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「ビジネス拡大をサポートするクラウド活用」~クラウドは「日本品質」に限る!~

【クラウド見て聞きある記(その88)】
平成27年3月24日の午後に、御茶ノ水のソラシティカンファレンスセンターで開催された、株式会社BCN主催の“「ビジネス拡大をサポートするクラウド活用」~クラウドは「日本品質」に限る!~”に参加した。

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クラウドについては、クラウドファースト、モバイルファーストという言葉や各種の調査会社によるレポート等では普及はかなり進んでいる、という調査があるものの、特に中小企業への普及は必ずしも進んでいる、という状況にはない様に感じている。

原因としては色々と考えられるが、その一つとしてユーザの要求を考えた場合、実施している業務の品質に対し、クラウド関連の製品やサービスが十分に応えられない状況にあるものと思われる。これは、ERPの導入ブーム時に発生した状況にも良く似ているものと思われる。
特に、日本の場合はQC活動として現場で業務プロセスの改善を日常的に行っており、現在の業務プロセスに対する思い入れがあり、現状からの変更については難しい事として認識されている。また、営業面でも独特の商習慣を始めとして、細かなサービスを前提で組み立てられた営業プロセス等、全てをPKGでの対応が難しく、カスタマイズが必要となってくる現状がある。

この為、クラウドでもSaaSのサービスを採用する企業が伸びない原因となり、対応するには、上述の様な業務プロセスを実現する必要がある。この要求が“日本品質”であり、クラウドでも対応が求められている。
クラウドに関しては、導入時のこの様な“日本品質”について議論される事が少なく、“造る”から“利用する”への変化のみが注目されているが、本格的な活用の促進を行うのであれば目を向ける時期に来ている様に思う。
この顕著な表れが、手組のための開発環境として、サイボウズのKintoneの快進撃や、日本品質クラウドとしてNTTコミュニケーションズのクラウドが、ユーザに支持され活用が拡大していると認識している。

今回のセミナーは、この“日本品質”に関する基調講演、クラウドに関する現状や今後についてのセッション、パートナーセッション、パネルディスカッション等、ユニークな内容で行われた。その概要について報告する。

Ⅰ.基調講演
“日本は「過剰品質」で勝負せよ!”と題し、株式会社BCN 週刊BCN編集長 畔 上 文昭氏から講演があった。

過剰品質が必要な理由、ジャパンクオリティを取り上げるIT企業トップが語る展望と戦略の説明、クラウド全体の現状、ワンコインクラウドの流行の兆し等のクラウドベンダー最近の動き、アジアを中心とした日本型SIのニーズ等についての話があった。
講演のキーワードは“過剰品質”として、以降の説明が行われたが、ワールドワイドで考えると正にこの“過剰品質”が“日本品質”であり、クラウドの活用拡大のためには、ユーザニーズを考えると必須ではないかと思う。

Ⅱ.協賛企業セッション
“クラウドファースト時代のクラウドインテグレーターとクラウドサービスベンダーの今とこれから“と題し、NTTコミュニケーションズ クラウドサービス部販売推進部門主査 クラウド・エバンジェリスト 林 雅之氏から講演があった。

クラウド業界の動向とクラウドインテグレーターの役割に関して、クラウド市場の事業者のシェア、クラウド事業者の淘汰の動きや加熱する価格競争、クラウドエコシステムの展開フェーズ、クラウド化に伴う中堅中小SI事業者の対応、パートナーとの協業例等についての説明があった。

その後、具体的な事例を含めて自社で提供しているBizホスティング Cloudnを中心に、クラウドサービスの内容やパートナーとの協業や支援内容についての説明があった。クラウドのトップエバンジェリストである林氏の話は、日頃の活動で感じている事が纏められており、非常に参考になるものだった。また、ベンダーとユーザの間に入って、調整を行う為の役割として、クラウドインテグレーターやサービスベンダーの役割を明確にする事により、サービスのメニュー化が進み、中堅中小企業へのクラウド導入促進にも拍車がかかってくるものと思う。
Ⅲ.バートナーセッション
今回は3社から自社の製品や、サービスに関する説明が各10分で行われた。

セッション1
“パッケージソフトベンダー(ISV)からクラウドサービスベンダー(SaaS)に変身!”と題し、eBASE株式会社から講演があった。

eBASEの会社紹介、事業内容の紹介、その中で自社提供している“FASHION eBASE Cloud”の紹介、インフラとしてCloudnを選んだ理由等の話があった。
セッション2
“FileMakerホスティング”と題し、株式会社テクニカル・ユニオンから講演があった。

同社で実施している“FileMakerホスティングサービス”や勤怠管理のCloudサービス等についての説明があった。

セッション3
“運用の自動化サービスとJIG-SAWのファシリティについて”と題し、ジグソー株式会社から講演があった。

同社が実施しているITの運用サービスについて、そのサービスの概要や、札幌コントロールセンターの概要、BCP対策等についての説明があった。

Ⅳ.パネルディスカッション
最後に講演者が参加してパネルディスカッションが行われた。
パネルディスカッションは本音ベースでの議論が行われる為、内容の報告は省略し、論点のみを報告したい。
参加者は、eBASE株式会社窪田取締役、株式会社テクニカル・ユニオン戸倉代表取締役、ジクソー株式会社坂本企画グループマネージャ、NTTコミュニケーションズ林クラウド・エバンジェリスト、モデレータは株式会社BCN畔上編集長で行われた。

論点は、クラウドモデルへの切り替えの契機は?クラウドとしてNTTcomを採用した理由及び協業のメリットは?品質をどう考えるのか?安価過ぎて困る事は?等に対し、パネラーから本音ベースの外では聞けない話があった。やはり講演等で話すよりパネルディスカッションの場合、対話形式で確認する事が可能になる為、より本音に近い事が聞け、参考になった。

Ⅴ.全体的な感想
前回はセールスで今回はパートナー(協業)活動にフォーカスを当てた内容で、NTTコミュニケーションズとパートナー契約を結び、積極的に活動を行って成果を上げている企業が参加して講演が行われた。
確かに、特に中堅中小企業でのクラウドの活用については、捗々しい話は聞かず、良く“使いたいアプリが無い”という話を聞くが、この“日本品質”に対する対応が出来ていないのも一つの原因だと考える事が出来る。
また、クラウドの場合、一社で全てを提供する事は難しく、大手のベンダーの場合、殆どがパートナーを組織化し、複数のパートナーの製品を組み合わせて、必要なサービスを提供する方式をとっている。ただ、パートナー支援を発表しているものの、活動については、まだ起動に乗っていないベンダーが多く、本格的に機能してくるのにはもう少し時間がかかるものと思われる。

一方、PaaS上での開発環境が色々と出て来ており(Kintone、Force.com、Bluemix等々)、利用することにより生産性は飛躍的に向上し、保守性にも優れている事から、PKG化にはこだわらず、“日本品質”を実現する為には、これらの開発環境を使う事も有効な選択肢に育ってきているし、是非検討すべきだと思う。

 

コラム著者紹介
 
 
HNコンサルティング代表
永松 秀通 (ながまつ ひでみち)

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