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株式会社東日本システム 代表取締役本間啓介氏 インタビュー

東日本システム 本間氏

営業管理や顧客管理ツールなどの業務支援システムは各社しのぎを削っているASPの花形である。そんな競争が激しい業界で、東京ではなく新潟県村上市に本社を持ち異彩を放っている会社が「東日本システム」だ。同社が提供している業務支援システム「COMP(Corporate Management Pack)」は、その柔軟なカスタマイズ性を武器に、幾多の異なった業種への展開を始めている。そんな東日本システムの代表取締役本間啓介氏にお話を伺った。

会社設立からCOMP開発まで-建設、医療向けシステムを経て現在の形態に

――本日は新潟からわざわざありがとうございました。

いえいえ。4時間くらいで着きましたからそんなに遠くなかったですよ。都内入ってからの方が混んでいて時間かかって困りました(笑)。普段からあまり混んでいるところが得意じゃないものですから…。東京はほんといつ来ても人が多いですよね。うちの会社は新潟県の村上市にあるんですが、面積が東京23区の2倍くらいあるんです。そこに6万人しか住んでいないんですよ(笑)。東京は1,000万人住んでますもん、そりゃ混んでますよね(笑)。

――さて、早速ですが最初に御社の歩みをお聞かせください。

東日本システム 本間氏

10年くらい前ですが当社は最初、建設業者向けのソフトを作っていました。当時、そういうソフトは他社だと100万円位する高額なサービスが多かったんですね。一方、うちは私が独自で作ったものだったので、『もう少し安くていいんじゃないかな』と思って販売をはじめました。

――社長がご自身で作ってたんですか?

はい、そうです。今のCOMPも実は8割以上、私が作っています。

――当時のそのソフトはどんな感じのものだったんですか?

周りの会社のソフトは高額な分、サポートや説明書とかが充実していたんです。ただ、うちのサービスは「使える人が使ってくれればいい」「わかる人が使ってよ」みたいな感じで機能を絞ったものを提供していたので、約10万円くらいの安価で提供できたんです。

――それは売れたんじゃないですか?

東日本システム 本間氏

売れました(笑)。四国や九州、関西とかでかなりのユーザーをもっていました。ただ、新潟や東北では売れなかったんですよ。コスト意識や安価で良いものを求める性格がやっぱり関西の人はあるんじゃないですかね。

――なるほど。先進的なものやコスト意識に地域性があるんですね。

そうなんですよ。東北でも岩手はそういう意識があるみたいで売れました。ただ、少し時間が経った2003年頃から建設業界の景気がだんだん悪くなってきて、うちの事業も少し下向きになってきたんです。

――なるほど。

当時、建設業向けの計算ソフトを手掛けていたのですが、それを携帯電話でオンラインのサーバーにつないで計算できるように作っていたんです。今で言うASPですね。

――先進的ですね。そのころはまだ、携帯でのASPサービスは充実してないですよね?

今考えるとそうなんですよ(笑)。ほんと、理解してもらうのに時間がかかりましたよ。携帯でできれば現場に行ったときにPCがなくても計算できるというものを作って、特許も取ったんですが、理解してくれる人が少なくて挫折しました(笑)。それで方向転換しようかな…と。

――次はどんなものを作ったのでしょうか?

東日本システム 本間氏

そこで、目をつけたのが医者向けのソフトだったんです。当時、病院って予約して行っても待合室ですごく待たされたじゃないですか。あれを、予約システムでなんとか改善できないものかと思いまして。予約受け付けをPCでやると、たとえば「10時の診察ですよ」って出るわけですね。そしたら10時近くになったら外出していても「そろそろ時間です」とメールで連絡が来るとか、病院が混んでいて診察時間が遅れる場合も携帯へメールがくるみたいなシステムを作ったんですよ。

――最近でこそ、進んでいる医者だとそういうシステムを導入しているところが増えてきましたけど、当時はまだ普及してないですよね?

