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モバイルASP・SaaS業界第一人者たちが語る、業界の現状とこれから(前編)
サイト開設から約3年。「ASP・SaaSナビ」では、イベントへの参加やクライアントへのヒアリングなどを元に、「ASP・SaaSサービスを探しているユーザーを目的のサービスに案内すること」を目指して、今年8月に大幅リニューアルを実施しました。今回、同リニューアルを記念して9月29日に、「2009モバイルASP・SaaS最新事情」と題したセミナーを開催するに至りました。
定員の30人を超える来場者でにぎわいを見せた同セミナーではモバイルASP・SaaS業界の第一人者である以下の3人が登壇し、トークセッションを展開。今回の「ASP・SaaSナビ」特集では同トークセッションを余すところなくお届けします。
ビートレンド株式会社 代表取締役 井上 英昭氏
【プロフィール】1984年日本ディジタルイクイップメント株式会社(日本DEC)入社。1995年日本オラクル株式会社入社。ビジネスアライアンス事業本部営業部長。サプライチェーンマネジメント兼ハイテク産業営業部長。1999年ネットグラビティ株式会社(現:ダブルクリック株式会社)入社。日本担当ディレクター。2000年 ビートレンド株式会社 創業 ~現在に至る。著書に『モバイルコマース&プロモーション(宣伝会議)』。
トリムタブジャパン有限会社 代表取締役 中谷 健一氏
【プロフィール】リクルートで『ゼクシィ』の立ち上げより編集・メディアプロデュース職。2000年iモード初の総合ファッションサイト『エフモード』を立ち上げ、2002年同事業のEBOにより取締役に就任。通販サービス設計、フリーマガジンやファッションイベントのプロデュース、クロスメディア広告企画などを担当。2005年に独立してメディアマーケティングコンサルタントに。2006年4月トリムタブジャパン(有)設立。モバイルを活かした事業・サービス・顧客戦略の設計・構築が専門分野。著書に『成功する!ケータイ通販』(インデックスコミュニケーションズ/共著)、『モバイルマーケティングを活性化させる企業携帯サイトの構築』(秀和システム/共著)。
株式会社イオス 代表取締役/CEO デザイナー/ モバイルマーケター 吉田 悟美一氏
【プロフィール】埼玉生まれ。商品開発会社を経て、フリーのクリエイティブ・ディレクターとして活動。1988年 株式会社イオス設立。プロダクト/Webデザイン等、消費者向けの商品開発・マーケティング分野を専門に展開。(主な作品:日立マクセルカセットテープ・MD・DVD、コニカミノルタ 素肌美人、ダイエー Savingシリーズ等)1999年 imodeスタートとともにモバイル事業参入。ゲームサイト・動画配信サイト・ショッピングモール等、数々の携帯サイトを展開。2005年 携帯サイトでのデザインの必要性を強く感じ、モバイルのためのデザインオーサリングツールを目指し開発に着手。2007年 モバイルサイト構築プラットフォーム「Rockbird」を開発・提供、現在に至る。著書に『ケータイ小説がウケる理由』 (マイコミ新書/毎日コミュニケーションズ刊)、『成功するケータイ通販』(インデックスコミュニケーションズ/共著)、『SATOVI気になるケータイ業界ホットトピックス」-Web STRATEGY—』(エムディエヌコーポレーション刊)
(以下、敬称略)
-ユーザーがASP・SaaSを導入するワケ
――ユーザーが、ASP・SaaSを導入しようと思うきっかけはどんなケースが多いのでしょうか?
中谷 今は「コストをおさえたい」という会社が導入を検討するケースが多いですね。ただ、「スクラッチで(ゼロから自前で)作りたい」という企業も時々あります。「モバイルを初めて作るんだけど、ASP・SaaSを導入せずにスクラッチでやるにはどうしたらいいか?」というケースですね。
そういった会社には、私たちは「何カ月かトライアルでもいいのでASPで始めたほうがいいですよ」とお話しします。モバイルはウェブマーケティングと似ているのですが、実際に運用してみると全然ちがうんですよね。特にリアルな導線をもっている企業の場合は、リアルな導線の中にどんな風にモバイルマーケティングを入れていくかという点で異なっています。
例えば、単純にサイトを作るだけでなくて、その会社にすでにあるワークフローを変えなければモバイルサイトがうまくいかないというケースもあります。そうすると、全部スクラッチで作った後で「やばい、全然ちがうわ…」と数千万円をドブに捨ててしまうこともあるので、「まずは、数カ月、ASP・SaaSを使ってコストを抑え、半年やってみましょうよ」と提案しています。
――なるほど、コスト的な理由が多いということですね。井上さんはいかがですか?
