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ビムーブ株式会社 代表取締役 伊藤靖氏 インタビュー
YouTubeやニコニコ動画をはじめとした動画配信サイトで、ドラマや映画、アニメ、ミュージッククリップなどを楽しむ機会が増えている。いずれもエンターテインメント系のコンテンツが多い。
しかしここに来て、ビジネス向けの用途でも動画配信の事例が増えている。企業のWebサイトで、テレビCMを配信しているのがわかりやすい例だろう。このような使い方を対象としたSaaS型の動画配信サービスとして、ビムーブが提供する「ビムーブVIDEO」がある。サービス開始から1年と日が浅いが、75社もの導入実績があるSaaS型の動画配信サービスだ。その特長や今後の展開について、ビムーブの代表取締役である伊藤靖氏にお話を伺った。
――ビムーブの事業概要を教えてください。
法人向けのSaaS型動画配信サービス「ビムーブVIDEO」と「ビムーブ.TV」の企画・開発・運営を行っています。また、動画配信サイトの受託開発も一部行っています。
――SaaSを始めようと思った経緯について教えてください。
ビムーブは設立が2007年7月で、サービスをローンチしたのは2008年4月になります。現在SaaS型のサービスを提供している企業の多くは受託などのソフトウェア開発を母体としており、既存製品をSaaS向けにカスタマイズしたものが主流です。これに対してビムーブでは、設立当初からSaaSに注目していました。というのも、SaaSで提供している動画配信サービスがまだ少なかったからです。
――ビムーブVIDEOとビムーブ.TVの違いを教えてください。
ビムーブVIDEOは、一般法人向けに展開しているサービスで、自社のWebサイトやブログ上で、会社や商品のPR、テレビCMなどの映像を動画で配信する用途に適しています。もう一方のビムーブ.TVは、コンテンツ配信事業者向けのサービスです。たくさんの動画コンテンツを保有していて、ウェブTV型の本格的な動画配信サービスを立ち上げたいという用途に適しています。
――ビムーブ.TVの実績はいかがでしょうか?
ビムーブ.TVは、2008年12月に開始したばかりのサービスですので、実績はまだ少ないのですが、4月2日に泉谷しげるさんが自らプロデュースする「泉谷しげるのコラコラ放送局!」という動画配信サイトがリリースします。
――では、ビムーブVIDEOの導入事例はいかがですか?
3月末現在で、75社の導入実績があります。特に業界・業種に偏りはなく、具体的にはセガ様、三井不動産販売様、日本農業新聞様、アコム様をはじめとした企業や多摩美術大学様、などに導入していただいています。おかげ様で導入実績は順調に伸びており、2010年3月末には250社の導入を目指しています。
――動画配信サービスですとYouTubeなどの無料サービスもありますが、ビムーブVIDEOとの違いはどんな点ですか??
大企業を中心にYouTubeはコンテンツフィルタリングがかかっていて企業内ネットワークの環境では見られない企業が増えているようです。そのため、法人のお客様に向けた動画配信には適していません。しかし、ビムーブVIDEOを利用して自社のウェブサイト上から配信すれば、そのような心配がなくなります。
あと、YouTubeはもともとコンシューマーを対象としたサービスですが、ビムーブVIDEOは最初から法人が使うことを目的に開発したサービスです。ビジネスの分野で利用するために必須ともいえる特定のIPアドレスからのアクセスだけを許可したり、反対に特定のIPアドレスからのアクセスを禁止する高度なセキュリティ設定なども標準で実装しています。
また、画質の面でもH.264コーデックのMP4形式で動画を配信することができるので、高画質な動画配信が必要なサービスに向いていますね。特に面白いのは、MP4でエンコードしたファイルは、システムが再エンコードすることなくそのままストレートにアップロードすることができます。よって、PC上でエンコードしたクオリティのまま配信することができるんです。
――どのような形式の動画ファイルがアップロードできますか?