そうなんです。またちょっと早すぎまして(笑)。「外部サーバーにお客さんのデータを置く」とか「携帯が病院で使えないのにダメじゃん」とか、もろもろクライアントさんからダメ出しをされまして(苦笑)。最近だったら売れたのかもしれませんが…(笑)。

――次々と先進的なシステム開発をされていたんですね。

ありがとうございます。ただ、その後、ちょっとのんびりしている時期があって、システム開発よりもホームページ制作とかで一時期、生計を立てていたんです。もちろん、その期間もPHPや新しいことを勉強したりしながら次のことを考えていました。そんな中、自社社員の日報や顧客管理をしたいなあと思いはじめまして、管理システムをちょこっと作ったんですね。そしたら、知り合いから「うちの会社でも使いたい」というリクエストを徐々にいただくようになりまして。しかし、販売する目的で作っていたわけではなかったので、少し販売用に手直しなどをして2005年くらいですかね、そのプロトタイプを知り合いの会社さんレベルで使ってもらいつつ、要望やお話を聞きながら、段々と今の「COMP」の形に近づけていったわけです。

――実際に販売開始したのはいつ頃ですか?

東日本システム 本間氏

実用レベルで正式に販売スタートしたのは去年の8月くらいです。4~5年かけてブラッシュアップした感じですね。

――なるほど。ここからCOMPの歴史がはじまるわけですね。ところで、御社名の由来はどこにあるんですか?

設立時(2000年頃)、JR東日本やNTT東日本とかが流行ってまして、それにあやかり、システム会社なんで「東日本システム」にしたという感じです(笑)。

――わかりやすくていいですね(笑)。

「お客様のわがまま聞きます」-究極のカスタマイズ性を備えるCOMP

――最初は自社用からはじめたということでしたがCOMPという名前はどこからきたんですか?

Corporate Management Pack

自社用で日報や顧客管理のシステムをベースで動かしていたんですが、販売に力を入れようと思い、2007年頃に顧客向けのメール配信システムを開発して付加しました。そのときにそのメール配信システムにつけた名前が「メルポン(略してMP)」という名前だったんです。その後、それに顧客管理などのシステムを付加したので、COMP(Corporate MP)になり、メール配信システムだけじゃなくなったのでMPの部分の読み方を変更し、後付けで「Corporate Management Pack」にしたのが経緯です(笑)。

――その後さまざまな機能が追加されていくわけですね。

はい。見積もりと請求書をエクセルで管理しているとわかると思うんですが、どうしてもエクセルの利便性から抜け出せないんです。そのため、なかなか他の管理システムを入れてもらえないということがあったので、エクセルに近い形で請求書と見積もり管理作成機能を追加しました。

――エクセルって便利ですが、社内での共有や管理が難しくなったりしますからね。

そうなんです。そのへんを改善したくて機能に盛りこみました。書いたはいいけど印刷するのを忘れたり、集計できないという状況をなんとかしたくて。

東日本システム 本間氏

――-なるほど。

その頃、販売をしていく中で塾を経営している会社から依頼があり「生徒の入退室管理機能を付加することはできないか?」と要望があったんです。カードでピってやると親元へメールが行ったりするやつですね。そこから、塾業界向けでCOMPのカスタマイズ製品を提供しはじめたんです。

――でも、お客様のそういう要望って無限大というかわがままじゃないですか?

はは(笑)、言ってみればわがままですよね、確かに。ただ、そのお話を聞いて汎用性があったりすることも多々あるので、そういうときは真摯にお話を聞かせていただき改善をしています。もちろん、本来のCOMPのオプションとしては厳しい場合もあるので、そのときは業界向けや、その会社さんオリジナルとかで対応しています。

――なるほど、ということはCOMP自体がカスタマイズしやすい作りになっているんですか?

そうですね。初期の段階からお客様の要望やニーズに応えて変化していくことを想定していたので、カスタマイズしやすいように作ってあります。

――それはスゴイですね。システムなどははじめからカッチリ作ることも多いですが、将来を見越して最初の設計の段階でフレキシブルな対応ができる仕様にしたということですね。

そうなんです。あ、ちなみに私、実はプログラミングがほぼ独学なんです。

――え?独学なんですか?

東日本システム 本間氏

そうなんです。田舎だったのでなかなか習う機会がなかったので、本とかをネットで取り寄せて勉強しました。その勉強段階で発見したのが「プログラムはちゃんと作っちゃダメ」という持論なんです。ちゃんと作るんじゃなくて、ゆるゆるに作っておいて後で締める。そんな感じでやっていかないと完成しないってことに気づいたんです。だいたいシステム系の制作って、やっていく段階で仕様が変わるのが普通じゃないですか。それなのに最初の段階でカッチリ作ってしまうから、途中でほぼ作り直しみたいなことが発生するんです。それではダメだと思うので、最初の段階ではゆるく作って、動くところまでもっていく。動いたら、色々な部分を締めて行くという形をとらないとプログラム自体が完成しない。そういう持論の下、今でも作っています。

――その仕様のおかげでカスタマイズが容易にできるようになったということですね。

独学だったからこういう作り方ができたんだと思います。学校とかでプログラムを習っていたらそういう考えでは作れなかったかもしれないですね(笑)。

――そんなカスタマイズしやすいCOMPですが、「これは厳しいだろう」といったお客様の要望はありましたか?