井上 そうですね。本当にきれいなサイトを作ろうとしたら、モバイル専門の会社に依頼して、数百万円~数千万円の開発コストがかかりますが、ASP・SaaSは、確かに価格を抑えられますよね。
弊社の場合、メール配信もやっておりますが、メール配信も単純に自社開発が難しいものなのですよね。
特に、携帯向けにメール配信をする際、エラーが多くてキャリアからIPアドレスをブロックされてしまうことがあります。
それをどういう風に制御していくのか、あるいは、エラーが起こったアドレスをどう処理・管理していくのかなどの問題があります。
それから、単純に絵文字1つ送るにも、docomoとauは絵文字コードが開示されているがSoftbankは開示されておらず、開示されていないものをどうやって3キャリアで表示させるのかなど、そういった問題をクリアするのはやはり我々みたいな専門の会社でないと無理でしょうね。
また、サイト構築などの技術的な話ですと、初期の頃は「docomoがCHTMLでauがHDMLで…」とか、キャリア各社毎にややこしい仕様の違いがあったり、画像も「NECの青とソニーの青の色味がちがう」とか、「FOMAで見たら画像サイズが小さくなってしまった」とか、さまざまな問題が携帯のシステム構築のときにありますので、開発コスト等の問題だけでなく、技術的に難しいというのもASP・SaaS導入理由にあると思います。
――吉田さんはいかがですか?
吉田 ほとんどお2人が言ったことと一緒ですが、付け加えるとしたら、構築期間を圧縮できるという点です。
期間短縮は結局コスト削減に繋がりますからね。よくある話で、キャンペーンをやると決まってから、1週間で構築しましょうといった場合、スクラッチで自社構築しようとしたら、まず実現不可能だと思います。
あとは、モバイルで言うと、実機検証や、作った後のトラブルに対するサポート体制とかでしょうね。
井上 さらに補足とアドバイスです。例えば、パッケージソフトの世界で、欧米で会計ソフトは「SAP」が大きなシェアを占めています。
新卒社員で経理部に配属された場合、「まずSAPを使いなさい。会計業務が全部学べるからね」とのことで、新人はいろいろな本を読む前にまずSAPの本を読んで、会計・経理・財務管理などを勉強していくらしいのです。
そんな感じで、例えば、「携帯でマーケティングやブランディングをやっていかなきゃいけない。どうやったらいいのだろう?」といったケースでは、「ロックバード」や「BeMss(ビームス)」を使ってもらって、手順通りにやってもらえれば、一通りできますよね。
そこに加えて、中谷さんのようなコンサルタントに入ってもらうとうまくいくと思います。
例えば、ERPの世界でもアクセンチュアなどのコンサルティング会社がSAPの導入コンサルティングなどをやっているわけですが、今や、一大産業になっています。我々の世界はまだ小さい産業ですが、いつかそんな存在になるかもしれませんね。
――なるほど。続いて、弊社が昨年、SaaS World Tokyo 2008に参加した際、「ASP・SaaSを導入しない理由」についてアンケートをとったのですが、1位が「セキュリティー面に不安がある」、2位が「自社システムとの連携が心配」、3位が「サポートに不安がある」という結果だったのですが、実際にはどうですか?利用に際しての不安や注意点などでよく耳にするユーザーからの声をお聞かせください。
吉田 確かにセキュリティーに対する不安は、金融に関わる企業などをはじめ一番言われますね。
ただ最近、微妙に変化してきているなと感じます。モバイルに限っていうと、色々な理由から「ASP・SaaSを導入したほうがいい」ということを企業の人も段々理解してきています。
さらに、最近この不況下で、「今までの、自社サイトの運用コストを見直ししましょう」と叫ばれていることから「セキュリティーよりもコストを優先しましょう」という空気が徐々にただよってきていると思います。
あとは、モバイルだと「簡単にキャンペーンをやりたい」とか、「情報システム部を絡めず、現場でやりたい」という話が多いです。そうすると「ASP・SaaSがいい」という理由で、お声がけ頂けることもちょっとずつ多くなってきていますね。
ただし、サポートやセキュリティーもすごく重要だと思います。井上さん、いかがですか?
