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「SORACOM Conference 2016“Discovery”」

【クラウド見て聞きある記(その141)】
平成28年7月13日に、西新宿のベルサール新宿グランドで開催された、株式会社ソラコム主催の「SORACOM Conference 2016“Discovery”」が、~IoTの最先端を探しに~をテーマに行われ、終日参加した。

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株式会社ソラコムのカンファレンスは、今年の1月に続き2回目になるが、既に登録者が2,000名を超えるという、信じられない規模のイベントになっていた。

前回に比べて会場もかなり大きくなっていたが、セミナー会場では毎回かなりの立ち見が出る等、主催社から見て嬉しい悲鳴の連続だったと思う。

今年の1月に第一回目の本格的なイベントが行われ、SORACOM Airの発表から4ヶ月で1,500社での採用があり、当時も“快進撃”と言われていたが、引き続き“快進撃”は続いており、開催前には24億円(2件で30億円)の出資を受けて、海外(主としてヨーロッパ)へのビジネス展開を行う旨、マスコミに対する発表もあり、人気に拍車をかける結果になっていた。

ソラコム社が注目されたのには2つの理由があるが、一つ目の理由は、従来、IoTという言葉が先行し取り組みを開始する場合、ネットワークとセキュリティをいかにするか、大きな課題があったが、SORACOM Airがこの最大の課題を一挙に解決する革命的なものであったこと。これにより、IoTへの取り組みのゲートが大きく下がり、正にIoTの革命児といえること。

もう一つの理由は、IoTの市場規模がIDCの今年2月23日発表で、2020年まで平均成長率は16.9%で、ユーザの支出額は13.8兆円に達することが挙げられる。(IoT全体でみればその数倍になる)

前回のカンファレンスの基調講演で、4つの新機能の発表が行われ、今後も機能追加に関しては積極的に実施してゆく旨の話があり、今回も発表があるだろうという期待と共に、機能名称の1文字目が、当初AとBではじまり、第一回のカンファレンスでは、C~Fで始まる機能が追加された。従って今回も発表があり、その1文字目は?、との話題もあった。

上述のように、大きな躍進を遂げている株式会社ソラコムの現状や、事例、これからの戦略等を知る為に、カンファレンスに参加した。

カンファレンスは、午前中に基調講演が、午後には製品説明や事例紹介等が、ランチセッションに続き、3トラックで各々5セッション(計17セッション)が行われ、併せて協賛企業28社が参加しての展示会、夜にはナイトイベントが行われた。

午前中の基調講演と、午後のランチセッションを含めて6セッションに参加したので、その概要を報告する。

Ⅰ.基調講演
基調講演は、“Discovery ~IoTの最先端を探しに~”をテーマに、株式会社ソラコム 代表取締役社長 玉川 憲氏から、4社からのゲストスピーカーを迎えて行われた。概略は以下の通り。

① 今回のイベントの登録者数が2,000名を超えた事
② ソラコムの生い立ちや、なぜソラコムが1年半で大きく成長できたのか
③ ソラコムが採用されている事例 事例としては、Safecastでの放射線の情報、パルコでの客層分析、内田洋行の百葉箱、インフォミックスの太陽光発電の管理、コニカミノルタの医療機関向けタブレット、フォトシンスの鍵ロボット等、17社の紹介があったが、個別のサービスへの適用、業務システムでの活用、スタートアップ等非常に幅広い分野に活用が、急速に広がってきているのが解る内容
④ SORACOM Airの利用料金、お客様の声を取り入れてリリースした、19の機能、SORACOMのサービス範囲、既存の6つのサービス等についての説明
⑤ 今回も、新サービスの発表があり(SORACOM DoorとGate)、そのサービス内容の説明があった。(アルファベット順ではなかった!!)
⑥ 未来に向けての拡大について、手始めとしてSORACOMプラットフォームを全世界に拡大する。その為の機器として世界120ヶ国で利用可能な“グローバルSIM”を発表。併せて、グローバルSIMに対応した認定デバイスの発表も。
⑦ LPWA(Low Power Wide Area Network) と呼ばれる無線通信規格であるLoRaWAN事業への参入を表明、内容の説明。
⑧ ソラコムのパートナープログラム(Soracom Partner Space)の活動内容や最近の動きの紹介。200社以上のパートナー企業が登録。
⑨ 今後に向けて、引き続きの新製品&新サービスの提供、運用コストの削減と価格の低下への取り組み、グローバル展開、エコシステムの拡大等についての話。

最後に、“IoTアンバサダープログラム”の発表があった。
引き続きの新製品や新サービスの提供や、製品・サービス価格の低下への取り組み、グローバルへの展開等盛り沢山ではあるが、今後の引き続きの事業拡大に関する力強い話になっていた。

4社のゲストスピーカーに関しては、発表の概要は以下の通り。

1.ゲストスピーカー1
デル株式会社 最高技術責任者 黒田 晴彦氏から、IoTへの取り組み状況や、LTE搭載のPCにSORACOM SIMの採用を行う等の話があった。