そんなにないですね。無理難題も結構聞いちゃっていましたから(笑)。いろんな業界の要望にも応えてきましたので。

――たとえば、どんなものがあるんですか?

先ほどお話した塾業界からの生徒の入退室管理とか、ブティックからの商品タグによる在庫管理だったり…。

――ベーシックなCOMPにそれらをカスタマイズで付加して使ってもらっているということですよね。POSとの連動とかもやろうと思えばできるということですか?

東日本システム 本間氏

そうですね。理論上はできます。お客様が単体で来店するようなゆっくりした流れのBtoCのクライアントならPOSの代わりもできると思いますが、コンビニのような業界の場合、レジで行列ができるじゃないですか。そうすると、ASPを立ち上げるまでの時間などを考えると現実的には現場での運用が厳しいかなと思います。

――なるほど。では、COMPのPRポイントはどこですか?

やはりカスタマイズ性ですね。「お客様のわがまま聞きます」みたいな感じでしょうか(笑)。

――ちなみにカスタマイズ時、料金はどうされていますか?

大きいシステムの場合はちゃんといただいています。ただ、請求書の印刷用様式の変更などの小さい部分は込みで行っています。COMPは、すべてのクライアントさんを別々のフォルダで管理しているのでメニューや仕様も変更が可能なんです。

――ちなみに、現在は何社くらいに使用されていますか?

売り出しからちょうど1年ですが、60社くらいですね。

――なるほど。業種はやはり建設業さんが多いんですか?

いえ、実はまったくないんです。昔の建築ソフトの会社さんには売り込まなかったんですよ。今思えばつなげておけばよかったと思っています(苦笑)。

葬儀社仕様COMP-業界特有の仕様で顧客管理を実現

――そんな流れの中で「葬儀社仕様」があると聞いたんですが?

はい、そうなんです。今年に入ってから販売をはじめました。

――葬儀社向けASPって聞いたことがないのですが、御社がはじめるに至った経緯はどのようなものだったのでしょうか?

COMP葬儀社仕様

そうですね。たぶん、ASPでは日本で当社だけだと思います。経緯としては、知り合いの葬儀社から要望があったのがきっかけです。業界的に請求書が手書きだったらしいんです。請求書発行のシステムって他のASPや管理ツールだと商品登録などが必要らしいんですね。ただ、うちの請求書はエクセルのような雰囲気で使えるようにしてあるので商品登録が必要ないんです。それで都度対応が必要な葬儀社でも利用できるという話になりました。次に、亡くなった方とご遺族の方の顧客リストを作成したいということで、そちらも対応しました。そうこうしているうちに、業界特有のカレンダー(四十九日とか法事など)なども入れたりして葬儀社用の特殊な仕様ができあがったんです。

――お客様の声はいかがですか?

おかげさまで利用しやすいとご好評いただいています。葬儀屋さんって、お客様と何代にも渡ってお付き合いするらしいんですね。そのため、葬儀社側の人間は何人も担当が替わっていったりすることも多々あるわけです。そうすると顧客管理ができていなくて情報が全然出てこなかったり、無かったりすると大変なことになるらしいんです。それを、COMPだと日報として情報を入力することで顧客のデータが自動入力されて管理されるので、後から他の担当者が見てもわかるようになった影響は大きいみたいです。あと、「10年前に亡くなったおじいちゃんと同じ葬儀にしてほしい」といったお願いや遺言などもあるらしいんですね。今まではそういった要望に対しては過去の紙データをひっくりかえして大騒動で対応していたらしいんですが、COMPでは過去のデータに写真とかも残せますし、顧客管理ができているので対応力が上がったというようなお話も聞きました。

