジーの変化により急速に変化する生活と働き方として、その原因はデジタルトランスフォーメーションであり、全ての業界が変わろうとしている。

デジタル変革の時に必要になる3つの分野、人材変革の必要事項、セキュリティ変革の必要事項、IT変革に必要な事項等について、具体的な事例を上げて説明があった。

その中で、ユーザ事例として、株式会社IDCフロンティア プラットフォームエンジニアリング部 クラウドグループ グループリーダー兼チーフクラウドアーキテクト 菊石 謙介 氏と、株式会社東芝 執行役常務 インダストリアルICTソリューション社 副社長 下辻 成佳 氏から、Dell EMC社の製品を使ったDCの構築事例や、ラックスケールフラッシュ(DSSD)の活用事例等についての話があった。

最後に、統合完了に伴い新しくなる製品等についての話があった。統合に関する基本的な考え方や、その背景を理解することができた。

3.パネルディスカッション
スペシャルセッションが、デル株式会社 最高技術責任者CTO 黒田 晴彦氏よりインテル株式会社 インダストリー事業本部 クラウド・スペシャリスト 土屋 建氏をゲストに迎えて行われた。

黒田氏からはCTOとしての動きや、今後の重点領域について、土屋氏からは、今後のインテルの成長に向けた戦略的サイクルとして、次世代不揮発性メモリーテクノロジーや、スマートディバイス等についての話があった。

Ⅱ.ブレークアウトセッション
午後からはブレークアウトセッションが行われ、ランチセッションを含む7セッションを聴講したのでその概略について、内容が多岐に渡るためタイトルとポイントのみを報告する。 (会社名はDELL EMCでは無く旧名で表示されていたのでそのまま)

1.セッション1
“VR技術とビジネス”と題し、株式会社ソリッドレイ研究所から講演があった。VRの歴史や最近の動き、新しい技術等についての説明があった。

2.セッション2
“ハイパーコンバージド インフラストラクチャが与えるIT基盤へのインパクト”と題してEMCジャパン株式会社から講演があった。

ハイパーコンバージドの定義や製品の種類、導入を促進する要因等についての説明があった。

3.セッション3
“VDIのエンドツーエンドソリューション”と題し、デル株式会社から講演があった。

コンピューティングの変化、働き方の変化、VDIの仕組み、仮想ディスクトップの将来性、Dell Wyseソリューションの説明等についての話があった。

4.セッション4
“ソフトウェアCDPで実現する新たな「仮想マシン」保護ソリューションとは”と題し、ノックス株式会社から講演があった。

データ保護方式であるCDP(Continuous Data Protection)に関する、方式や優位性等の説明があった。

5.セッション5
“ビジネスを変革するオールフラッシュポートフォリオと国内先進事例”と題し、EMCジャパン株式会社から、ゲストとして株式会社リクルートテクノロジーズからの事例紹介を交えて講演があった。

ストレージのフラッシュ化の現状と今後、新製品の説明等があり、その後実際にVDIシステムへの適用事例の紹介があった。

6.セッション6
“エンタープライズ企業のデジタル変革を推進するPivotal”と題し、Pivotalジャパン株式会社から講演があった。ピボタル社の設立の経緯、Pivotal LabやPivotal Cloud Foundry、GEのPredixへの採用等についての話があった。

7.セッション7
“クラウドネイティブアプリに最適なプラットフォームNative Hybrid CloudとNeutrinoの真価“と題し、EMCジャパン株式会社から講演があった。

オープンな環境上でのNative Hybrid Cloudのメリット等についての話があった。

Ⅲ.展示会
主催社と協賛企業28社が参加して、展示会が行われていた。

主催社は、CLOUD Landscape、BIGDATA Analytics、 CONVERGED System、MODERN Infrastructure、WORKFORCE Transformationに分けて、展示が行われており、新しい会社の製品のジャンル分けで行われていた。

vLabとしてDell EMC製品体験コーナも用意され、プライマリーストレージ、重複排除バックアップ、仮想環境の災害対策等の体験が出来るようになっていた。

また、オープンプレゼンテーションも行われ、主催社と協賛企業から、製品やサービスの説明が行われた。 展示製品の区分等でもう一つ理解できない部分もあったが、徐々に整備されてゆくようになると思う。

Ⅳ.全体的な感想
9月の統合完了発表があったが、デル社とEMC社の企業の生い立ちや、EMC社の強力な上場関連会社の課題もあり、かなりの難しい取り組みだったと思う。

また、NTTデータへのITサービス部門を売却した事は、大きな決断でありITインフラへの集中のの決意の表れだと思う。

ITインフラのHWをDell/DellEMCが、仮想化領域をVMwareが、PaaS/APPS領域をPivotal/Virtustreamが、セキュリティ領域をRSA/SecureWorksが担当し、1社でITインフラの殆どを提供する会社となり、それらのシナジー効果を引き出すことができれば、統合が吉と出て世界制覇も夢ではないと思う。

しかし、これだけの規模が大きくなることにより、様々な課題も出て、調整が具体化する過程で難しい判断も必要になる事も予想される。

いずれにしても、ユーザあってのベンダーであり、わかり易い考えでの製品やサービスの提供をお願いしたい。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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