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「ワークスタイル変革Day 2016」~成長戦略としての「働き方改革」を急げ~

【クラウド見て聞きある記(その148)】
平成28年9月14日に、ソラシティカンファレンスセンターで開催された、株式会社リックテレコム主催、シスコシステムズ合同会社、日本マイクロソフト株式会社等8社の協賛“「ワークスタイル変革Day 2016」~成長戦略としての「働き方改革」を急げ~“に参加した。

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ワークスタイルの変革については、言われる様になってから久しくなるが、多くの事例や必要になる機器やサービス、ソリューションが多数出てきており、何度も盛り上がりを見せる気配が感じられたが、結果として、中々成果に結びつける事が難しく、今一つ盛り上がりに欠ける結果になっている。

セミナーでの事例についても、大企業で事務所の大規模な移転や、企業として大規模に取り組んだ事例が多く、一般的な企業から見ると他人ごとに思える、のでは無いかと考えている。

しかしながら、少子化や高齢化による環境の変化については、避けられない事実であり、その対策として政府も最重要事項として「一億総活躍」を掲げ、「働き方の改革」を重要課題として取り組んでいる。

また、企業としても労働人口の減少は、深刻との受け取りが認識されて来ており、これらの課題には本格的に取り組む必要があり、背中を押される形で、取り組みを活発化させようとする動きが出ている。

特に、企業の成長を達成するためには、生産性の向上や、優秀な人材確保のために貢献するワークスタイル変革は、必須であり経営課題として取り上げる企業も大幅に増えている。

これらの状況を確認するため、最新の動向、製品やソリューション/サービスの最新状況、具体的な事例等について、情報収集を行うと共にギャップの原因等を探る為に参加した。

セミナーは、午前中に基調講演と協賛企業講演×2、午後からは2トラックで各々協賛企業講演(7セッション)と特別講演×2が行われた。午前中の全ての講演と午後の4セッションと特別講演を聴講したので、その概要を報告する。

Ⅰ.基調講演
「ITの進展と働き方の改革」と題し、早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問 一橋大学名誉教授 野口 悠紀雄氏から講演があった。

フリーランサー等の専門家の働き方の増加、政府の働き方改革の推進状況等の現状の紹介、労働人口の減少に対して企業がとるべき対策、働く環境の変化や賃金の推移(増えているのか?)、今後の改革に必要となる機能等についての話があった。

今後必要になる機能としては、AI(ーMLーDL)、自動運転、フィンテックとその中で中心となるブロックチェーン等について、現状と具体的な活動、将来に向けての課題等の説明があったが、具体的で非常にわかり易かった。

Ⅱ.特別講演
“ANAが実践する、やり切るワークスタイル改革”と題し、全日本空輸株式会社 業務プロセス改革室 イノベーション推進部 業務イノベーションチーム マネジャー 林 剛史 氏から講演があった。

2012年から本格的に取り組み始めたワークスタイル改革について、取り組み始めた背景、第一次から第三次に至る改革の内容等についての説明があった。

その中で、“やっていた事”として、数字で語る、制度に組み込む、働き方を自ら把握して改善する、相手の時間を大切にする意識、成果を身近に感じる(制度×意識×仕組み)、が挙げられていたが、正にこれが肝だと思う。

Ⅲ.協賛企業講演
協賛企業講演として、午前中に2社、午後に7社の講演が行われたが、午前中の2社と午後には4社の講演を聴講したので、その概略を報告する。

1.セッション1
“社員が「活躍」するための働き方変革 ~事業生産性26%を向上させた日本マイクロソフトの取り組み“と題して、日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 Officeマーケティング本部 本部長 越川 慎司 氏から講演があった。 政府が進めている“一億総活躍社会”の為の働き方改革についてマイクロソフトが考える内容、日本マイクロソフトが実践している働き方の改革について、及び次世代の働き方を実現する“Delve”について、等の話があった。

2.セッション2
“ユーザー事例を交えて考察 シスコ コラボレーションが実現する新たな働き方”と題し、シスコシステムズ合同会社 アーキテクチャ事業 コラボレーション営業 部長 石黒 圭祐 氏から楽天株式会社よりゲストスピーカを招いて講演があった。

加速するビジネスのデジタル化の内容、楽天での事例(ゲストスピーカー)、Cisco Spark(無償ツール)を使った働き方の改革等についての話があった。

3.セッション3
“ワークスタイル変革を支援するNECの取組み最新状況”と題し、日本電気株式会社スマートネットワーク事業部・マネージャー 若杉 和徳 氏から講演があった。

ワークスタイル変革の背景と課題、NECの具体的な取り組み内容、変革を実施するときのノウハウ等の話があった。

4.セッション4
“働き方変革に成功した企業に学ぶ「“個”の能力を最大限に引き出す秘訣」“と題し、ブレインズテクノロジー株式会社 代表取締役 濱中 佐和子 氏から講演があった。

ワークスタイル変革の動きと周辺の状況、面白い働き方の会社、ホワイトカラーの生産性の課題、個の力を最大限に引き出す方法、同社が扱いを開始した丸紅情報システムズ㈱のNuronに関する説明等の話があった。

5.セッション5
“日本ユニシスグループの働き方改革Workstyle Foresight のご紹介”と題し、日本ユニシス株式会社 サービス企画部 共通SaaS企画室 丸尾 和弘 氏から講演があった。

日本ユニシスが働き方変革に取り組む背景と4つの施策、日本ユニシスの具体的な取り組みとして在宅勤務・テレワーク、オフィス環境の改革、モバイルワーク改革等についての話があった。

6.セッション6
“どこでもオフィス構築の勘所とAIを使った音声認識会議の実用性”と題し、丸紅情報システムズ株式会社 Vidyoソリューション室副室長 加藤 篤史 氏から講演があった。

働き方変革が必要となる環境の変化について、なぜ攻めの投資が必要か?、どこでもオフィスは必要か?等の説明、同社のソリューションとして音声認識システムで東芝の“RECAIUS”や、“Vidyo”、Google Hangout等を採用しているが、それらの有効性等についての話があった。

Ⅳ.全体的な感想
「ワークスタイルの変革」については、その必要性について過去から言われてきたが、中々その目的である間接部門の生産性向上につながらない現状があり、多くの企業が対応を行っているものの、成果についてはかなり難しい状況になっている事が確認できた。

しかし、人口の減少や高齢化社会に伴い労働人口も減少し、政府も対策に本腰を入れてきている事から、企業としても待ったなしの状況になってきている。政府としてもこれらの活動を支援する事が決定しており、企業としてはこれを好機と捉えて本気で取り組む時期に来ており、企業としても本気で取り組む姿勢が出てきている様だ。

今回のセミナーでも製品やソリューション/サービスの導入により、ワークスタイルの変革を実現した事例や、協賛ベンダーからは提供できる製品及びソリューション/サービスの最新情報や事例の説明があったが、活用すれば直ぐにでも効果が出るものも多くある様に思えた。

前回も書いたが、導入事例やベンダーからの講演で、変革に取り組む場合、製品やソリューション/サービスの導入に加え、導入プロセスの定義や構築後の運用等の検討が必要になり、更に人事政策や企業ガバナンス迄も検討する必要も生じてくる。

従って、一気の全社的な改革はかなりハードルが高く、ビル移転や環境の大きな変化等で、根本的な見直しを行う場合を除き、目的に合わせ効果をキーに優先付けを行い、地道な活動を続ける必要が有るものと思う。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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