井上 確かにそうですね。我々もプライバシーマークの2年毎の更新取得3回目という実績の事業者で、かなり厳密にやっています。
人員配置や、オフィス移転など、ものすごく投資もしています。前のオフィスでは、外の喫茶店でお客さんと商談をしたり、ベンチャーらしいことをしていたのですが(笑)、段々、金融機関系のお客さんが増えてきて「こんなところでお話するのですか?」という声が出てきて、ちゃんと扉がある会議室を設けたり、社員の出入りも指紋認証にしたりしました。
なぜかというと、弊社のシステムをお使いの保険、カード、銀行関連の会社は、必ずシステム監査で定期的に運営の状況について調査にいらっしゃるのです。
弊社ではきちんとサービス提供していますので、それはいいのです。ただ、例えば、クラウドコンピューティングでGoogleマップなどを使っている場合、本当にアメリカまで飛行機に乗って、データセンターを見にいくのか…?と。
どこかで、法務部の方や情報システム部の方がSaaSとクラウドコンピューティングの境目をなんとなくわからずにやってらっしゃるかもしれませんが、ものすごくナーバスですね。
この間、自治体関係の情報システム部の方にお集まりいただき説明会をやったのですが、ある自治体さんは「ビートレンドさんはASPでやっていますが、うちの自治体には数万人の住人がいます。その数万人分の住民の情報を守り切れるのですか?それが心配でASPは導入できません…」とおっしゃるんです。
弊社では、ユーザー企業様各社の3,000万人分のメールアドレス等の個人情報を保管管理していますが、そこでやっているセキュリティーレベルに対して、自治体の情報システム部の方が自社サーバーを立てて、数万人分の情報を管理していて、「すごいでしょ!?」って言われても、感覚的に「何言っているのだろう?」と思ってしまいました。
例え話として、「立派な金庫を買って、自分たちで保管・管理をしっかりして…、ではなく、やっぱり、お金は銀行に預けるべきじゃないでしょうか?」と正直に申し上げたところ、ひんしゅくをかってしまいました…(苦笑)。
結論として、私も率先して、「SaaSの事業者を使ったほうが個人情報対策は格段にセキュリティーレベルが上がります」という話をしています。
――情報管理体制の部分で、確認すべき点などはいかがですか?
中谷 今みたいにASP・SaaSがたくさん出てくると、正直、下調べだけでフィルターしようとしてもすごく大変なので、サイト構築をするクライアントには「ある程度パートナー候補を選んだら、とにかく呼んでみてくださいと」と言っています。
オンラインで申し込みできるような場合は、申し込みをする人が責任をもってやれば良いのですが、それなりにセキュリティーのことを心配される企業の場合は、「まず、呼んでください」と。
契約書なども、もし万が一、情報漏えいした場合どうなるのかということも、しっかりした会社はしっかりした条文を作っていますし、「何か起こったら、その時に話しましょう」といった文面になっている企業の場合は、「もっと詰めて話しませんか?」と提案しています。
「セキュリティが不安だ…。不安だ…」という担当者に限って、万が一情報漏えいした場合、どうするべきかシミュレートできていない場合も多いというのが現状です。
「どんなに良いセキュリティ認証をとっていても、中に悪意ある社員が1人いたら情報漏えいしてしまいますし、御社の社員がスッとそれ(機密情報)を持っていってしまったら、それで大問題になってしまうんですよ」という話をすると、「そうだよね…」という反応ですね。
そういうことに詳しい情報システム部の方からはあまりそういうことを聞きませんが、昨今は、初めて個人情報などの取り扱いに直面する方が少なくないのでしょう。マーケティングの部署の方が直接モバイルサイトを運営するケースも増えてますから。
そこで「大丈夫か?本当に大丈夫か!?」といたずらに不安ばかりつのってしまう。「不安の元は何なんですか?」と詰めていって、契約の文面まで落とし込んで「ほら大丈夫でしょ?」となると、あっさり納得してくれたりしたこともありましたね。
ビートレンド株式会社 会社概要
| 社名 | ビートレンド株式会社 |
|---|---|
| URL | http://www.betrend.com/ |
| 所在地 | 〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目22番24号 泉赤坂ビル3F TEL. 03-5549-2380 FAX.03-5549-2381 |
| 事業内容 | モバイルマーケティング・コマースのSaaS事業 |
『BeMss』のASP・SaaSサービス詳細
[Flash対応]、[クーポン対応]、月額1万円からスタートできる携帯販促ASP[BeMss]
BeMss オフィシャルサイト
トリムタブジャパン有限会社 会社概要
| 社名 | トリムタブジャパン有限会社 |
|---|---|
| URL | http://www.trimtab.jp/ |
| 所在地 | 〒107-0062 東京都港区南青山2-2-8 DFビル5F |
| 事業内容 | 1.モバイルを活用した顧客戦略コンサルティング 2.新規事業構築コンサルティング 3.モバイル/クロスメディアの広告/コミュニケーションプランニング 4.WEB・モバイルサイト、コンテンツの企画・設計・構築 5.モバイル/クロスメディアマーケティング研修・OJT |
株式会社イオス 会社概要
| 社名 | 株式会社イオス |
|---|---|
| URL | http://www.e-o-s.net/ |
| 所在地 | 【本社】 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-17-5 原宿シュロス城西ビル604 TEL. 03-6438-9955 FAX.03-5771-3021 |
| 事業内容 | 1.ビジネス&ソリューション事業 総合デザイン/インターネットソリューション/モバイルソリューション 2.Rockbird事業 モバイルサイト構築プラットフォーム開発/提供 3.モバイルコンテンツ事業 4.モバイルコマース事業 |
『Rockbird(ロックバード) 』のASP・SaaSサービス詳細
ドラッグ&ドロップだけで、リッチデザイン・モバイルサイト構築!「Rockbird(ロックバード)」
Rockbird オフィシャルサイト