――なるほど。すごいですね。

東日本システム 本間氏

葬儀社などはアナログな業界なので、デジタルで補填できる部分はまだまだあるということですね。うちの場合は、クライアントのデータを日報で残すことでデジタル化が用意にできることと、それだけで集計などもできたりするので、利用しやすいということが導入して頂く決め手になっているのかも知れません。

――普通の会社だと日報って、その日上司が見て終わりみたいなことも多いですからね(笑)。

そうなんです。葬儀屋に限らず、せっかくクライアント情報を日報に入力してもデータとして活用ができていないと思うんです。それをCOMPで一括管理してもらえば、プロジェクトの管理などわずらわしいことをしないで、日報中心に管理ができるんですよ。一発で収支などもわかるので是非皆さんに使ってほしいと思っています。

将来の夢とCOMPのこれから-最終目標は「楽天」

――これからCOMPはどういう展開を考えていらっしゃいますか?

まずはCOMPと自社ホームページをくっつけられるようにしました。それを元に、不動産業者向けに、自社ホームページに物件情報を載せるためのCMSをCOMPに付加しました。これにより、在庫(物件)管理をCOMPで行っているだけでそれが自社のホームページにも掲載されるので、これだけで不動産屋のホームページで物件掲載ができるようになります。こちらを安価(月額3,000円)で提供します。7月から販売を始めているんですが既に6社ほどご契約いただきました。

――なるほど。それはすごいですね。CMSが3,000円ってことですよね。

そうです。初期費用はカスタマイズの仕様で各社金額は異なってきますが。

――こちらは横展開もありそうですね。

東日本システム 本間氏

はい、実は既に、車販売店向け仕様も動き出しています。不動産屋の物件管理とほぼスキームにあまり違いがないので。ただ、これで終わりではないと思っています。不動産屋を例にあげると、このCMSで管理できているものをひとまとめにした不動産ポータルを作りたいんです。そうすると、自社のホームページ用にCOMPで管理掲載したものがポータルサイトにも掲載され不動産屋にとっても販促ツールとしてすごく良いものになるのではないかと思います。

――ライバルは、「Yahoo不動産」や「アットホーム」ということですね?(笑)

そうなんです!最終的にはそこがライバルですね。不動産屋に限らず、他の業種でも同じようなものができると思っているので、それを視野に入れてこれからも開発をしていきたいですね。本当の最終的なライバル目標は「楽天」だと思っていますから。

――なるほど。

COMP デモログイン

あくまでも目標ですけどね(笑)。ただ、楽天って実はリアルな店と楽天ショップと自社ホームぺージとが裏側で連動できていないんですよね。だから、商品管理などは店を出している出店者が個別で管理しているんです。うちのCOMPを使った場合はそれを一括管理できるのでクライアントにとってはものすごく利便性が高いと思います。自社のホームページに掲載すればポータルにも掲載がされ、かつ、一元管理できるんですから。

――確かに。そうですね。業種問わずですか?

はい、行けると思っています。カスマイズは元々得意でもありますし。本当に楽天みたいな感じでできたらいいなと思っています。実現のためにもう、既に動き出しています。取り急ぎ不動産屋のサイトは新潟の地元の5社さん用のポータルサイトを8月にUPする予定です。

――楽天さんの顧客情報は楽天サイトで見ることができますから営業がかけやすいですしね(笑)。

確かにそうですね、あのページが顧客情報ですもんね(笑)。では、全部のお店に電話をかけて営業しましょうかね(笑)。

【編集後記】

「頼まれたら断れない」という本間社長。開発からお客様とともに育ててきたCOMPは、正式発売をしはじめてまだ1年だが、手ごたえを感じてきているという。ポータルサイト展開のほかにも、将来的にはバーチャルデータセンターなども手がけていきたいと夢は広がる。そんな本間社長と東日本システムにこれからも注目をしていきたい。

会社概要

社名 株式会社 東日本システム
URL http://hsys.jp/
所在地 〒958-0854
新潟県村上市田端町3-45

TEL. 0254-53-2801
FAX. 0254-53-3004
事業内容 1.パソコンショップ店舗
2.パソコン教室
3.文部科学省後援 パソコン技能検定試験会場
4.パソコンソフト開発
5.Webソフト開発
6.レンタルサーバーサービス(一般第二種電気通信事業 B-15-284)
7.経理記帳代行業務(建設業経理事務士1級)
8.YahooBB取次ぎ代理店
9.YahooBB設置サポート
10.通信販売

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