WMV、AVI、MPEG、MOV、FLV、MP4、3GP、3G2などのファイル形式に対応しており、現在考えられる形式にはほとんど対応していると思います。また、1本当たりのアップロードできるファイル容量は1Gバイトまでで、この容量に収まれば配信時間は関係ありません。
――動画のアップロードはどのように行うのですか?
これまでの動画配信サービスは、アップロードの作業は専門の事業者でなければ対応ができないものが多かったのですが、ビムーブVIDEOは、お客様が自ら動画をアップロードすることが可能です。それを実現しているのが、ビムーブVIDEOの特長である簡単なユーザーインターフェースと操作性です。
動画のアップロードは、ローカルに保存しているファイルを選択し、タイトルや説明を入力して送信ボタンを押すだけです。メール送信時にファイルを添付する要領とまったく同じです。2~3分の動画であれば、1分くらいでエンコードなどの処理が終了します。あとはプレビュー画面で確認し、テキスト型のアイコンをクリックすることで表示されるソースコードをWebサイトのHTMLにコピー&ペーストすれば完了です。ペーストした部分に動画が表示されます。また、動画の表示サイズもペーストする際に縦横比の数値を変更するだけで自由に変えることができます。


――PC以外でも動画の再生はできますか?
3キャリアの携帯電話に標準で対応しているのが特長ですね。この携帯電話向けの動画配信機能は、ある就職サイトで高く評価してもらい導入していただけました。これまでの就職サイトというと、写真やテキストがコンテンツの中心でした。しかし、この求人サイトでは各企業の採用担当者が動画で自社のPRをしています。この求人サイトは、新聞などの広告とも連携をしており、携帯電話でQRコードを読み込むことで動画が再生できます。
――ビムーブVIDEの具体的な導入事例を教えてください。
一般企業で一番多いのは、自社の商品やサービスのPRを目的に動画配信を利用する事例です。三井不動産販売様のようにテレビCMを2本程度サイト上で配信するケースもあれば、セガ様のようにゲームの紹介ムービーを大量にまとめて配信するケースもあったり、使い方も様々です。特にテレビCMを配信する場合、大手のサービスだと配信する動画の本数が1本や2本しかなくても月額料金が50万円くらいかかってしまうものが、弊社のサービスだと10分の1の料金ですんでしまいます。
また、コンテンツ配信に利用している事例もいくつかあります。たとえば4月2日に開局した泉谷しげるさんが自ら番組のプロデュースに携わっている「泉谷しげるのコラコラ放送局」は業界でもかなり注目されているサイトで、こちらはサイトの開発も弊社で担当しています。また、4月20日にβ版がリリースする株式会社ルール様が運営する『POLOS on earth』は、社会派ドキュメンタリーや気鋭の映像作家による個性的な作品などオリジナル制作番組を主軸とした多彩なコンテンツを無料で視聴できる本格的インターネット放送局として注目されています。
グループウェアと組み合わせた面白い事例もあります。都内にスーパーを展開しているお客様ですが、正しい手洗いの方法、包丁や食器の洗浄方法などのマニュアルをすべて動画にしてグループウェア内で配信しています。社員やパートの皆さんからは、わかりやすいと大変評判のようです。こうした動画を社内で利用する事例は今年かなり増えてくると予想しています。
――ビムーブVIDEOの価格を教えてください。
ストレージを20GB割り当てた一番低価格のプランが初期導入費用と月額利用料金が月額5万円です。他社のサービスと違うのは、配信するデータ量の増減にかかわらず料金が固定という点です。他社のサービスですと、配信するデータ量に応じて月額利用料金も増える従量課金制を採用している場合が多いですね。また、ベーシックプラン、スタンダードプラン、プレミアプランを用意しており、配信する動画のデータ量によって最適なプランを選ぶことができます。また、この基本料金でPCと携帯の両方に配信できるのもビムーブVIDEOの特長だと思っています。
――お使いの動画配信エンジンなどのシステム構成を教えてください。
動画配信エンジンは、オープンソースソフトとAPIを組み合わせて約1年かけて自社で開発しました。そのおかげもあって、カスタマイズが自由にできます。そのカスタマイズの容易性を活かして、現在月に2回のバージョンアップを行っています。
――これまでに追加した機能は何がありますか?