2.ゲストスピーカー2
三井物産株式会社 常務執行役員 ICT事業本部長 北森 信明氏から、IoT事業への取り組み、目指すIoT事業の進め方、グローバルな通信プラットフォームとしてSORACOMを採用した事に加えて、ソラコム社に出資した等の話があった。

3.ゲストスピーカー3
トヨタ自動車株式会社 eーTOYOTA部 部長 藤原 靖久氏から、これまでのテレマティクスへの取り組み、次世代テレマティクスの概要、グローバルテレマティクスの課題等についての話があった。“今日の非常識は、将来の常識に”には意気込みを感じた。

4.ゲストスピーカー4
株式会社日立製作所 IT統括本部 統括本部長 中島 透氏から、自社のIoTへの取り組み、日立の目指す姿、ソラコム社と日立の連携(SIやデバイスの提供)について等の話があった。

Ⅱ.ブレークアウトセッション(含む基調講演2)
ランチセッションとそれに続く5セッシヨンを聴講したが、内容が多岐に渡るためタイトルとポイントのみを報告する。

セッション会場が、大会場と2つの小会場に分かれていたが、小会場の人気も極めて高く、立ち見でも入れない程の人気セッションもあった。

1.ブレークアウトセッション1(ランチセッション)
“SORACOM認定デバイスのご紹介”と題し、株式会社ソラコムから講演があった。

SORACOM認定デバイスの定義に続き、50を超える登録が行われており、その中で代表的な認定デバイスの紹介があった。

2.ブレークアウトセッション2(基調講演2:パネルディスカッション)
“M2MからIoTへ”と題し、2社のゲストスピーカーを迎えてパネルディスカッションが行われた。

参加企業は、サトーホールディングス株式会社 代表取締役執行役員社長 兼 最高経営責任者(CEO) 松山 一雄氏、株式会社フルタイムシステム 代表取締役 副社長 原 周平氏で、モデレータは株式会社ソラコムの玉川社長。内容につい多岐に渡るために省略。

3.ブレークアウトセッション3
“AWSクラウドから産まれたSORACOM、そしてSORACOMが創るIoTの未来“と題し、アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 マーケティング本部 本部長 小島 英揮 氏から講演があった。AWSとソラコム社(SORACOM)との関係、及び連携についての話。

4.ブレークアウトセッション4
“SORACOMのグローバル展開”と題し、株式会社ソラコムから2社のゲストスピーカーを迎えて講演があった。

SORACOMのグローバルでのサービス内容の説明に続き、オプテックス株式会社と株式会社小森コーポレーションの2社から、ゲストスピーカーを迎えて海外展開の現状等の説明があった。

5.ブレークアウトセッション5
“つながる暮らし スマートライフ”と題し、SORACOM製品を活用しスタートアップを成功に導いた企業から製品やサービスの説明があった。発表企業は次の通り。

① 株式会社ZーWorks 各種IoT用のセンサーの紹介
② 株式会社otta IoTを使った新見守りサービス
③ 株式会社チカク “まごチャンネル”の紹介
④ アイレット株式会社 モデレータ

6.ブレークアウトセッション6
“SORACOM×LoRaWAN™ 省電力広域ネットワークへの取組み”と題して、2社のゲストスピーカーを迎えて講演があった。

今年の4月25日に発表したLoRaWANへの取り組みに関する話と、実証実験を行った2社(株式会社M2Bコミュニケーションズ、九州通信ネットワーク株式会社)から結果報告があった。

Ⅲ.展示会
主催社及び前回より大幅に増えて28社による協賛企業各社が参加して、展示会が行われた。

主催社からは、SORACOMの仕組みや機能に加えて、実体験コーナや認定デバイスの展示等が行われていた。

協賛企業からは、SORACOMを活用した製品や、ソリューション/サービスの展示が行われていたが、直ぐに活用可能な内容で、ビジネス協業等の話に及んでいるケースも多く見られた。

幾つかのブースで話をしたが、SORACOM製品を活用したIoTビジネスについは、最重要課題として取り組んでいる、との話も多く聞かれた。

Ⅳ.全体的な感想
今回のカンフアレンスは、最初の製品発表後1年強にも関わらず、ユーザ/ベンダー企業等での3,000社を超える採用に加えて、AWSビジネスの成功パターンを取り入れ、積極的な新機能追加、利益還元での数度にわたる値下げ行う等の動きもある。

また、30億円の資金調達によるグローバル展開等、快進撃は止まるところを知らないが、それを実感できるイベントだった。

当初から、その製品の機能の優位性や斬新性から考えて、ある程度の実績や盛り上がりを予想していたが、引き続き完全にその予想を超えるスピードで進んでいる。

展示や事例を見ていると、今後は、色々なアイディアにより、多くの新しい領域への応用、新しい製品や事例が出て来て、一気にIoT市場が盛り上がりを見せるものと、大いに期待したいし、出来ると確信した。

ただ、(杞憂とは思うが)心配なのは急速に製品やサービスの数、サービスの地域が拡大をしており、“質”の確保が出来るかが問われるようになると思う。

非常にエキサイティングで有用な1日を過ごすことが出来た。次回も、一回り大きなイベントになると思うが、是非参加したいし参加の価値は十分にあると思う。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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