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「IoT&Enterprise Forum 2016」~いよいよIoT元年、これからのIoTビジネスの鍵を見つける1日~

【クラウド見て聞きある記(その139)】
平成28年6月27日に、御茶ノ水のソラシティカンファレンスセンターでITpro主催、日経コンピュータの協力、日立コンサルティング、日立製作所、オブティコム各社の協賛で開催された“「IoT&Enterprise Forum 2016」~いよいよIoT元年、これからのIoTビジネスの鍵を見つける1日~”に参加した。

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IoT(Internet of Things)に関してはクラウド活用の本命として注目されるようになり、その市場規模もけた外れに大きいことから、多くのベンダーが参入し事例も多く報告されているようになり、かなりの本格的な普及が進んでいるように思われている。

しかしながら、現在での調査会社の調査によると本格的に活用が進んでいる企業は5%位に留まり、多くの企業が2015年に実証実験を実施し2016年には評価後に本格的な普及に進む段階に移り、IoTビジネスが加速する「IoT元年」になるといわれている。

2015年にはソラコム社の「SORACOM Air」が出て、それまでの大きな課題であったネットワークへの接続とセキュリティの解決を行い、発売開始後9ヶ月で3,000社を超える採用があり、異常ともいえる盛り上がりを見せている。

また、デバイス分野でも、それまで繋がらなかったデバイスが繋がるようになったり、それを管理・制御するゲートウェイ装置も、ぷらっとフォーム社の「IoT-OpenBloks」のように、環境に強い使い勝手の良い安価な製品の充実もあり、本格的な構築もかなり気軽にできるようになって来た。

一方、実証実験の為のシステム構築についてもラズベリーパイ等の進化もあり、SORACOM Air等と組み合わせれば10,000円以下でも出来ることから、色々な業種や業態、色々な環境での実証実験が行われている。

もう一つの課題としてあるのが、IoTはベンダー1社ですべてを供給するのは難しく、大規模なエコシステムの構築が必要となり、これを前提としてのIoTプラットフォームが必要となるが、AWSやセールスフォース、PTC等の大手ベンダーから提供され、日々進化を遂げている。

また、企業では幾つものIoTシステムが構築されるようになり、その運用やセキュリティを含むガバナンスの統一を図るためにもプラットフォームは必要となる。

これらの状況や最新の事例等を確認するために参加した。セミナーは基調講演と特別講演、3つの協賛ベンダー講演が行われ、すべてに参加したので概略を報告する。

Ⅰ.基調講演
“IoTのユースケースと活用レベルの考察:IoTはデジタルトランスフォーメーション(DX)により急拡大“と題し、IDC Japan株式会社 コミュニケーションズ マーケットアナリスト 鳥巣 悠太氏から講演があった。

DXが今後の鍵を握る理由、具体的な事例、業種・業態別(製造、流通、公共、金融、インフラ、個人消費等)毎にIoTの利用状況や適用業務、IDCが制定している導入レベル(1~5段階)、IDCの2つの提言等についての話があった。

確かに、IoT関連ではDXに絡めた話が多くなっているが(特に米国のベンダー)、製品戦略を説明する上では、非常にわかり易くなると思うし、切り口も面白く興味ある内容だった。

Ⅱ.特別講演
“物流システムにおけるIoT導入”と題し、株式会社IHI物流産業システム サービス本部 メンテナンス技術部コンピュータ技術グループ 課長 森田 信哉氏から講演があった。

IoTシステム(IULINK)構築の背景、リモート監視や分析機能及びお客様向けのポータルサイト等を具備したIULINKの概要、IULINKの機能と導入のメリット、IULINKの今後の予定等についての説明があった。物売りからサービス化への転換事例であり、興味ある内容だった。

Ⅲ.協賛企業講演
協賛企業3社から各々講演があった。概略については以下の通り。

1.協賛企業講演1
“日立のIoTプラットフォームでイノベーションを実現!”と題し、株式会社日立製作所から講演があった。

IoTプラットフォームの目指す姿、IoTプラットフォームによるビジネスイノベーションの製造業に於ける事例3件の説明、ビッグデータ/AIによる新たな価値の創造、現場の声の反映するソリューション及び活用事例等についての話があった。

2.協賛企業講演2
“OPTiM Cloud IoT OS ~IoTサービスを作る時代から使う時代へ“と題し、株式会社オプティムから講演があった。

2016年3月末に発表した、Webブラウザで動作するIoT用のOS“OPTiM Cloud IoT OS”、及びその上で動作する6つのアプリケーションについての紹介があった。

新しい考え方であり、今年の夏にリリース予定とのことで、目論見通りであれば、かなり大きなインパクトがあるため、引き続きフォローして行きたい。

3.協賛企業講演3
“「IoTの経営効果とその実現の壁」~導入計画策定のツボ~”と題し、株式会社日立コンサルティングから講演があった。

IoTを導入する場合、色々な課題が有るが、同社が過去に実施したプロジェクトの経験から、成功するための導入手法や考え方、導入計画策定の要諦等について説明があった。

「IoT活用ステージモデル」や、「IoT活用のシナリオ(発展ステップの仮説)」、「先行する企業が直面する壁」等について、内容の説明があった。

確かに実証実験フェーズから、本格的な展開に向けては大きな壁があるといわれているが、かなり大きな壁のように感じた。やはり何を目指すかがポイントだと思う。

Ⅳ.全体的な感想
IoT分野に関しては、ようやく本格的な普及に向けての準備が整いつつあるように感じた。

デバイスの充実、接続手段の多様化、NW/セキュリティ等の課題の解決、IoTプラットフォームの充実、アナリティクス手段の充実、PDCAサイクルの確立、導入手段の明確化等が顕著であり、環境面では十分に整ってきているように思う。

しかしながら、取り組みを開始するに当たり、最も大切な“何の目的でIoTを導入するか”を明確にできるケースがまだ少ないように感じており、今後の大きな課題だと思う。

IoTの拡大が、クラウド活用拡大の大きなポイントになっており、2016年は飛躍的な活用拡大を望みたい。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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