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日立情報システムズ SaaS World/2009 TOKYO 基調講演レポート(前編)

クラウドサービスは中小企業に理解され、活用が進むのか? SaaSに関する総合イベント「SaaS World/2009 TOKYO」にて、株式会社日立情報システムズ ネットワークサービス事業部 副技師長 山野浩氏がSaaSとPaaSの組み合わせによる新しいツールサービスとその活用を紹介した。

SMB市場の動向と状況~中小企業に向けたSaaSの理想型とは
SMB市場の動向と状況
SaaS World/2009 TOKYO

「昨今では、500人未満の企業でASP SaaSの導入が進み、認知度が上がっているといえます。ICTは企業とビジネスを遂行させるための手段ですので、その機能が利用できればよく、所有することにこだわらずにサービスの提供を受けられさえすればいい、と考えている企業が増えているようです。」と山野氏。

ICTを利用する際の顧客の要求としては、より安いITサービスの構築・運用、リリースの短縮、柔軟なサービスの拡張の3つが主立ったものだという。

また、大企業や中堅企業が、大規模高信頼性、顧客カスタマイズ性のある業務アプリ、高いレベルのSLA、専用要員による個別監視、ホスティングやハウジングに関してもメインフレーム、高性能RISCサーバ、高性能ブレードサーバ、RAIDなど厳しい仕様を求めているのに対し、SMB(中小企業では)廉価で汎用性のある業務アプリ、平均レベルのSLAなど、コストパフォーマンスを重視しており、ほどほどのサービスでもよいという割り切り感がある。

業務運用に関しても、時にはメンテナンスのために夜中に一時停止しても良い、という企業が多いという。つまり、SMBに関しては、早く、安くというニーズ、そして独自性を排除し、今あるものを活用するという傾向にあるのだ。

「日本国内には多数の企業があるが、従業員数が100人以上の企業は全体の1%に過ぎない。これまでは日立情報システムズもこの1%の顧客に向けたサービスを中心に展開してきたが、残る99%である中小企業の経営者がSaaSに踏み切るためには、『使える』サービスを考えることが重要だ」と山野氏は語っている。

中小企業がサービス利用に踏み切るには

「まずは導入しやすい価格であることが重要です。手作業と比較しコストを削減できるか、現在のシステムよりも安価であるか。この2つはお客様に提案に行ったときに最も聞かれる内容です。また、ICTに不慣れな作業員やパートが利用することを前提に、携帯電話並みに使い方が簡単であることも重要です。」

さらに、必要なときにすぐに利用でき、データをきちんとしたセキュリティ対策のもとに預かること、そして客側がシステム対応する必要がないサービス、必要なアプリケーションとヘルプデスクのサービスが充実していることが求められるようだ。

ICT市場について
日立情報システムズ 山野氏

「企業や業種によって全く異なる性能要件、可用性が求められる市場となってきていること、次にネットワークの高度化、高速化により、SaaSの利用はますます進み、SMBに関しては特に、アプリケーションは自社用として開発したアプリケーションから、汎用的なものを組み合わせて使う方向に進む、と考えています。」

企業規模とICT化の状況は企業規模が小さくなるほど、ICT人材、ITリテラシーが不足し、IT 投資額の判断ができないことにより、初期投資、コストの負担を渋る傾向にある。

SMBに向けたICTに求められる要件としては、知識を持つ担当者を必要としないアプリケーションと運用管理、そして24時間稼働したいという要望やバックアップ、セキュリティ対策、バージョンアップしたときの対応などを考慮し、初期投資が不要となる利用型の安定したシステムの導入、さらに、導入後の運用、管理の相談がいつでもできるヘルプデスク機能がポイントと示した。

規模の大きい企業とは異なる、SMBに特化したサービスが必要なのだ。

アプリケーションソフトウェアの提供について

ユーザからは、自社で利用しているソフトウェアのSaaS化を要望し、新たに導入する場合には簡単に使えるソフトウェアを希望、運用を意識せずに利用できるなどのニーズがある一方で、小規模ベンダーの製品ではSaaS 化対応が難しいという問題がある。

「ベンダーが対応できない部分をサポートし、アプリケーションの開発に代わる、顧客要望を満たす対応が必要になってきます。」

バージョンアップなどの運用管理を顧客に代わって対応し、タイムリーにサービスの提供をすることなどが、今後求められるようだ。

SMBが求めるICTシステムのあり方
日立情報システムズ 山野氏

インターネット回線、モバイル環境、データセンターなどを意識する必要がなく、データの安全性・セキュリティ対応がしっかりしていること、携帯電話のようにいつでも簡単に利用できるシステム、そして通信費用の削減などがユーザーからの主な要望だ。これには、セキュリティの問題、データの保管、故障した場合の対応が必要になってくるが、自社で対応するには限界がある。

「ユーザーが対応できる範囲には限界がありますので、ユーザーの困りごとを解決する窓口が必要です。そのため、アプリケーションの使用方法の相談窓口や通信回線を含め、故障かな、と感じたときのICT総合の相談窓口も必要であると言えるでしょう」

SMBにはSMBのニーズに特化した、敷居の低いSaaSの提供が必要であり、オーダーメイドではなくつるしの洋服を選ぶ感覚で選ぶことができるよう、各社にあったサービスの提供が必要といえる。

「SMBの課題にすぐに応えられるソフトウェアのラインナップやすぐに利用できるパッケージソフトが動作する環境が必要です。また、コストの面から考えても、自社にサーバを置きたくないという企業が増えていますので、それぞれの企業に必要なサービスを一括して提供すべきだと考えています。」

安全で簡単なサービスの提供を低料金で一括請求にて行うこと、さらにSaaSのアプリケーションだけでなくICT全般の総合相談窓口を提供し、それらをすべて対応することが、中小企業に向けたSaaSの理想型と言えると示した。

>>日立情報システムズ SaaS World/2009 TOKYO 基調講演レポート(後編)はこちらから

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