まず、動画のサムネイル画像を再作成する機能です。動画を配信する側は、配信する動画の一番良いシーンをサムネイル画像にしたいという希望を持っています。サービスを始めた当初からこのサムネイル画像再作成の機能を追加してほしいという要望は非常に多かったです。他社の動画配信サービスでは、デフォルトで開始から10秒か20秒後のシーンがサムネイル画像にセットされてしまいます。ビムーブVIDEOでは、サムネイルにしたい場面を秒コンマ単位で指定できるように改良しました。また、動画をアップロードした後に、タイトルや字幕スーパーを挿入できる機能もリリース後に追加で加えました。どちらも、標準機能として提供しています。
いずれもの機能も顧客からの要望をもとに追加したものです。
――今後、追加を予定している機能は何がありますか?
動画のファイルをアップロードする際にフレームレート値とビットレート値を自由に設定できる機能を予定しています。ビムーブVIDEOもそうなんですが、ほとんどの動画配信サービスでは、配信する動画ファイルのフレームレート値とビットレート値はサービス側で固定しています。これがビムーブVIDEOでは自由に設定できるようになります。また、携帯動画に字幕スーパーを挿入したり、字幕の多言語対応などの機能追加も予定しています。
――今後の展開についてお聞かせ下さい。
大きく二つの分野に注力してビジネスを展開していく予定です。まず一つ目は、ケータイをはじめデジカメやポータブルプレーヤーなど、パソコン以外からも利用できるマルチデバイスに対応することです。特にケータイに関していえば、技術の向上がもの凄いスピードで進んでいることもあってかなり注目している分野ですね。
二つ目は、企業の社内向け動画利用分野の拡大です。従来はコンテンツ配信や自社の商品やサービスのPRなど、コンシューマーに向けての配信が利用目的のメインとなっていたのですが、今後は動画をeラーニングの代わりとして教育や研修の目的で使う社内利用向けが増えてくると予想しています。
また、法人向けの事業だけでなくコンシューマサービス事業への参入も予定しています。利用目的を限定した動画配信サービスとして、携帯動画を使った面白いプロジェクトがいくつか進行中なので楽しみにして下さい。
――最後に一言お願いします。
ビムーブは今後も進化し続けるSaaS型の動画配信サービスとしてさらなる機能拡充を予定しています。現在は動画配信に対して『難しくてコストがかかるもの』という先入観を持っている企業やユーザーがまだまだ多いのが正直なところです。だから、ビムーブのサービスを利用していただくことで、一人でも多くの方に動画配信の可能性と魅力を感じていただけたらと思っています。
――ありがとうございました。
会社概要
| 社名 | ビムーブ株式会社 |
|---|---|
| URL | http://www.bemoove.jp/ |
| 所在地 | 〒108-0014 東京都渋谷区千駄ヶ谷3丁目61番3号 コンフォリア原宿702 TEL. 03-3470-3187 FAX. 03-3470-3177 |
| 事業内容 |
1.動画配信ASPサービス「ビムーブVIDEO」の企画・開発・運営 2.ライブ動画配信ポータルサイト「ビムーブLIVE」の企画・開発・運営 3.CD・DVDソフトの企画・制作・販売 4.映像コンテンツの企画・撮影・編集 5.動画配信サイトの受託開発 |
『ビムーブVIDEO』のASPサービス詳細
操作が簡単で使いやすい法人向けSaaS・ASP型動画配信サービス「ビムーブVIDEO」
ビムーブVIDEO オフィシャルページ
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