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「AppExchange EXPO Fall 東京 2016」

【クラウド見て聞きある記(その146)】
平成28年9月2日に、東京駅近くのJPタワーホール&カンファレンスで開催された、特定非営利活動(NPO)法人アップエクスチェンジコンソーシアム主催、株式会社セールスフォース・ドットコム協賛の「AppExchange EXPO Fall 東京 2016」に参加した。参加者も多く盛況だった。

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最近、企業経営環境の変化に伴いスピート経営が求められており、それに伴いシステムの対応にもスピードが求められる様になってきた。

また、要求も多様化しており、要件の決定が難しい状況になり新しい開発方式が必要となってきている。

要件の変更に対して柔軟に対応でき、且つ、品質の高いシステムを構築するためには、幅広いエコシステムを作りコンポーザブルな開発手法や、APIによる完成されたサービスとの連携が重要となる。

この様な状況の中で、株式会社セールスフォース・ドットコム社は早くから、エコシステムの構築/運用には積極的に取り組んでおり、AppExchangeを早くから立ち上げ、登録数やその活用を見ても大きな成果を上げている。

このAppExchangeの位置づけも、業務の基盤化したSalesforce 1では中核機能としてCRMやマーケティング等と同等の扱いになって来ている。

また、モバイル開発環境として今年から本格的な利用が開始されたLightningからは、AppExchangeに登録されているものを直接扱う事が出来る様になり更に今後IoT関連の追加が予想され、益々重要性を増してくる事が予想される。

クラウドサービスでのエコシステムの重要性については多くのベンダーが口を揃えて語っており、製品発表や戦略の説明では必ずエコシステムの重要性を上げ、力を入れるべき項目としているが、実際の活動を調べて見ると、本格的な活動を行い、成果を上げているベンダーは非常に少ない様に感じている。

登録されているプログラムもワールドワイドでは3,065本に上り、ダウンロードも390万回を大きく超えて行われている。

今後はLightningの活用が本格化するにつれて、急激に増加する事が予想される。(日本での数値は今回発表が無かった)

今後、クラウド普及促進の為には、アプリケーション/サービスの流通の支援や、開発の支援を行うエコシステムの充実が必須となるため、先行しているAppExchangeの最新の状況を把握する為に参加した。

EXPO Fallは、午前中にキーノートセッションが、午後には39のゼネラルセッションが行われ、合わせて展示会、終了後は展示会場を利用して、ネットワーキングによる情報交換会(今回は不参加)も行われた。その概略について報告する。

Ⅰ.キーノートセッション
“AI最前線とSalesforce + AIの可能性”と題し、ソフトバンク株式会社 首席エバンジェリスト 中山 五輪男氏から講演があった。

中山氏の現状として4つの分野(クラウド、ロボット、人工知能、スマートディバイス)のエバンジェリストを担当している事、人工知能のビジネスへの応用の現状、IBM Watsonとソフトバンクの関係(独占販売契約等)、使われている分野、ソフトバンク内での活用事例、Pepper for BIZの活用事例、Salesforce × AI × Pepperで出来る事等について、具体的なデモを交えて話があった。

ソフトバンクでスマート経営実現のために構築(サービス)している「SoftBank BRAIN」の説明・デモがあったが、AI活用の事例として非常に面白い。

Ⅱ.ゼネラルセッション
午後からはゼネラルセッションとして、パートナー各社からは製品やソリューションの説明を、セールスフォース社からは特別セッションとして製品やサービスの概要や最新状況等の紹介があった。

ゼネラルセッションは7トラックで各々5~6セッション計39セッションが行われたが、その中で6セッションを聴講したが、内容も多岐に渡るため、タイトルを中心に超概略のみを報告したい。

1.セッション1(IoT)
“Salesforceと連携する車両管理アプリケーション”と題し、株式会社フレクトから話があった。

株式会社フレクトとコネクシオ株式会社がサービスを行っている、IoTを活用した車両管理アプリである“Cariot”の説明を中心に話があった。コネクテッドカーの事例として参考になった。

2.セッション2(CRM連携)
“コンテンツ・マネジメント・プラットフォーム「Box」とSalesforceの連携“と題し、株式会社 Box Japanから話しがあった。

Salesforceのレコード内からBoxに保存されたコンテンツに対してアクセス、共有を可能にしたソリューョンについての説明があった。

3.セッション3(BI/帳票)
“ウイングアークが実証した勝ち続ける営業ダッシュボードと成功へのシナリオ!と新製品”と題して、ウイングアーク1st株式会社から説明があった。

営業活動の見える化ツールである“MAPPA”の説明及び活用する事による効果、9月22日から無償で提供する帳票開発ツ―ル等の説明があった。

4.セッション4(セキュリティ)
“Salesforce over VPN×連携ソリューション”と題し、NTTコミュニケーションズから話があった。

同社が提供するSalesforceを安全に高機能を利用可能にするための、セキュリティソリューション関連の紹介があった。

5.セッション5(データ連携/開発)
“ヒト、モノ、コトと繋がる次世代グループウェア「mitoco」で実現する新しい働き方”と題し株式会社テラスカイから話があった。

2016年7月にリリースした次世代グループウェアである「mitoco」について、製品コンセプト、概要、ロードマップ等についての説明があった。コンセプトが面白い!!

6.セッション6(業務系)
“新たな成長のためのビジネスモデル・イノベーション・プラットフォーム”~「プロダクト販売モデル」から「サブスクリプション」へ~と題し、Zuora Japan株式会社から話があった。

クラウド時代に重要となる月額課金(サブスクリプション)ビジネスを支援するプラットホームである「Zuora」の説明及び採用企業の事例等についての説明があった。

Ⅲ.展示会について
今回は、パートナー企業33社37ブースと前回より増えて展示が行われ、前回と同じく業務系、BI/帳票、CRM連携、データ連携/開発、IoTに加えて、Salesforceが最近力を入れているAIの追加があり、殆どのジャンルの製品やサービスに関する展示が行われていた。

今回も、新しいパートナー企業からの展示も幾つかあり、また、製品の機能やサービス内容についても、かなり強化されているものが多く、エコシステムの充実を見て取る事が出来た。AIについては今回初めての展示となったが、3社が展示を行い関心の高さが表れていた。

ただ、今旬の話題であり、最も力を入れている一つのIoT関連の展示が1社に留まった事は意外に思えた。

Ⅳ.全体的な感想
今回も前回に引き続き登録者/参加者数も多く、若い人やユーザ企業からの参加も徐々に増加しており、エコシステムの重要性や、AppExchangeの役割の大切さが理解されてきている様に思う。

最近、SalesforceはIoTやAIにかなり注力しており、特性からエコシステムが重要になってくるのは明白であり、AppExchangeは更に注目される様になってくるだろう。

毎回書いているが、相変わらず海外に比べて、登録や活用についてもまだ遅れをとっており、SOAの時と同じように日本特有の課題はあるものの、クラウドの普及には活性化は必須であり、本気で取り組むべき時期に来ている、と思っている。

また、(毎回書いているが)、展示各社の話を伺っていると、やはり中小企業向けのソリューションへの取り組みについては、若干腰が引けている様に感じる事には変化が無い様に思えるのは残念だ。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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